第223話 遊び人部隊
「ではもう1つ。そこのデルタ嬢だが、其方ら4人は何度か接触しているのであろう。あの姿、何かを感じぬか?」
俺はレイナウトと顔を見合わせます。
ロースとセシルもはて?と言った表情。
さっき陛下がやらかしたお尻の事があるので何とも言えないのですが。
「先程の事を思っておるのであろうが、あれは考えあっての事じゃ。特にそこの精霊使い、其方とデルク、2人は特に感じなかったか?」
「へ?わ、私?」
自分に話が振られる事はないと思っていたのか、慌てるロース。
「へ、陛下、その、失礼ですが精霊と何か関わりが?」
「デルクも感じなかったか?」
「申し訳ありません。分かりません。」
何だろう。自分でも気付けていない何かがあるのでしょうか。
「その方らはダンジョンで2年以上レベリングをしておったとは聞いたが、いかんせん人生の経験が不足しておるようだ。デルタ嬢が身に纏うあの衣類、魔素を組み込んでいると言っておったがそれだけではない。精霊の関わりが見える。」
え?どういう事?それに今まで全く興味が無かったので調べもしていません。
「よくおわかりですね。魔素を織り込むのに精霊の力を借りています。」
デルタさんが驚きの事実を。
「やはりそうか。流石に素材そのものはさっぱりだが、これで1つの道筋ができたというもの。ふむ。」
ただのスケベ親父じゃなかったんだ。
陛下はデルタさんのお尻を触りながら調べていたんだ。
そう思わず納得しようとしたら王妃様が、
「あれは単なるこの人の性癖ですから。お尻フェチなのですよ。」
「おい!折角いい感じで国王としての尊厳をだな……」
駄目親父でした。
ただ……精霊の話については本物のようです。
「おっほん!その話はもう終わりだ。それでは本題に入ろう。我が国は教会と全面的に争う事となった訳だが、デルクのパーティメンバーはそれぞれ皆教会によって追放された、と言うのであっておるのか?」
どうなんだろう?
確かレイナウトはロースを助けるために自ら大穴に落ちたんだったと思うんだけど。
だけど見習い中はレイナウトもロース同様レベルが上がるのが遅いと邪険に扱われていたんだっけ。
「陛下、私はレイナウトと申します。そしてこちらの精霊使いはロース。見習い中私とロースは同じパーティーで見習いとして活動をしてまいりましたが、お互い精霊使いと魔法剣士。上位職故のレベルの上がりにくさが仇となり、パーティーの先輩に疎まれておりました。そして教会の指示の下、ロースは大穴に落とされたのです。私はその時ロースを追いかけロースの後を追うように大穴へ飛び込みました。当時教会は冒険者ギルドに絶大な影響力を持っていて、同じパーティーメンバーは早く20層以降に潜りたい、しかし私達のレベルが足を引っ張ってた状態で、そんな折教会から助言があったそうです。私はその後警戒していましたが、残念ながら実力行使に出られてしまいました。なので教会は私にとっては敵です。」
「そうか、それを聞いて安心した。今遊び人を中心とした部隊が出来ていてな。特に遊び人だけで編成された部隊は通称【遊び人部隊】と呼ばれ、絶大な効果を発揮しておるのだ。だが其の方らに比べれば数段劣る。どうだろう、其の方らでレベリングをしてはくれぬか?」
え?レベリング?まさかと思うけれどダンジョンで?
あ、珍しくセシルが挙手をしている。
「私はセシル。私とデルクは生きてダンジョンを脱出する為レベリングをした。それだけの覚悟があるのだろうか?」
セシルがそんな事を言うとは。
でも……確かにそれは重要な問いだと思います。覚悟のない者を連れてダンジョンへ入れば、それは命取りになる。
「……ある!では会ってもらおうか。連れてまいれ。」
陛下が断言したけれど、どうなのかな?そしてすぐに誰かがやってきましたが、ざっと数えただけで20人程がこちらに来るのがわかります。
教会の勢力と争ったにしては少ない?
「この場にいるのはこれだけだ。」
俺は愕然としました。
もっと人数が多いと思っていたのに、これだけ。
そして生き残ったのはこれだけだ、と言う意味。
今後教会の勢力と衝突する機会も多いと思うのですが、成程これでは厳しいと言わざるを得なさそう。
「少ないと思うか?実際は100人いる。今は各地に散っているが。どうだろう、まずはこの20名を鍛えてはくれぬかのう?」
あ、違ったようです。一寸安心。
「少しメンバーと相談をさせて下さい。」
レベリングするにしてもそれなりに時間が掛かりますし、俺1人で決める話でもない。
「何を相談するのか知らぬが、これは其方らの為でもあるのだ。」
「どういう事でしょう?」
「……それを含めてだ。余が今言うた意味が分かるようになれば其の方もっと……いや言うまい。」
陛下が言いかけてやめた。
何が言いたかったのでしょう。
気になりますが……今は仲間と相談するのが先です。




