第129話 宝箱の中身
宝箱を見て――
固まる、4人。
今まで――
無かった。
なので――
暫く、宝箱を見つめている。
しかし――
俺は、中身に心当たりがあり――
正確には、中身ではなく――
宝箱の中身を、デルタが用意してくれたのだろうと……
俺は――
少しでも早く仲間と合流したかった。
なので――
お礼のアイテムを、殆ど受け取らないで――
戻ってきたのだ。
だから――
その一部を、この中に入れてくれたのだろう。
恐らく――
罠は、ない。
ここにきて――
罠を仕掛けるとは、考え難かった。
なので――
誰も動かない中、俺は迷わず――
宝箱を、開ける。
「デルク! 罠があるかもしれない!」
レイナウトが――
止めに入ろうとする。
だが――
俺は――
「今更そんな事はないよ。この中には何かしらお礼が入っているんだよ」
俺は――
答える。
「デルク、お礼って?」
セシルが――
疑問に思って、質問を。
「さっきダンジョンの管理人と名乗る……人なのかな? 女性だったけれど、そのえっとデルタっていう女性なんだけど、デルタさんがダンジョンの修復依頼を僕にしてね。正確にはダンジョンの修復システムが一部壊れたので、その一部を今僕が持っている素材とスキルで対応できるから修復してほしいと頼まれ、修復したんだよ。で、お礼がしたいと言われたけれど、僕としては一刻も早く皆と合流したかったから、お礼は後回しで戻ってきたんだよ。多分この中はデルタさんなりに考え用意してくれたお礼だと思っているんだ。しかもこれとは別に違うお礼もしてくれるみたいだからね」
俺は――
説明する。
「でもでも、罠だったらどうするの? 元々仕込んであったりとかの可能性もあるわ?」
ロースが――
言う。
ロースは――
成程そういう事もあり得るとは思った。
だけど――
今回は何故か、そんな事はないと確信している。
「その時はその時……って開けるよ」
俺は――
言う。
俺は――
宝箱を、開ける。
すると――
中には、何かの種?が――
いくつも、あって――
何だろう?
そう思いつつ――
他にも、あるアイテムを見ていく……
何冊かの――
本が、入っている。
「デルク、これは魔導書か何かじゃないか? 若しくはスキルの書?」
レイナウトが――
言う。
「え? え? そんな伝説にしか存在しないアイテムじゃない?」
ロースが――
驚く。
魔導書は――
高名な魔導士が、遺したりする事もある。
だけど――
スキルの書なんて、存在しているのだろうか?
スキルの書――
記載している、スキルを――
読み手が読む事で、授かる事が出来るという――
とんでもない、本。
回数制限は――
あるものの、基本一冊で――
数人が、スキルを授かる事が出来る――
貴重な、品。
ダンジョンの下層で――
極稀に出現する事もあるとかで――
これを――
もし売れば、一生遊んで暮らせるだけの――
お金が、手に入るのだとか。
尤も――
貴重なスキルを手に入れられる機会を――
みすみす逃す手は、なく――
こういった本が市場に流れるのは――
たいてい、本を所持している人が――
そのスキルを既に所持していた時ぐらい。
今すぐ――
使う事もない。
なので――
いったん、カバンに仕舞っていく、俺。
そして――
後は、見事にカットしてある宝石が――
いくつか、入っていた。
売れば――
どれほどの価値があるのか、見当もつかない。
丁寧に――
同じ品が、それぞれ4つずつあった。
なので――
明らかに、俺達のお礼。
そして――
よくわからない、珠?
これも――
4つ。
何だろう?
俺は――
鑑定する。
【珠:現在のレベルでは鑑定不可能】
え?
鑑定できない?
これ――
きっと商人のジョブを複数にしないと――
鑑定できない、やつだ。
地上に戻って――
落ち着いたら、鑑定でいいかな。
まあ――
このアイテムも、何か意味があるのだろう。
なので――
カバンに、仕舞っておこう。
俺は――
そんな事を思いながら――
アイテムを、カバンに仕舞っていく……
こうして――
宝箱の中身も全て手に入れ――
ドロップアイテムも、回収し終わった。
なので――
ボス部屋を出る、4人。
出ると――
恐らく外に戻る事の出来る、魔法陣が――
目の前に。
やっと――
地上に戻る事が、出来る……
ついに――
この日が、やってきた!
俺は――
そう感じ――
いつの間にか、セシルの手を握っていた。
いや――
セシルから、握ってきたのかな?
何故か――
俺は、セシルが隣にいてほしいなと感じた時に――
隣で何も言わず、付き従ってくれる、セシル。
セシルは――
俺の考えている事が、わかるのかな?
それに――
何も言わないけれど――
俺がやらなくちゃ!と思っている事を――
してくれているし。
セシルって――
やっぱり神聖騎士に選ばれるだけあって――
色々と、違うんだなあ……
あれ?
色々って――
何だろう?
まあ――
どっちでもいいや。
そう――
考えるのを止めた、俺だった。
そして――
セシルと言えば――
『いい加減に気が付いてほしい』
相変わらず――
男女の機微に関して、ダメダメな――
俺だった……
宝箱――
開けた。
種――
何かの、種。
本――
魔導書?スキルの書?
伝説級――
とんでもない、本。
一生遊んで――
暮らせる。
宝石――
4つずつ。
見事に――
カットしてある。
珠――
鑑定不可能。
レベルが――
足りない。
地上で――
鑑定しよう。
デルタ――
ありがとう。
こんな――
すごい物を、くれた。
感謝――
している。
魔法陣――
発見した。
地上へ――
戻れる。
ついに――
この日が、来た。
セシル――
手を、繋いでいる。
温かい――
手だ。
セシルは――
わかってくれる。
俺の――
気持ちを、わかってくれる。
いつも――
隣にいてくれる。
何も言わず――
付き従ってくれる。
セシル――
ありがとう。
神聖騎士――
だからかな。
色々――
違うんだな。
でも――
何が違うんだろう?
わからない――
俺には、わからない。
セシル――
『いい加減に気が付いてほしい』
鈍感――
俺は、鈍感だ。
男女の機微――
全く、わからない。




