第104話 桁違いの強さ
ロースは――
未だ、立ち直れていない。
だけど――
精霊が守ってくれている。
なので――
安心だ。
そして――
残りの精霊が、大きなデュラハンと対峙している。
それに――
レイナウトとセシルも、左右から様子を窺っている。
俺は――
じっと、見つめている。
俺が――
3つ共戦士のジョブになっていれば、恐らくこのダンジョンでは――
敵なし。
しかし――
セシル達の今後を考えると、3人で此処を突破しないと――
後々地上へ脱出しても、今度は人間に――
殺される。
そう考える――
俺は、手を出さない。
ただ――
命に関わるような危険が生じそうな場合は、直ぐにでも戦いに参入できるよう――
身構えては、いる。
精霊は――
各々、魔法での攻撃を開始している。
だけど――
どうやらこの個体、魔法に関して高い耐性があるのか――
効いているようには、感じられない。
そして――
レイナウトとセシルは、デュラハンの鎧を切りつける。
だが――
有効なダメージを与えているようには、感じず――
デュラハンは、何事もなかったかのように――
剣を、振りぬく。
「わああ!」
レイナウトが――
叫ぶ。
「きゃっ!」
セシルが――
叫ぶ。
レイナウトと――
セシルは、吹き飛んでいく。
精霊も――
全て、蹴散らされていく。
何て言うのだろう?
先ほども――
感じた。
だけど――
格が、違いすぎ?
他のデュラハンとは――
全く違うなあと、俺は感じつつ――
剣を、構える。
『どうしよう? 今の3人では荷が重すぎるし、やっぱりまだ早かった。でもここで仕留めないと先はないしなあ』
俺は――
そんな事を思いつつ、デュラハンに剣を振るう。
デュラハンは――
受けようと、する。
だが――
俺の剣速が早すぎて、対処できず――
どんどん攻撃を、その鎧で受ける事に。
そして……
「えい!」
俺が――
気合と共に放った一撃は、見事デュラハンの頭に――
命中。
そのまま――
崩れ落ち、ドロップアイテムに変わっていく。
やっぱり――
3つのジョブが全部戦士だと、あっけない……
俺は――
そんな事を思いつつ、ドロップアイテムを回収――
3人の様子を、見る。
「セシル、怪我はないかい?」
俺は――
聞く。
既に――
立ち上がっている、セシルに声をかける。
だが――
「ん、大丈夫。それより何もできなかった」
セシルが――
言う。
セシルは――
怪我をしていないようだった。
だけど――
最後に残ったデュラハン相手に、何もできなかった事で――
ショックを受けている様子。
「気にしなくていいさ。それより、怪我がなくてよかった」
俺は――
言う。
次に――
レイナウトだけど、床に座り込んで――
呆然としている様子。
「すまないデルク。十分行けると思っていたんだが、流石は95層、このレベルでも駄目なんだな」
レイナウトが――
言う。
怪我は――
ないようだから、安心した、俺。
だが――
「もっと上の階層で戦うべきだった。だけどまあ今後の課題も見えてきたよね」
俺は――
言う。
「ああ、その通りだ。まだまだ精進しないといけない」
レイナウトが――
言う。
まだ――
レイナウトの目は、死んでいない。
良かった――
本当に、良かった。
セシルも――
レイナウトも、無事だ。
ロースも――
精霊が守ってくれた。
みんな――
無事だ。
俺は――
そう思った。
デュラハン――
倒せた。
みんなで――
倒せた。
課題は――
見えた。
次は――
もっと、強くなろう。
みんなで――
一緒に、強くなろう。
俺は――
そう決めた。
95層――
突破できた。
みんなで――
一緒に、突破できた。
それが――
一番、大事。
俺は――
そう思った。




