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チート級の魔力量で最強目指します。  作者: シャルシャレード
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第十五話 魔剣の力

 その後も体の半分ほどある剣を振るい、タングトカゲを狩り進めていくカイリ。


 今まで使ってきた短刀とは違う長い剣に少しずつ慣れてきたカイリはタングトカゲを複数相手出来るようにもなっていた。


 『はぁー!』

 カイリは、最後の1頭を切った。


 ここまででおよそ15頭ほどのタングトカゲをユーベリータの手を借りることなくカイリ一人で倒した。


 『これでひと段落かな?』

 カイリは、ユーベリータの方を見る。


 『そうね。大丈夫かな。少し休憩しましょう。』

 ユーベリータは、周りを確認しながらその場に座る。それを見てカイリもユーベリータから1メートルほどのところで座る。


 『今日はどこまでから予定なの?』

 カイリは強くなったと実感して昂る気持ちを抑えながら聞く。


 『この調子ならもうちょっと奥まで行っても良いかな。もっと立ち回りも見てみたいし。』

 魔物の森は奥に行けば行くほど強いモンスターが出てくる。カイリはユーベリータに期待されていると嬉しくなった。


 『そういえば、お腹すいたな。』

 カイリはお腹をさすり、ご飯を持ってきていないと後悔をする。


 『大丈夫よ。私が作ってきたから。』

 そう言って、小さいバックから木で作られた弁当箱を取り出し、開ける。


 『うげ。』

 カイリは思わず声が出る。その弁当の中身は赤や黄色や青、紫などいろんな色が混ざっている鍋のような状態のものが入っていた。


 『弁当は植物とかヘルシーなものしか入ってないから気にしないで食べれるよ。』

 ユーベリータは満面の喜色を湛えてカイリを見る。

正直、そういう問題じゃとカイリは思ったがその笑顔に押される。


 『ちょっと、お腹いっぱいかも。』

 そう言ったカイリだったが、その瞬間に腹が鳴ってしまう。


 『大丈夫よ、わたしには遠慮しないで。』

 ユーベリータは、こちらに弁当をグイグイと差し出して来る。


 『わかった。いただきます。』

 カイリは、意を決して食べることにした。

スプーンで掬う。ドロドロとしたそれはよもやスープとしか思えない。それを口に運ぶ。


 『ぐっ…』

 カイリは衝撃を受けた、これまでまさに一度も食べたことがない味である。

 甘いようなしょっぱいような辛いような。そんな味がカイリの舌に、胃に、脳に直接語りかけてくる。

 

 『どう?美味しい?』

 ユーベリータは純粋な眼差しで聞いてくる。

恐らくこの味に悪気はないのであろう。


 『すごく、個性的な味だね。美味しいと思うよ。でも、もうお腹いっぱいというかなんていうか。』

 カイリは精一杯の力で答える。


 『全部食べてくれたら嬉しいな!』

 ユーベリータは喜びを顔に漲らせる。


 『そうだね。そうだね。』

 ここで食べなきゃ男じゃない。

 カイリは食べる決心を付けた。

 カイリの表情が苦悶なものになる。

 もう限界であった。身体中から悲鳴が上がっているそれでもカイリはスプーンを動かす手を止めない。

 

 そして、ついに食べ終わった。

 ユーベリータはこぼれるような笑顔で喜ぶ。

 カイリは、糸の切れた人形のようにヘタリと座り、もう、食べないと心に誓った。

 

 『本当に、食べてくれるなんて。初めてだから嬉しかったよ!』

 

 『今度は俺が作るよ。』

 疲労感を感じる顔でカイリが答える。


 『楽しみにしてるね。』

 ユーベリータは、手をポンと叩く。


 『そういえば、この魔剣すごいね。まさかDランクをここまで簡単に狩れるとは。』

 激闘からの傷が癒えたカイリが話し始める。当たり前だがカイリはこの剣のおかげで倒せたと思っている。


 それを見てユーベリータは子供を見るような顔を見せ、ふふふと笑う。


 『それ、今はほとんど普通の剣よ?』

 ユーベリータは、笑いを堪えながらも頬に笑み漂わせながらそう言う。


 『あ…そうなの。』

 魔剣とは魔法が込められた剣である。そして、常時発動型の魔剣も有れば、何かしらのアクションやトリガーが必要な魔剣もある。そして、カイリは後者の方だと理解して、少し頬を赤らめる。


 『意地悪したわけじゃないのよ?狩りは勇気を出すことが1番大切なの。上のランクに挑む勇気を出すことは大変だけど、勇気を出せれば意外と簡単にモンスターを倒せることが多いのよ。』

 ユーベリータは、少し申し訳なさそうな感じでそう言った。


 『それは、大きく感じたけど。この魔剣の魔法って一体なんなの?』

 カイリにはそれが1番気になった。


 『そうね。試しに魔剣を前に構えて、酸出ろ!とか言ってみて。』

 ユーベリータはそう言った。


 『わかった。』

 カイリは立ち上がり剣を突き出すように構える。


 『酸出ろ!』

 カイリは、思いっきり叫んだ。

 しかし、なにも起こらないまま、その声は森の中にこだまして行く。


 『やっぱり、ダメね。』

 ユーベリータは顎に手を当て、少し考える。


 『なんだったんだ今のは。』

 カイリの心に恥ずかしさが出てくる。


 『じゃあ、具体的に剣から酸が出るイメージを持って酸出ろって言ってみて。』

 ユーベリータは今度は具体的にとの指令を出す。


 『了解。』

 カイリは再び剣を前に出し、酸が出るイメージをする。 

 溶かすイメージ、溶かすイメージ。カイリは頭の中で繰り返す。


 『酸出ろ!』

 すると、剣の先から白い液体が出て、剣からこぼれ落ちた。そしてその液体は地面を溶かしていく。


 『なんだこれは!』

 今度はカイリの声が森にこだまして行った。


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