第25話 一人で街の外へ
俺は――
この腕輪を装着した。
そして、自身のステータスを確認する。
<名前:ニールス・バンニンク>
<種族:人間>
<年齢:10>
<性別:男の子>
<LV:0>
<職業:①採取師Lv0>
<力:F>
<体力:F>
<知力:B>
<精神力:B>
<俊敏:E>
<魅力:C>
<運:A>
<保有スキル>
鍛冶Lv1・道具作成Lv1・剣術Lv1・採取Lv1
<特殊スキル及びギフト>
???
<称号>
採取師見習い
<所属>
無し
うーん――
名前と職業に、変化が見られる。
デルクではなく、ニールス。
遊び人ではなく、採取師。
「ほう、デルクは採取師扱いになったか……ちょうど採取のスキルもあるからいいじゃないか! ステータス自体は変わってねえからまあ、ばれるとは思えねえが、そこだけは気を付けるこったな」
ヴィーべが、俺のステータスを見て言う。
「ニールス? 変わった名前ね? あんたならいざとなればジョブチェンジで本物の採取師に化ける事が出来るから、やばくなったらそれを使ってとっとと逃げなさいね?」
リニが、アドバイス? してくれる。
だが――
実際には、不安しかない。
一人で、街の外に出る。
魔物がいるかもしれない場所に。
「一応ギルドで採取の依頼受けとくか? いや、止めとくか? 認識阻害のアイテムが装着されているとなれば、ギルドでわかるからな」
ヴィーべが、悩む。
「まあ、ちょっと外へ行って薬草その他を採取するだけですから、今までもそうしていましたから、勝手はよく知ってますし、行ってきますよ」
俺は、そう答えた。
俺は――
ここへやってくるまでは、つまり遊び人になるまでは、色々な人に教えてもらっていた。
鍛冶職人の所へ行ったり、木こりの人に採取を教えてもらったり。
木こりの人も、採取スキル持ちだったので、教えてもらった。
そのおかげで、何処に何があるかは大体わかる。
ただ――
リストの中には、見た事も聞いた事もないような草がある。
それを、探さないといけない。
俺は――
今までそうしていたように、一人で街の外へ向かう。
街を歩く。
いつもと同じ道。
だが――
今日は違う。
俺は、ニールス・バンニンク。
採取師だ。
遊び人ではない。
特に、呼び止められる事もなく――
門の所へ辿り着く。
途中、今まで自分の住んでいた場所付近を通った時――
知り合いとすれ違って、ドキッとした。
同年代の――
魔法戦士の男の子。
レイナウト・モレナール。
そして――
精霊使いの女の子。
ロース・ランブレヘツ。
2人だ。
この2人とすれ違った時は――
焦った。
心臓が、激しく鳴る。
ばれたら――
どうしよう。
レイナウトが――
こちらを見た。
一瞬――
視線が合う。
だが――
レイナウトの視線は、何もなかったかの様にスルーされた。
俺を――
見ていない。
いや、見ているけど――
認識していない。
本当に――
認識が阻害されているんだな。
俺は、ほっとした。
そして――
無事、門の外へ。
外は――
いつもと同じ景色だ。
草原が広がり、遠くに森が見える。
俺は、リストにある薬草をいくつか採取していく。
その前に――
採取師になっておく。
ジョブチェンジ。
スキルがある方が、有利だろうから。
まずは――
知っている草から採取していく。
これは、治癒の薬草。
これは、解毒の薬草。
順調だ。
そして、ある程度採取した後――
もう少し奥へ向かう事にする。
森の入り口まで。
そして――
周りに人がいない事を確かめ、今からはリストに載っていて、俺の知らない草を探す事に集中する。
岩の間に――
いくつか見慣れない草があるようだ。
ここは、調べた方が良いかな。
もう一度、周りを見る。
誰もいない。
確認し――
ジョブチェンジで商人へ。
【鑑定】を発動。
一応、トゥーニスの話では――
リストの草は全て、この街周辺に存在しているらしい。
なので、見知らぬ草を鑑定していく。
すると――
あった!
3種類、知らない草がある中――
そのうちの2種類が、ここにあった。
必要な部位も、記載されている。
今回は、根と葉がそれぞれ必要な草だったので――
採取していく。
あと1種類だ。
これも――
すぐに見つかった。
近くに小川があり、その周囲に生えていた。
水辺の草――
これだ。
俺は、慎重に採取する。
根を傷つけないように。
葉を丁寧に。
そして――
全て集まった。
リストの草、全部だ。
結局、この日は何事もなく――
無事に採取を終え、戻る事にした。
初めての仕事――
成功だ。
俺は、少しだけ――
誇らしい気持ちになった。




