第21話 錬金術師と付与師について
このアイテムを自分でもし作ろうと思えば――
先ず、ミスリルがいるようだ。
ミスリルは――
高価な金属だが、金さえあれば何とかなると思う。
それに、ダンジョンの比較的浅い階層でも、極少量ながらミスリルは採取できるという噂もある。
問題は――
錬金術と付与のスキルだ。
今日はもう、レベルアップした。
2回ずつジョブチェンジをしている。
だから――
もうジョブチェンジはできないと思う。
錬金術師と付与師という職業があるので――
明日、ジョブチェンジしてみてこれらを何とかすれば、作る事は可能なのかな?
幸い――
鑑定はある。
道具作成のスキルも、既に取得済み。
今後は、どうやってジョブチェンジを活用するか。
先ずは、レベルを上げればいいと思うけれど――
その中でも、商人のジョブをある程度先行してレベルアップさせるのが良い……のかな?
何故、最初に商人を選択したのか謎だが――
ひょっとしたら、トゥーニスさんは表の顔は商人という可能性がある。
トゥーニスさんは――
お店を構えているのだろうか。
ここではない場所で。
そんな事を考えていると――
いつの間にか、ヴィ―べが戻ってきていた。
「おーいデルク、飯だぞ飯!」
ヴィーべが、元気に叫ぶ。
そう言えば――
お腹が空いた。
「ほらさっさと行く! お腹を空かせていては集中できないわよ?」
あ――
リニも戻ってた。
さっきまで、あんなに怒っていたのに。
「こう寒くなると、冷えるのよね。困っちゃうわ」
リニが、スカートを押さえる。
そう思うのでしたら――
短いスカートを止めればいいのに。
「そこは女子力アップなのよ!」
リニが、胸を張る。
よく分からないけど――
女子力って何?
ここは――
食堂でいいのかな?
3人で食べている。
テーブルには、パン、スープ、肉料理が並んでいる。
温かい。
美味しい。
こんな贅沢――
まだ信じられない。
そう言えば――
あれからずっと、トゥーニスさんを見ていない。
「トゥーニスさんを見ませんが、あの方は何をされているのですか?」
俺は、食事をとりながら2人にさり気なく聞いてみる。
2人は――
顔を見合わせている。
「ああうん、一応あの人貴族だから直接労働はしていないんだよね。ただ、別の場所に店を構えていてさ、一応商会を経営している」
ヴィ―べが、教えてくれた。
商会――
何の商売なんだろう?
「あの、何をされてるのですか?」
俺は、もう一度聞いてみる。
「それ聞いちゃう?」
リニが、困った顔をする。
「リニさん、俺は何も知らないんですよ」
俺は、素直に言う。
「まあ歓楽街?」
リニが、小さな声で言う。
「歓楽街って?」
俺は、首を傾げる。
「そ……そんな事を女の口から言わせないの!」
リニが、顔を赤くして怒る。
「まああれだ、娯楽だよ娯楽!」
ヴィーべが、フォローする。
「娯楽って何ですか? カジノか何かですか?」
俺は、聞く。
世の男共は、賭け事が好きだ。
でも――
そうなると、よくある「飲む打つ買う」だっけ?
酒を飲んで、賭け事をして、あとは女の人と何やら……
「まあそんな所だ、なあリニ?」
ヴィーべが、リニに振る。
「わ……私に振らないでよ!」
リニが、叫ぶ。
うわ……
リニさん、顔が真っ赤だ。
何で?
俺は、首を傾げた。




