第237話 囲いに入っての説明
「さてそろそろレベリングをやろうぞ!」
国王陛下が発する鶴の一声。しかし奥様方の視線は冷たい。それは何故か?
途中の階層で、サキュバスが出現。24層と49層。
ここで国王陛下は大チョンボをしでかした。
事もあろうにサキュバスの魅了に引っかかり、サキュバス相手に腰を振っていたのだ。当然ながら下半身は装備一式下着すら脱ぎ捨てて。
「うひょおお!!!」
怪しい。実に怪しい。
この階層の魔物はサキュバスと知っていたのでは?
この階層には陛下が先陣を切って突っ込んでいったので詳しい事は分からないんだけど、24層は何事もなくサキュバスを仕留めていたという話で、だから皆さん49層も何事もなく終わると思っていたんです。
しかしここでこの失態。
サキュバスにとらわれ、そうした事をしてしまうと……その快感たるや通常の数倍に跳ね上がると言う。
そして隣では……。
「陛下気持ちよいでございますな!」
「だろう!これだからやめられん!」
宰相閣下だった……。
サキュバスの恐ろしさは魅了。
魅了で相手を虜にし精を搾取し続け、やがて干からびさせてしまうというもの。
精が出なくなってからが真の恐怖であり、そのまま生命エネルギーを吸い取られ、やがて死に至る。
それが分かっているだけに、2人の行動は本当に命知らずとしか言いようがありません。
だが運よく事が始まったばかりで奥様方が発見、対処した。
そのせいで陛下は奥様方に非常に冷たい視線を……既に視線ですらなかった。
「デルク、頼んだぞ。」
因みに陛下にも一度囲いは経験してもらいますが、陛下のレベルではこの階層でのレベリングは意味がなさそう。
で、ここは遊び人部隊の面々に行ってもらうのですが、一部に反発が出ていて、中々思うようにいきません。
「何で檻みたいなのに入らないといけないんだ!俺はあんなのに頼らん!」
「そうだそうだ!自力でやってやらあ!」
「そうですか?後で泣いても知りませんよ。」
「誰が泣くか!要は素早ければいいんだ。」
まあそうなんだけどね、レベル9や10の陛下が対応できなかったんだから、それ以下のレベルだと対応が難しいんじゃないかな?
でもまあ、自分で実感しないとわからない事もあるでしょう。
「ええとデルク君だったわね。ああいう馬鹿にはお灸を据えないといけないから、実際あそこで粋がっている馬鹿以外にはお願いね。結果で差が出るから。」
何で女性はしっかりしているのでしょうか?
遊び人部隊でも男女の差が如実に出ています。
「ではこの囲い、ここに出入り口があります。万が一に備え2か所あります。それと上側も中から押し出せば開くようにはなっていますが、こちらは緊急脱出用ですからこれを使う時は自身の身が危険に晒されていると思って下さい。そして中には手すりがあります。これをしっかり掴んで下さい。これを掴んでいないと魚が囲いに突っ込んで仕留めても自分の経験にはなりません。しかし手すりさえ持っていれば魚が勝手に囲いに突っ込んでくる上に、経験値も勝手に手に入ります。そして掴んでいないと魚が囲いにぶつかった衝撃で吹き飛びますから。」
「うわ、何それ。君よく思いついたわね?ほらあんたも入る入る!」
「ふん!俺はこんなのにたよらぶごらへ!」
うわ、顔面にグーで思いっきり……。
そしてそのまま引きずっちゃっているよ。
まあ、ある意味一番わかりやすい説得方法かもしれません。




