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チート級の魔力量で最強目指します。  作者: シャルシャレード
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第十六話 魔剣の実力

 カイリは魔剣の力を見て大きく叫んでいた。

 この現象が現実のものとは思えなかったからだ。


 『その剣はね、簡単に言えば、この剣で斬ったモンスターの特徴が使えるようになる魔剣よ。』

 ユーベリータは、叫んだカイリに冷静に答えた。

その言葉が感激して放心したカイリを引き戻す。


 『そ、そうなんだ。』

 カイリは、冷静に話すユーベリータを見て少し恥ずかしさを覚えた。


 『そうなの。でも、そのまま使えるってわけじゃない。たとえば、さっきのタングトカゲの舌をイメージして使ってみて。』

 ユーベリータは、先程と同様に冷静な感じある。

 

 『わかった。』

 それを聞いたカイリは先程と同様に剣を構え、舌が出るイメージをする。


 『舌出ろ!』

 カイリは先程のように叫ぶ。

 しかし、剣からは何も出る事は無く、カイリの声だけが響いて行った。


 『今度は、剣が伸びるイメージを持って叫んでみて?』

 ユーベリータはもう一度と人差し指を立てる。

 

 『わかった。剣伸びろ!』

 カイリはユーベリータに言われた通りに、剣が伸びるイメージをして叫ぶ。すると剣はニョキニョキと伸びだし、2m近い長さになった。


 『さっきのタングトカゲのような長い舌とか、ドリルラビットのような鋭い角とかの身体的特徴をそのままではないにせよ使えるのよ。それ以外の特徴もあれば大抵の場合は使える。使い方によってはグッと戦いの幅は広がっていくと思う。それと舌出ろとかじゃなくて伸びろとか酸だけでも使えると思うから。』

 ユーベリータはそう言った。


 『もしかしたら、メテオドラゴンの使う、炎やメテオも使えるの?』

 カイリは問う。メテオドラゴンとは世界に数頭しか確認されていないSランクモンスターで炎を吐き、メテオを平気で落としてくるとても強力なモンスターである。

 そんなモンスターの能力が使えるのならとカイリのテンションは上がっていく。


 『それは、試してみないとわからないかな。』

 ユーベリータは手を横に上げて、首を振る。


 『そうなんだ。』

 それに肩透かしを喰らった感じだが、カイリは驚きに近い喜びを感じている。


 『でも、物は試しよ?どんどんモンスターを狩っていきましょう?』

 ユーベリータは、カイリに向かって話した。



 その後、モンスターを倒して行った。モンスターを倒しては確認して、倒しては確認してを繰り返していく。実戦ではとても使えない能力も多いのだが、使える能力もある。その中でカイリは、確かな手応えと不安を感じていた。

 

 狩りを続けて、夕方に向かうに連れて、少しずつ辺りが暗くなっていく。

 魔物の住む森は夕方になるとすぐに暗くなってしまい、周りが見えにくくなる。その上、夜にのみ出てくる強力なモンスターもいるため、基本的には夕方になると狩りを切り上げて、帰ることが多い。

 光を使って辺りを照らすことが出来るものがあれば夜も照らせるのだが、それはアブノーマルである。


 『さすがに重くなってきた。』

 ユーベリータはそう言いながらグルグルと肩を回す。


 『やっぱり、俺が持とうか。相当重いと思うから、それ。』

 カイリは申し訳なさそうな顔をする。


 『大丈夫だよ。』

 そう言うと、ユーベリータは、リュックを軽々背負う。自らは戦わないため率先して素材を持っている。狩っているモンスターが多くなってきたため、背中に背負っているリュックの重さは相当なものである。


 『そろそろ夕方になる頃だし、帰ろうか。』

 カイリは、辺りを見渡す。


 すると、巨大な影が姿を現した。その姿はさながら蛇のようである。


 『よし、じゃあ最後はあの子を倒して帰ろう。』

 ユーベリータは、その蛇のようなモンスターを指差す。モンスターの名前はロックスネイク。Cランクだ。毒はないものの、体長6mほどで体中に張り巡らされている、石のように硬い鱗が特徴である。攻略法としては剣が通りづらいため魔法での攻撃を主としていく必要がある。


 『わかった。』

 魔法が使えないカイリにはこの相手はかなりきついものがある。しかし、今は魔剣がある。カイリはロックスネイクと距離を測り、5m近く離れた距離のところで間合いを図る。

 すでにロックスネイクはこちらに気付いており、カイリはうかつには動けない。


 するとロックスネイクはこちらに体を伸ばし、尾を振り下ろして先制攻撃をしてくる。

 カイリはその攻撃を、横に躱し、1mほどの距離を取る。


 『伸びろ』

 剣を伸ばし、その位置からロックスネイクの尻尾に攻撃を試みる。


 カン!


 まるで硬い鉱石を叩いた時のような乾いた音がした。

 

 『やっぱり、ダメか。』

 この攻撃では、ロックスネイクの体には傷一つ付かなかった。


 カイリは一度、ロックスネイクと距離を取り、思考を巡らせ、次の行動を瞬時に決める。

 

 『酸、鋭利化。』

 その言葉と同時にカイリはロックスネイクに飛びかかる。鋭利化は鋭利な爪を持つ、ファイトキャシーから得た。ロックスネイクは避けようとはせずに体を丸めて防御の姿勢を見せる。

 

 ガキン!


 カイリはロックスネイクの胴体あたりに剣を振り下ろす。

 酸を持ち、鋭くなった剣は、硬い鱗で守られたロックスネイクに弾かれながらも酸で鱗が溶け、鋭利化で鈍い音とともに傷を付けることが出来た。


 カイリは着地をし、もう一度飛びかかる姿勢を見せる。


 身を守るのは危険と感じ取ったのか、ロックスネイクは防御を捨て、こちらに一直線に突っ込んでくる。


 しかし、カイリは回避をする素振りすら見られない。


 『ウォール、硬化』

 ウォールタートルと先程のロックスネイクの硬化を唱える。

 地面から3mほどの壁がそびえる。そこにロックスネイクは頭から衝突をする。硬い壁に激突した衝撃と驚きからかロックスネイクは怯む。


 『鋭利化、硬化、酸』

 カイリは隙を与えず急所である首元に飛び込む。ロックスネイクは衝突した影響で動き出すことは出来ない。


 カイリの振るった剣はヒュウっと空気を切る音を出し、ロックスネイクの首に当たる。


 『いけええ!』

 カイリはロックスネイクの首に剣を当て力の限り叫ぶ。


 そして、その剣はロックスネイクの首の鱗を裂き、真っ二つに斬った。



 『さすが、カイリ!素材集めて帰りましょう。』

 ユーベリータはパンと手を叩き嬉しそうにしている。


 『わかったよ。』

 しかし、大物を倒して本来ならば喜ぶであろうカイリの表情はわずかに曇っていた。



 その後、家に着いた二人。

 気分が良い表情なユーベリータとは対照的なカイリの表情を見せていた。


 家に帰るとカイリはどっと疲れが出てきた。

はじめてのユーベリータとの狩りと、初めての魔剣。

精神的にも魔力的にも消費が見られた。


 『やっぱり魔力量999999はすごいわね。普通、魔剣なんて1日使ったら魔力切れで倒れる人ばっかりなのに。』

 ユーベリータは感心した顔をカイリに向ける。


 『初めて、自分に魔力があることを感じられた気がする。』

 魔力を消費することはカイリにとって初めてだったため、不思議な感覚に襲われていた。


 『そうよね、魔力使うのって最初は変な感じするものね。でも、すぐ慣れると思う。』

 

 『そうなんだ。早いとこ慣れないと。じゃあ素材分けやっておくから休んでていいよ。』

 

 『わかった。お言葉に甘えて部屋で休んでるわ。』

 そう言うと、ユーベリータは部屋の中へ入って行った。


 部屋に入ったのを見届けてカイリは素材分けをする。素材分けとは、売る、食べる、捨てる、使用するをざっくり分ける作業である。非常に手間がかかるのだが、鮮度や保存方法が重要な素材もあるためやらないわけにはいかない。


 カイリはこの作業に少しずつ慣れ、ずいぶんと早く、正確になった。

 しかし、この日のカイリはそれに身が入らない。


 『ダメだ、やっぱり気になる。』

 カイリはそう、呟く。そして、一度素材分けを切り上げ、ユーベリータの部屋の前に足を運ぶ。


 コンコン

 カイリがユーベリータの部屋をノックする。

 

 『はい、どうぞ。』

 ユーベリータはカイリが来ることを予想していたのか、すぐに部屋のドアを開け出迎える。

 

 『ユーベリータ、ちょっといいかな。』

 カイリはユーベリータに真剣な面持ちを向けた。

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