第241話 2つの選択肢
「え?私がまとめ役?嘘でしょ?」
あの女性なら任せられる。そう思って遊び人部隊を任せたいと提案したんだけど。
「超絶無理!わかるでしょ?」
……やっぱりあの男性陣ですか?
「俺は暫く様子を見ていました。貴女ならあの難物達を御せると思ったんです。それに遊び人部隊の女性達って皆さんしっかりしているようですし、何かあれば彼女達が男性達のお尻をひっぱたいて従わせてくれそうだと思ったんです。」
「へえ、流石はその若さでダンジョンを踏破してるだけの事はあるね!そういう事ならお姉さん任されちゃうわ!」
任されました!
これで一つの問題が解決しました。
褒め方が上手かったかどうかはわかりませんが、本当の事を言っただけです。
さて問題は遊び人部隊以外です。
但しヴィーベさんとリニさんはここでしっかりレベリングをしてもらわないと困ります。
「え?あいつらと一緒ってか……」
あれ?ヴィーベさんが嫌がっているけど、どうして?
「ああ、ほらヴィーベってバカでしょ?だけどね、あそこにいるのってヴィーベの何倍もバカなのよ。ヴィーベが呆れるぐらいだから大概よね?」
「リニさんも大概酷いね?」
「そう?いたって常識人枠なんですけれど?」
枠って何ですか?
「まあ今のリニさん達はこの階層でじっくりレベリングしてほしいんですよ。」
「仕方ないわよね。どうしたらいい?レベル7なんだけど、9ぐらいまで上げとくの?」
「いえ。皆さんレベル8になれば今後はもっと下へ向かってもらいます。レベル9になるのはもっと下に行かないと厳しいと思いますから。」
「デルクも大概厳しいわね。このダンジョン、私達が生まれる前から70層以降の攻略が進んでいないのよ?陛下ですら70層までだって言うじゃない?」
「だけどここでレベリングをしておけば皆さんの実力なら十分可能だと思っています。」
「そう?まあまずはレベリングね。じゃあトゥーニスさんを宜しくね?」
さて陛下達をどうするかなんです。
果たしてこのダンジョンでレベル10を超えるレベル11にアップできるのか?
しかも時間はそんなにないと思うんです。
なので此処で考えられるのは無理やり100層へ向かい、特に99層と100層、これでレベリングをする。
その前に陛下達が対応できるかどうかが問題なんです。
もう1つは……皆さんファーストジョブのみなんです。
なので此処でセカンド、サードジョブを選択してもらい、それをレベリングしていけば?と。
だけど問題もあります。
遊び人を選択できるかどうか。
選定と言っても自分で選ぶ訳ではなく、何かしらの法則があると思いますがそれがどのような方法か分かりません。
不確実な方法を選択するのかどうか。
ただこれにはやり方がない訳ではありません。俺は試した事って無いのですが、以前疑問に思った事があるんです。
【司祭】です。
教会には司祭様がいらっしゃいました。
そして選定は司祭以上の人が受け持ってました。
どんなに身分が高くても、助手に任せずこれだけは自ら行っていました。
つまり選定は司祭以上のスキルが必要な可能性があります。
それでは俺が司祭になればどうなるのか?
陛下は遊び人とはいえ、普段は剣聖として行動しています。
宰相閣下も賢者。
そう上手い事遊び人になれるかどうか分かりません。
ですが司祭にはもう一つの役割があるんです。
転職です。つまりジョブチェンジ。
一定の条件を達成すれば上位職へ転職できます。それもやはりジョブチェンジしたい人が選定板に手をかざし、司祭様が執り行っています。
それこそジョブチェンジで俺が司祭になっていれば?
考えれば考えるほど、この仮説には筋が通っている気がします。
……
俺は陛下達と話し合いをしました。
「ほう、デルクはそこに気が付いたのじゃな。」
「ええ。もしかして既に実行されていますか?」
各地に散っている遊び人部隊の面々。100名程いるはずがこの場には20名程しかいません。
つまり教会の勢力を追放したものの、選定板の事があり司祭以上の役職の人が必要不可欠。
しかしながら既に司祭以上は国から追放されて不在。
そこを遊び人で補完したのでは?と。
「その通りじゃ!よおわかったのう。選定板を置いてある教会の場所には司祭にジョブチェンジさせた遊び人部隊を常駐させておる。」
やはりそうですか。
遊び人の可能性は、俺が思っていた以上に広いようです。




