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チート級の魔力量で最強目指します。  作者: シャルシャレード
31/36

第三十一話 ベンベッタvsジョン

 ーーーアースオブゴットーーー


 ヤプールの奥義であり、必死の攻撃…。

 自身の寿命及び魔力を最大量ごと削り取って繰り出す技である。

 1秒繰り出すごとに大体3ヶ月の寿命と大体0.1%くらい魔力が無くなる。

 あの攻撃だけで120秒…つまり360ヶ月、30年分の寿命と36%の魔力量が失われた。

 長くは無いと直感したヤプールであったが、この魔法は事後的な命、いわゆる寿命ではなく、先天的な生命を媒体としているため、その寿命の部分は先天的な生命の次に消費される。

 つまり、緊急的な命の危機ではその寿命を減らす事なく、魔法を使えるという代物なのである。


 そして、ヤプールの使った魔法とは…

 自由自在に操り、飲み込んだ者を体ごと引きづり込み、飲み込まれた者は、どんなに強かろうが弱かろうがもうそこから這い出すことは出来ない。

 十二獣や魔王すらも飲み込むほどの勢いである。

 現代の魔法において恐らく最強であると言っても過言では無い魔法である。


 それを何故この場面で使ったのか。

 ヤプールであれば、もしかしたらこの魔法を使わなくてもあそこを抜け出せたのかもしれない。

 いや、恐らく時間をかけていれば抜け出せていただろう。

 慎重に時間をかけて立ち回れば自身の寿命を魔力を削ることなく抜け出せていただろう。そのくらいの力量がヤプールにはあった。

 

 しかし、そうはならなかった。

 いや、そうすることができなかった。

 長くは無い命だが、少なくとももう少し後で使えたかも知れない。

 

 ヤプールは仲間を見捨てることが出来ない。


 

 命を媒体とした魔法はソウルマジック、魔法最大量をロストマジックと呼ばれ、これだけでも通常の魔力を使う攻撃よりもより強力なのだが、私は二つを合わせた〜罪と懺悔の魔法〜(モータルマジック)を使った。

 遥か昔にモータルマジックでいくつもの国が滅んだとされ、それが元で外道の魔法として固く禁じられていた。その上、情報統制がなされたのかそれに関する具体的な記述は一切なく、歴史書を当たっても名前が出る程度である。

 それ故に、一般的にはもう名前すら聞かないレベルで廃れていた。

が、魔法神を崇める魔法神教の上層部と、それに繋がる裏社会のボス級の者の一部が現在でもモータルマジックを使えるとの黒い噂が、嘘か真か流れている。

 しかし、モータルマジックは実際には使われていないため、その噂を信じている者はいなかった。



 そんなモータルマジックをなぜ、ヤプールが使えるのか…?

 大切な仲間を愛する人を守るため、ヤプールが…いや、正確にはヤプールたちが編み出したためである。



 ーーー私には普通が羨ましかった。

 

 普通に遊び、普通に学び、普通に恋をして、普通に結婚して、普通に家族ができて、普通に死んでいく。

 

 私の人生においてこれらを全うできたのだろうか…

 ………全うしたフリは上手く上手く出来たのだろう…くだらない人生だ。

 

 気ばかり使っていたんだね私って………。



 でもーーー



 ポツリポツリ


 ザーー

 

 雨が悲しげに大地を穿つように降り注ぐ。


 

 ーーー『ベンベッタさん、大丈夫ですか?』

 走る足を少し緩めダリスクが振り返る。


 『あぁ、おれの魔法舐めんなよ?それに、さっき補給も出来たから大丈夫だ。』

 ベンベッタは、グッと親指を突き出す。

 事実ベンベッタの体の中にある毒は概ね解決していたのだ。

 ベンベッタの能力の中に血の煮沸や冷温、巡回の速さなどに加えて、巡回に血の"個所"を任意に、そして自由に停止や排出をすることができる。

 それにより、毒の進行をある程度遅らせることが出来ている。

 そして、不足した血も緊急用で持っているパックを3つすべて使いある程度は回復できた。


 しかし、それでもかなり辛いであろうことはダリスクに伝わってくる。

 『少し歩くペースを落としますか?』

 ダリスクはベンベッタに提案する。急ぐことも大事だが、死んでしまっては元も子もない。ダリスクは一般的な感情を持ち得ながら提案をした。


 『俺に構うな、早く走れ!』

 しかし、その提案をベンベッタは軽く一蹴した。

 一刻も早く仲間をということを考えていた。

 そして、ベンベッタは少し苛立っていた。

 もちろん何もできなかった不甲斐ない自分にである。子供っぽい行為であると自覚はしているがどうしてもやめられないのだ。


 『分かってます…でも…。』

 ダリスクはちらりとベンベッタの奥、元来た道を見る。

 

 ベンベッタはそれを見てはぁーっとため息を吐きながら、バリバリと頭を掻く。

 『分かったよ。でも、走りながらだ。スピードは緩めるつもりはないからな。』

 

 ベンベッタのその言葉にダリスクは深くうなづく。


 『さてと、どこから話そうかな。』

 ベンベッタは少し思慮しながらやがて口を開く。



 『神的編国説って知ってるか?』

 ベンベッタが問いかける。


 『えぇ、知ってます。魔法神教が出した定説ですよね。魔法神の名の下に国を決め国境を引くって言う考え方ですよね。』

 ダリスクが答える。


 『あぁ、それだ。』

 ベンベッタが答える。


 『確かあれって魔法神教の一部が軍事国と繋がっていて、神の名の下という、侵略あるいは植民地化の体裁を得るために不当に出したものですよね?当時、大問題になって、魔法神教の本部と他の大国が協力して、その説を破棄及び侵略地域の奪回を目指したっていう…。結局合併した国と元に戻った国が出来て終結したんじゃ?』

 ダリスクが教科書的な模範回答を繰り出す。

 

 『間違いじゃないが、違うな。』

 そう言いながらベンベッタはダリスクを指差す。


 『…国の合併の中には利害が一致するか、傘下に入って国防を目指すものがそのままになっていると聞きました。』

 ダリスクは学校時代に習ったことをそのまま話した。


 それを聞いてベンベッタはやや俯きながら口を開く。

 『本当にそうだと思うか?軍事国家がバレるリスクを冒してまでそんなことをすると思うか?もしバレたとして何の得にならないことをするかと思うか?』

 ベンベッタの問いにダリスクは口を紡ぐ。


 これは恐らく触れては行けないタブーなのであろう。当時の功労国であるアルニューデ国すら積極的にというか意図的に全く触れたがらないからである。

本来であれば、功績はバンバンアピールして他の国にマウントを取るべき、絶対に取るはずなのである。

 ベンベッタはそう考えてある事に行きつく。


 『まさか、アルニューデ国も関わっていた…!?』

 ベンベッタは恐る恐る聞く。


 『半分正解だ。正確には何もしなかった。大義名分を得た以上、隣国の軍事国家エルトゥーレに対して出来なかった。小国が呑み込まれ、囲われていく。そして、その中に永世中立国ハナンがあった。』

 ベンベッタは、天を見上げる。

 

 『まさか…!』


 『あぁ、まさかのまさか、ハナン国の王女様だよ。』

 ベンベッタは目を伏せるが、ダリスクにはある点が引っかかっていた。


 『でも、ハナンは領土の周りを全て囲われても、現在進行形で永世中立国をエルトゥーレが認めてるんじゃ…。』

 ダリスクのこの答えは世間的には正しく、正解であった。


 しかし、すぐ考えればそうでない事に気付く。

 『ハナンは神的編国説の中においてエルトゥーレの領土となっていた…!』

 ダリスクはこの答えに行き着く。

 元々、ハナンの北、東、西を囲うように接していたエルトゥーレ。

 なぜ、軍事国家であるエルトゥーレは侵略できなかったのか。それは永世中立国という主張とハナンの単純な強さにあった。

 ー戦中の四神ーと呼ばれた4人の戦力と卓越した騎士団に加えて、豊かな国土。小国であったが大国であるエルトゥーレを脅かしうる存在となっていた。

 

 『あぁ、、、。そして、あの侵攻は恐らくハナンを侵略するためだ…。』

 ベンベッタのその答えにダリスクは深く考え始める。

 なぜなら、ハナンは周りをエルトゥーレなら囲われたのだが、地図からは領土は消えていない。

 つまり、侵攻されたということは公には無いのである。

 大義名分を得たのになぜ侵攻しなかったのか。

 永世中立国を攻めた事による報復を恐れたのか。単純に攻め落とせなかったのか。それとも同盟を結んだのか。

 ダリスクの頭の中でグルグルと新たな考えが思いついては消えていった。

 そして、その中で最適解であろう答えに辿り着く。


 『まさか、すでに侵攻されていて、すでに___』


 ダリスクがベンベッタに答えを確かめようとしたその時、



 『随分と早いですね。』

 進行方向、つまり来た方角とは正反対のところから声が聞こえた。

 目の前の事象に2人の足と思考は全く持って停止。 


 数秒の沈黙が続き、やがてベンベッタが口を開く。

 

 『お前、何でこんなところに…ジョン!』

 ベンベッタは、身構え、目の前の男…ジョンを睨みつける。

 そして、魔法を唱え、血を固めなぐりかかる。

 それをジョンはひらりと後ろへ飛び、躱す。


 ベンベッタは冷静であった。

 ジョンが目の前にいるということは、ヤプールが既に倒されたか、別人か、はたまた分身か。答えはわからないが、瞬時に判断して攻撃。

 当たりはしなかったが、結果としてダリスクが落ち着く時間を作り出せた。


 『教える義理は無いですが、、、そうですね。倒せたら教えましょうか…。』

 ジョンは人差し指を立て、ゆっくりとそれを左右に振る。


 『ダリスク、お前は先に行け。駄々はこねるなよ。邪魔になるから。』

 ベンベッタはダリスクに対して反論の余地が無く、黙って先へ行くように仕向けた。

 

 ダリスクにとって今怖いのは、ジョンが最悪の結果の上でダリスクとベンベッタの目の前に立っているということである。つまり団長であるヤプールを倒してここに来たということだ。


 しかし、ここでもダリスクは落ち着いていた。

今日一日の中で冷静に戦局を見つめられるほどに成長していた。

 『あとは任せました。』

 そうであるか否かの答えは仲間を連れてきてから。

そう考えてダリスクは2人を置いて素早く先へと進んだ。


 

 『追わなくていいのか?』

 ベンベッタがジョンに尋ねる。

 

 それを聞き、フフとわずかに笑いながら、

 『あなたを倒してから充分に間に合うでしょう。』

 ジョンはそう答えた。


 『そうか、でも死ぬのはお前だ。』

 『ブラッティーボール!』

 

 ベンベッタの手から丸く赤い球体が放たれ、ジョンはそれを避けながら投げナイフを両手から6本投げてくる。


 ベンベッタは、それを避けつつ、最後の一本を掴み取り、自身の皮膚を軽く突き刺した。

 毒…。

 ベンベッタは患部の血を固め、それを手に持ちながら戦略を立てる。


 『お前の魔法は、一体何なんだ?毒で間違いは無いだろう?』

 ベンベッタはこの質問で答えに辿り着こうとは思っていない。あくまでこの毒と回復薬の中に入れられた毒が魔法由来なのか否かそれを探るためだけの質問である。


 『えぇ、ですがそれだけでは私に辿り着けませんよ。』

 そう言いながら手のひらをピーンと突き伸ばす。


 『…。』

 そして、それは予想外の答えが返ってきた。

 全く迷いのなく放たれたその言葉により、ジョンの魔法が'毒'であると判明した。

 しかし、それはベンベッタの作戦を大きく変えざるを得ないことを示していた。


 『ポイズンエッジ』

 両手から鋭利な刃物を出現させ、飛びかかる。


 ベンベッタは、先程の固めた血を今度は剣状に変化させて応戦をする。

 

 キンッ

 金属の音が響き渡り、迎え撃ったベンベッタの体勢が崩れ後ろにのけぞる。

 

 『こんの、ばか力野郎が!』

 ジョンは元々斧や大剣など自分の体よりも大きい武器を使っているためかなりの筋力がある。


 『はっ!』

 ジョンはのけぞったベンベッタに追撃の剣を首筋目掛けて左手を振るう。

 ベンベッタはそれを剣で受けることなく倒れ込むようにして回避する。


 ジョンはすかさず右手の剣を刺しに行く。

 

 ベンベッタは、転がるようにして回避。

そのまま距離を取る。


 『ふぅ…』

 ベンベッタが頭を整理するようにため息を吐く。

 

 近距離だと分が悪い。単純な剣術ならそうでもないけどあの力…剣で受けたら間違いなく不利。

 遠距離も初手のあのナイフが厄介になる。

 平時ならまだしも、俺の血の残量も結構少ない。

 揺さぶり合いに持ち込んでら多分足りない。

 それに俺の魔法の弱点をあいつは知っている。下手に攻撃を食らえない。

 どうするかな…。

 

 『やれることは一つ!』

 ベンベッタがジョンに向かって真っ直ぐ突っ込む。


 『早くも万策尽きたのか?』

 ジョンは剣を構えカウンターを狙う。


 ベンベッタは構わず突き進む。

 そして、ジョンの剣の間合いに入る。

 

 『死ね!』

 そして、ジョンが剣を振り下ろそうとしたその時、


 『ブラッディーウォール!』

 地面から壁が出現する。


 『無駄だ!』

 ジョンは勢いを止めることなく剣を壁めがけて振り下ろす。


 バコン!

 

 岩が砕けたような鈍い音がする。

 そして、壁の向こうにベンベッタの姿はない。


 壁の死角を使い右に回ったのだった。

 しかし、ジョンは予想していた。

 そして、ベンベッタの姿を捉える。


 『浅はかですね!』

 そして、ジョンはベンベッタに向かって剣を振ろうとする。


 しかし、ベンベッタはジョンに向かってくることない。


 『まさか!』

 ジョンがその場を離れようとした時、

 左側からベンベッタの血柱が腹を貫く。

 

 ボトリボトリと赤紫のようなドス黒く体から流れ出す。


 ベンベッタはそれを見届けると、距離を取りジョンを見つめる。


 『なるほどな…流石に備えてあったか。』

 ジョンが少し笑いながら問う。


 『あぁ、お前の性格だ。必ず俺の誘いに乗って攻撃してくると思った。』

 ベンベッタが答える。


 『あぁ、動かない方がいい。多分俺の血がもうすぐ心臓に達する。動かなければほんの少しだけ寿命が伸びる。かつて仲間だった情けだ。出来るだけ苦しまない方法で殺してやる。』

 ベンベッタが動こうとするジョンに忠告をする。


 『そうかすまない。本当に愚かなことをしたと思う。力に固執するのも本当にバカだったんだな…。』

 ジョンが天を見上げる。


 『そうかじゃあ反省して地獄に落ちろよ。』

 ベンベッタがジョンから離れ、ダリスクを追おうとしたその時、


 『お前がな。』

 

 ジョンがベンベッタに斬りかかる。

 

 ベンベッタは予想外の出来事であったが、反射的に身を捩り、躱す。


 どういうことだ…!

 なんで立てる。時間的にはもうすでに心臓に達して死んでるはずなのに…。

 

 『予想外って顔してるな。そんなに地獄に落ちなかったことが不思議か?』

 ジョンが剣をくるくると回す。


 『あぁ、今世紀最大に驚いているよ。死ぬまでこんなに驚くことないんじゃないかってレベルだ。』

 ベンベッタは取り繕い、落ち着く時間を作ろうとする。

 しかし、一度確実に仕留めたはずのジョンが立っている現象を理解できなかった。

 

 『ほんと勘弁してくれよ…。』

 そう言いながらベンベッタは思考を巡らせる。

 今俺が考えられることは三つ。

 一つは血流が馴染み逆流を起こさなかったこと。

 でも、これはありえない。

 同じ系統の魔法使いでなければ防ぐのは不可能。

 二つ目はそもそもあの攻撃が当たらなかったことだが、これは1番ありえない。

 さっき腹を貫いたことをたしかに見たし、血も流れていた。

 三つ目はそもそも心臓も血もない分身であるという点、、、

 

 ベンベッタが思考を巡らせていると突如として息苦しくなる。

 『毒?攻撃は当たってないはず…一体いつだ…』

 毒が回っていたのだ。それも体の中にかなり。

 ベンベッタは体内の血を探って行く。

 押されたことが起きた。

 全身に毒が回ればいくらベンベッタでも対抗しきれない。

 

 ジョンは苦しむベンベッタに隙を与えないように今度は球体に毒を飛ばす。

 それをなんとか躱し続ける。



 『ダメだ…毒が回って…。』

 ベンベッタが倒れ込む。


 それを見てジョンが不敵な笑みを見せながら近づく。

 『流石にダメでしたか。残念ですがここまでのようですね。』

 ジョンが悲しそうな声色であったが、顔には張り付いたような笑顔があった。

 

 『まさかこれも予想して、、、』


 『人間とは容易く瓦解するもの。自分の予想外の出来事で驚き、気に入らない事象で怒り、取り繕った薄い外皮を忘れ去る。ベンベッタ、貴方もそれは例外ではなかった、、、残念です。』


 『ジョン、お前は違うというのか…!』

 

 『今までありがとうございました。さようなら。』

 ベンベッタの問いに答えることなく、ジョンがナイフを振り下ろす。

 

 ザクッ


 ナイフはベンベッタに刺さることなく地面に突き刺さる。そして、ジョンの脇腹にカウンター気味に蹴りが入る。

 ジョンは飛ばされる。


 『なぜ、動ける…!』

 ジョンが焦ったようにベンベッタを睨む。


 『流石に全身に回った時はやばいと思ったけど。場所によって息苦しさがわずかに違くてな。お前の毒は気体にもなるんだろう?』

 ベンベッタがニヤリと笑う。


 『下らない講釈で時間ができて助かった。それに、お前の専売特許だと思ったら大間違いだ。毒の回った部分の血を気体にした。もう無駄だぞ。』

 ベンベッタが事細やかに説明をする。

 血の気体により、毒の気体の濃度が大きく落ち、血の操れるベンベッタにとって問題のないレベルにまでなっていた。


 本来であれば戦闘中の説明はご法度なのだが、既に相手に能力の大部分を知られていることと、焦りを誘い出すというメリットがデメリット上回ると判断し、ベンベッタは説明した。


 『…。』

 それを聞いてジョンは無言であったものの、先ほどとは違った感じの笑顔を見せる。

 


 『さてと、ジョン、なんで裏切ったんだ?なぜ団長を狙う。』

 ベンベッタはジョンに問いかける。


 『聞かれて言う義理は無いですが、強いていうなら世界平和のためでしょうか。最強を"作る"ための準備ですかね。』

 ジョンが嬉々として答える。

 

 『最強を作る?』

 ベンベッタはこの言葉を理解できなかった。

 

 『はい。そして、貴方も必要なのです。無能が蔓延り、才能のある者が不遇されるこの世界を変えるために。今の世界は生きづらいだろう?』


 『……。』

 ジョンの言葉にベンベッタが詰まる。

 そして、ある人の過去も含まれているのだろうと考えた。


 『その理想のために大切な仲間が1人でも死ぬなら、こんな腐った世界も甘んじて受け入れるけどな。なにより、お前のいう通りの世界になるのが気に入らない。』

 ベンベッタがその言葉とともにナイフを地面に突き刺し、地面に魔法陣を展開させる。

 

 『血界地獄』

 

 

 

 



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