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「遊び人×3を引いた10歳の俺、ジョブ統合で規格外になる」  作者: よっしぃ@書籍化
遊び人への弟子入り?

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145/150

第145話 Side セシル その3

 教母様が――

 私に用意して下さったのは――

 白いワンピース。

 ……無理だろう。

 こんなのを――

 着て街中へ、行けと?

「すれ違った男性が皆振り向くわよ。私が保証いたします」

 教母様が――

 言う。

 そう言われても――

 これは……恥ずかしすぎる。

 肌の露出は――

 抑えられている。

 ロングスカートに――

 長袖だから、いい。

 だが――

 恥ずかしい……あまりにも恥ずかしい。

 凹凸のない――

 この身体には、似合わなさすぎる。

 そして――

 白いつばの大きな、帽子。


 そして――

 無理やり着させられた。

 だが――

 やはり……似合わない。

「まあ! 思っていた以上に似合っているわ! やはり抜群のスタイルと、そしてそのお顔!」

 教母様が――

 言う。

 教母様の目は――

 3年の間に、曇ってしまわれたよう。

 まあ――

 いい……当たって砕けてこよう。

 きっと――

 あまりもの酷さに、デルクは――

 私と会うのを、ためらうだろう。

 そして――

 この時になって、私は気が付いた。

 待ち合わせの――

 日と場所は、聞いていた。

 だが――

 時間は?


 しまった!

 朝なのか――

 昼なのか、夕方なのか……

 こうなれば――

 朝から待ち合わせ場所で、待つしかない!

 私は――

 教母様に、本日待ち合わせがある旨を伝え――

 慌てて、飛び出した……

 さらに――

 重大な事を、忘れていた。

 だが――

 この時は、考えてもみなかった。

 この姿なので――

 修道院を出てからは、むやみと走らず――

 歩いて、移動する。

 もう既に――

 デルクが待っているのでは、ないか?

 もし――

 そうであれば、申し訳ない。

 そう思いつつ――

 ひょっとして私は、デルクが時間を伝えてくれていたのを――

 聞きそびれてしまったのでは、ないか?


 そんな事を――

 思いながら、進んでいた。

 だが――

 あっという間に、目的地の前へ――

 到着してしまった。

 まだ――

 誰もいない、感じだ。

 ちょっと――

 安心。

 ギルドの建物は――

 以前と、変わっていない。

 そして――

 その近くには、腰をかける椅子が――

 いくつかあり、その1つに――

 私は、座る。

 先程――

 道行く人々が、私をじろじろと見ているのに――

 気が付いた。

 だが――

 やはり、似合っていないのだろう。

 しかし――

 この姿で出てきてしまった以上――

 デルクとの待ち合わせは、このまま行うしかない。


 私は――

 できる限り背筋を伸ばし――

 デルクを、待つ。

 待つ――

 ひたすら、待つ……

 デルクが――

 来ない。

 やはり――

 昼からだった?

 う……

 少し離れた場所に、誰かが座ったのがわかる。

 だが――

 じろじろ見るのは、失礼だから見ない。

 デルクなら――

 声をかけてくるだろうから――

 デルクでは、ないはず。

 私は――

 じっと待つ。

 だが……

 誰も、声を掛けてくれない。

 昼を過ぎても――

 デルクは、来ない。


 そして……

 夕方近くに、なってしまった。

 もう――

 今日は来ないのだろうか?

 もしや――

 何かあったのでは?

 それに――

 もう我慢の、限界だ。

 これ以上――

 我慢は、できない。

 そろそろ――

 立ち上がろうと、思った。

 だが――

 どうやら少し離れた場所で座っていた誰かが――

 立ち上がり、ギルドに入っていったよう。

 後ろを付いて行くと――

 怪しい人と、思われる。

 少し――

 待とう。

 だが――

 我慢も限界なのだ。

 あまり――

 待てん。


 駄目だ――

 限界が、近い。

 この際――

 仕方がない。

 ギルドに――

 伝言を頼もう。

 そして――

 トイレを借りよう……

 これ以上――

 我慢をしては、粗相をしてしまう。

 私は――

 意を決して、ギルドに向かう。

 だが――

 先程ギルドに入っていった誰かと――

 入れ違った。

 私は――

 我慢していて、その人の顔を見なかった。

 だが――

 もしかして、デルク?

 そう――

 思った。

 だが――

 デルクなら、声をかけてくれるはず。


 たとえ――

 私が恐ろしく醜くい姿で、あっても。

 だから――

 やはり、違うよう。

 私は――

 受付に声をかけ、伝言を頼むべく――

 聞いてみた。

 もしかして――

 デルクから伝言が、あったりしないか。

 と思い――

 頼む前に、何かないか――

 確認を、しておこう。

「すまない。私はセシル・ヴァウテルスと言うのだが、私宛に伝言はないだろうか?」

 私は――

 聞く。

 すると――

 受付の女性は、何か変な顔をして……

 やはり――

 私の顔は、醜いのだろう。


「あなたがセシルさん? こう言っては何だけど貴女外にずっといたわよね? デルクさんですか、その少年もいたわよね? 何で直接言葉をかけないの? まあ預かっているけれど」

 受付の女性が――

 言う。

 受付の女性が――

 何を言っているのか、理解できない。

「デルクと待ち合わせをしていたが会う事が叶わなかったのだ。だが伝言があるという事は、ここには来ていたのだな」

 私は――

 答える。

「ねえセシルさん、貴女私をからかっているの? さっきのデルクさんと2人して受付をからかうもんじゃありません」

 受付の女性が――

 言う。

 何の事?

「すまないが何の事を言っているのかわからない。私は待ち合わせでずっと朝からあの場所で待っていたが、私は誰からも声をかけられなかった」

 私は――

 答える。


「……ねえそれ本気で言っている? さっき入り口ですれ違ったわよね?」

 受付の女性が――

 聞く。

「いや、誰か知らない人とはすれ違ったが、デルクではないだろう。デルクなら声をかけてくれるはず」

 私は――

 答える。

「……何かかみ合わないわね。まあ伝言確認して」

 受付の女性が――

 言う。

【セシルへ、デルクです。今日見かけなかったので何かあったのか心配です。明日のお昼にギルド前で待ってます。明日来なければ探します】

 デルクの――

 声だ。

 ……え?

 もしかして――

 さっきすれ違ったのは、本当にデルクだったのか?

 顔を――

 見ておけばよかった……


 だが――

 我慢も限界で、周囲を確認する余裕は――

 なかったのだ。

 それに――

 何故気が付かなかったのだ?

 そして――

 私は突然、気が付いた。

 デルクは――

 私を、あの鎧姿でしか見ていない。

 デルクは――

 私の顔を、見ていないんだった!

 そう――

 知らないのだ!

 しまった!

 デルクは――

 私が鎧の姿で現れると、思っていたのではないか?

 これは……

 私の、ミスだ。

 私は――

 肩を落とし、トイレを借りて――

 お花を摘み終え、力なく――

 修道院に、戻る。


 明日は――

 このワンピースを着こみ、その上に――

 あの鎧を着て、待ち合わせに向かう事に――

 しよう……

 白いワンピース――

 無理だ。

 似合わない――

 凹凸のない、身体。

 恥ずかしい――

 あまりにも。

 教母様――

「似合っている」。

 目が曇った――

 3年で。

 待ち合わせ――

 時間、聞いていない。

 朝から――

 待った。


 デルク――

 来なかった。

 誰か――

 座った。

 じろじろ見ない――

 失礼だから。

 昼過ぎても――

 来なかった。

 夕方――

 なった。

 我慢の限界――

 トイレ。

 すれ違った――

 誰かと。

 デルク――

 だった?

 顔――

 見なかった。

 伝言――

 あった。


 明日お昼――

 待ってる。

 気づいた――

 デルクは私の顔を知らない。

 鎧姿――

 しか見ていない。

 私のミス――

 完全に。

 明日――

 鎧を着て、行こう。

 修道院――

 戻った。

 力なく――

 本当に、力なく。

 デルク――

 会いたかった。

 明日――

 会える。

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