第216話 ダンジョンの説明
「すまんなデルクとセシルよ。今のは冗談だ、気にするな。そしてデルクよ、鈍感はいかんぞ。」
鈍感って何の事ですか?
「セシルも苦労するであろう?」
「デルクはデルク。気にしない。」
「そうかそうか、まあそれもよかろうて。さて場も和んだ事だ。そろそろ本題に入ろうか。」
あ、空気が変わった。しかしあんなので場が和んだのだろうか?
むしろ……もう少し様子を見ないと何とも言えないかな。
「先だって深淵のダンジョンに異変があったと知らせがあった。何か知らぬか?」
あれ?用ってこれですか?
てっきり遊び人に関する何かだと思っていたので意外です。
「ダンジョンの異変ですか?俺が知る限り、大穴をデルタさんが修復すると言っていたので、それが完了した事でしょうか?」
暫し静まり返る場内。
「大穴が修復だと?それは何の事だ?それにデルタとは何だ?」
「その、失礼ですがダンジョンの大穴ですが、あれが開いている理由はご存知でしょうか?」
「いや知らぬな。誰か知っておる者はおるか?」
誰も名乗りません。
あ、違う場所にもう1人国王陛下とよく似た年齢みたいなおじさんが手を挙げているけれど、あの人が宰相閣下でしょうか。
「なんじゃ宰相よ、言うてみよ。」
「は!数百年前にダンジョンの何処かで爆発が起き、その折にあのような大穴が開いたと過去の文献に記載されておりますな。何故そのような爆発が起こったのか、詳しい記載はございませんが。」
「流石じゃな。誰かもっと詳しい者はおるか?」
300年程前ってデルタさん言ってたっけ。まあそんなに時間が経てば伝わってもこんな感じなんだろうね。
「まあそんな感じでいいと思います。デルタさんの話では、300年程前にダンジョンの100層で問題が発生し、その時100層から地上に向け膨大なエネルギーが発生、その時に大穴が開いたそうです。そしてその時にダンジョンの自動修復機能が損傷し、今まで修復できなかったようです。」
「待てデルクよ。なんじゃそれは。自動修復機能?それにデルタ?先程も言うておったの。何じゃそれは。デルタさんと呼ぶからには誰か人ではあろうが。」
「ダンジョン最下層でダンジョンの管理を任されている女性です。」
あ、これ言っちゃまずかった?
とんでもない騒ぎになっているけれど。
まあ……言ってしまったものは仕方ない。
「そ、そうか。ダンジョンには管理人がおるのか。してデルクは会ったのか?」
「はい。今まで生きて100層を攻略した人はいなかったようで、正確にはダンジョンを修復できるようなスキルを持っていた冒険者らしいですが……俺は100層へ到達した時にダンジョンの修復機能を動かすのに必要な修理を頼まれまして、エネルギーと装置の間を繋ぐケーブルが損傷していたようで、それを作り直しただけなんですが、それが完成し、どうやら上手く接続できたようで、ダンジョンの修復機能が正常になり、大穴を修復する、と言ってました。」
我ながら、簡潔にまとめたつもりですが……やはり衝撃だったでしょうか。
「す、すまんが暫く待ってくれ。」
ちょっと衝撃的な事だったかな?
「いいのかデルク、全部言ったけれど。」
レイナウトが小声で聞いてきますが、
「まあ自力で100層まで辿り着かないと確認できないし、いいんじゃないかな?」
この国で100層へ到達できる人は今現在いるのかな?
少なくとも俺達が3年間ダンジョンにいる間、他の冒険者に会った事はありませんでした。
それを思えば、そう簡単に確認できる情報ではないでしょう。




