第18話 商人へジョブチェンジ?
いきなり――
躓いた。
どうやってジョブチェンジをしたらいいのか、わからないからだ。
「ヴィーべさん、その、ジョブチェンジってどうしたらいいんですか?」
俺は、ヴィーべに聞く。
「あ? なんだデルク、そんな事も出来ないのか?」
ヴィーべが、呆れたように言う。
……俺は――
ヴィーべの背後に忍び寄る何かを見てしまった。
思わず、目を瞑る。
「もっと丁寧に教えなさいよ!」
ドゴッ!
「ぐはあ!」
ヴィーべの悲鳴が、響いた。
リニの拳が――
ヴィーべの頭に直撃していた。
ヴィーべは――
退場した。
壁に激突して、動かない。
「あのバカ人に教えるのへたっぴなのよ。だからお姉さんにまっかっせっなっさいっ!」
リニが、妙に張り切っている。
お姉さん――
確かに俺より年上だけど。
折角なので、教えてもらおう。
「リニさん、お願いします」
俺は、頭を下げる。
「じゃあええと……なんだっけ?」
リニが、首を傾げる。
え?
「ジョブチェンジの仕方ですよ?」
俺は、呆れて言う。
「ああジョブチェンジね。オーケーオーケー! お姉さんにかかればいちころよ?」
いちころじゃ困るんだけど――
大丈夫かな、この2人。
「ヴィーべさんはまず商人になって、このアイテムを鑑定しろと言っていたのですが」
俺は、床に落ちてるアイテムを指す。
ヴィーべが倒れた時に、落としたやつだ。
「ああこれね? わかったわ。じゃあねえまずは、ステータスオープンと念じるのよ? するとステータス出るでしょ? そうしたら職業は遊び人よね? それならスキル【ジョブチェンジ】があるからそれを選択するの。そうするとジョブチェンジできる職業一覧が出るからなりたいジョブを選択するのよ。今回は商人のジョブチェンジよね? 商人のジョブを選択すればチェンジできるわよ? 出来たらスキルを確認してね? スキルは鑑定のはずよ? レベルが上がれば交渉スキルも手に入るからね! でも今回は鑑定スキルでしょ? 因みに貴方レベルゼロだから、最初は一分しか鑑定できないからジョブチェンジしたら素早く鑑定しなさいね。鑑定レベルゼロだから名前しか出ないと思うけれど、レベルが上がれば用途やら使い方なども出るから使い勝手は悪くないわよ」
リニが――
一気に喋った。
息継ぎなしで。
……その、ごめんなさい。
リニさんも教え方はあれでした……
まあ、ある程度こうなるのではないかと予想してたけど。
それは内緒だ。
どうやらリニは――
こちらの反応を確認せず、一気にしゃべりまくる人のようだ。
「あの、その出来れば、こちらの反応を見ながら教えてほしいです」
俺は、丁寧に言う。
すると――
いつの間にか戻ってきたヴィーべが、リニの背後にいる。
そして――
両手を、リニのこめかみに近づけているのが見えた。
あ――
「ぎゃあ!!!! 痛い痛い痛い痛い何すんのよ! 馬鹿ヴィーべ!」
リニが、悲鳴を上げる。
ヴィーべが――
リニのこめかみを、グリグリと押している。
「馬鹿かお前は! そんなに一気にまくしたててもデルクは理解できないぞ?」
ヴィーべが、呆れて言う。
「え? なんで? 私のチョー完璧な説明でわからないなんて誰が決めたのよ!」
リニが、反論する。
今の教え方で理解しろというのは――
難しいと思うんだけど。
俺は、溜息をついた。




