第22話 トゥーニスさんが行っている事とは?
「その、あれですよね、飲む打つ買う……もしかしてこれ全部当てはまっているんですか?」
俺は、聞く。
何だか――
リニの目つきが変わっていく。
あの――
そのジト目は止めて下さい。
なまじ整った顔立ちなので、そのジト目はある意味怖い。
「なんだデルク、知っているんじゃないのか?」
ヴィーべが、驚いて言う。
「歓楽街の事は少しは調べて知っています。飲むのはまあ酒ですよね。打つのは何かギャンブルですよね? 何を賭けるのか知りませんが。そして買うは……女の人とイチャイチャする? でいいのかな?」
俺は、首を傾げる。
「まあ大体合っている……と思う」
ヴィーべが、呆れたように言う。
「はあ……何でそんな事まで知っているかなあ」
リニが、溜息をつく。
「まあ、トゥーニスさんはそこを隠れ蓑に、色々人助けを……ってこれ言っちゃあ駄目だっけ?」
ヴィーべが、うっかり言う。
「馬鹿ヴィーべ! それ以上喋っちゃあ駄目!」
リニが、慌ててヴィーべの口を塞ぐ。
そんな事を喋っていると――
何だか疲れ切った顔をした、トゥーニスがやってきた。
顔色が悪い。
目の下には、隈ができている。
「あ、お帰りなさい! どうでしたか?」
俺は、立ち上がって聞く。
「何とか数人は……今回は相当厳しいな。ただ、聞いた話だと皆ある程度遊び人になってしまった場合にどうすべきか、つまり身の振り方を予め考えてはいたようだ」
トゥーニスが、椅子に座り込む。
「へえ……普通自分が遊び人になるなんて考える奴はいないから、どうしたんですかねえ?」
ヴィーべが、首を傾げる。
俺は――
何となく、察した。
「デルク、君のおかげだ。君は学び舎でそれとなく何人かに声をかけてくれていただろう?」
トゥーニスが、俺を見る。
「はい、過去の遊び人の扱いがどうも変だったのでそれを調べて、まあ仲間にもそれとなく言った事もありますが、何せ皆普通の職業になると思って……俺もですけれど、ただ万が一このような事態になった場合、予め対処方法を知っておかないと、いざという時に生き残れませんから」
俺は、正直に答える。
遊び人になった時――
どうすべきか。
それを、友人たちに話していた。
まさか――
自分がなるとは思わなかったけど。
「そうか、だからだったのか。一応皆こっそりと逃がしたが、教会の連中、今回はなりふり構わずといった感じでな。どうやら大司教がそろそろ引退をするという噂を聞いた。更には枢機卿のうちの1人が、もうあと数年で教会本部で教皇の傍へ栄転という噂があってな。大司教になれば、もうすぐ枢機卿になれるやもしれぬのでな。目の前に降ってわいた権力だ、皆色めき立っている様子。困ったものだよ」
トゥーニスが、苦々しく言う。
教会――
確か、世界中にある。
特定の国だけの勢力ではない。
しかも、国の干渉を嫌って独自の勢力を持っているとか。
その権力は、この国でも手出しをするのは厳しいとか。
そんな教会が――
何故、遊び人をこんなに毛嫌いするのだろう。
どうやら――
遊び人になった同年代の子供が、秘密裏に何かされているようだ。
それを、トゥーニスが阻止し、または救出しているのかな?
俺は――
トゥーニスの疲れた顔を見た。
この人は――
命がけで、遊び人を救っている。
「まあそんな所でな、今暫くデルクはここでじっとしていてほしい。後2週間ほどしたら、色々してもらうかもしれぬ……ダンジョンか、外で素材の採取をしてほしいのだ。何かと入用でな」
トゥーニスが、俺に言う。
素材の採取――
何を採取するのだろう?
俺は――
頷いた。




