第101話 あっという間に殲滅
急いで――
3人は、レイナウトを追いかけ――
中へ、入る。
1人に――
させる訳には、いかないから。
そして――
4人が急ぎ部屋へ入ると、暫くして――
扉が、閉まっていく。
「あ! 閉まる!」
セシルが――
叫ぶ。
セシルは――
まだボス部屋の経験が、少ないのか――
驚いている。
俺も――
内心、驚いている。
先輩遊び人の――
ヴィーベとリニを合わせた3人で、低階層のボス部屋を経験した事が――
あった。
だが――
この時は、まだ頼れる先輩と共にだった。
なので――
大して気には、留めていなかった。
だが――
ここは、95層。
未だ――
誰も踏み込んだ事のない、危険な階層。
それに――
俺達は、順を追ってこの階層へやってきた訳では、ない。
中層を――
すっ飛ばしているから。
「石像?」
レイナウトは――
目の前にある石像らしき物体を見て、困惑している。
部屋の中央には――
先程のリビングアーマーより二回り程大きな、リビングアーマーが――
台座の上に、立っている。
そして――
部屋の周りには、それぞれリビングアーマーらしき石像が――
等間隔で、立っている。
『なんだろう? この石像が動くのかな?』
俺は――
そんな事を、思っていた。
すると――
真ん中の石像が、動き出し――
徐々に、リビングアーマーらしくなっていき――
レイナウトを、襲い始める。
「くっ!」
レイナウトは――
自分の剣で、リビングアーマーが放った剣を受け流し――
切りつける。
すると――
リビングアーマーは吹き飛び、鎧がバラバラに、なる。
「あれ? 弱いじゃないか?」
レイナウトが――
言う。
まさかの――
一撃。
すると――
周囲の石像が、全て動き出す。
一斉に――
襲い掛かってくる。
だが――
俺は、セシルとロースを見る。
セシルは――
5体ほどを相手に、余裕で斬撃を飛ばし――
リビングアーマーを、無効化している。
ロースは――
精霊に守られつつ、4体の精霊がそれぞれリビングアーマーを相手に――
無双している。
レイナウトの――
心配をする必要は、無いか。
十分――
剣技だけで、リビングアーマーを圧倒している。
そして――
俺自身は、ジョブ全て戦士にしている。
なので――
近くにいるリビングアーマーを、片っ端から仕留めている。
しかし――
弱い。
あっという間に――
リビングアーマーは、全滅。
「どうだよデルク、この剣とレベルの前にはいかにリビングアーマーと言えどもこんなもんさ」
レイナウトが――
言う。
「驚いたわ! こんなに呆気ないと、もうダンジョンを脱出しても襲ってくる人は返り討ちにできるわね!」
ロースが――
言う。
レイナウトと――
ロースは、浮かれ気味だ。
「デルク、おかしい。手応えがなさすぎ」
セシルが――
言う。
セシルは――
リビングアーマーがあまりにも簡単に仕留めた事を疑問視し――
罠ではないかと、警戒をしている。
「うん、いくらなんでも呆気なさすぎるよね」
俺は――
答える。
周囲を――
警戒する。
だが――
何も、ない。
いや――
違う。
全滅している筈なのに――
部屋の扉が、開かない。
つまり――
まだ、何かいる。
「あれ? おかしいな? 何で扉が開かないんだ?」
レイナウトも――
流石に違和感を感じ、先程までの浮かれ気分が――
落ち着いてきた様子。
「それにドロップアイテムが出ていないわ」
ロースが――
指摘する。
うん――
ドロップしていない。
まだ――
何か、ある。
俺は――
レイナウトを追って、急ぎ部屋に入ってしまい――
周囲を十分調べる事が、出来なかった。
なので――
大きな見落としを、していた。
何か――
おかしい。
何が――
おかしいんだろう。
俺は――
考えた。
扉が――
開かない。
ドロップアイテムが――
出ていない。
何か――
まだ、いる。
俺は――
そう思った。
セシルの――
言う通りだ。
手応えが――
なさすぎる。
罠――
かもしれない。
俺は――
そう思った。
警戒――
しよう。
みんなを――
守ろう。
俺は――
そう決めた。
何か――
来る。
俺は――
そう感じた。
セシル――
ロース、レイナウト。
みんなを――
守る。
俺は――
そう誓った。
武器を――
構える。
何か――
来る。
絶対に――
来る。
俺は――
覚悟を決めた。




