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チート級の魔力量で最強目指します。  作者: シャルシャレード
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第十三話 少女の目的


 カイリが目を覚ますと知らない天井が目に入る。

 

 綺麗な茶色の木の板が規則正しく並んでいる。

周りを見渡すと、大きな窓の下に精霊や魔物を模った木の彫り物や砂が赤く光る砂時計などがあった。


 『母上が集めていたやつに似ている。』

 この木の彫り物は15年くらい前に流行っていた木の置物だ。カイリの母が夢中になって集めていたものであった。


 『ここはどこなんだろう。』

 窓から外を見渡すと、一面森に囲まれていたため、ここがどこかはわからない。


 『あの女の子はどこなんだろう。』

 カイリは命の恩人であるあの少女を探すために、寝ていたベッドから立ち上がる。

 少し立ちくらみも覚えてたが、寝ているばかりではと扉から出る。


 扉を開けた先にその少女がいた。

 その少女はカイリに気が付き振り返る。

 透き通るほど白い肌に映える金色の髪。どこか人間とは違うような神秘的な雰囲気を持つ女の子そんな感想を抱くカイリ。そして、カイリにとってその少女と会うのは初めてでは無かった。


 『あの時の露店の子だ。』

 あの時は切羽詰まっていたため気付かなかったが、

その少女はカイリが助けたぼったくられる寸前だった子である。


 『おはよう、よく眠れた?』

 少女が尋ねる。

 

 『はい、よく眠れたかと思います。』

 実を言うとカイリにはどのくらい寝ていたかの見当が全くついていなかった。


 『敬語はなしでね?同じくらいの歳なんだし。君は

3日も眠りっぱなしだったんだよ。』

 少女の口調は子供とは思えないほどとても落ち着いている。


 『わかったよ。それにしても俺は、3日も寝ていたんです…だね。』

 カイリは敬語が出かかるがなんとか止める。敬語を使い続けてきたカイリにとってこれは新鮮で、はじめて友達ができた感覚になり、とても嬉しい気持ちがあった。


 『そうなの。それにしても君すごいね。魔法がかかっていたとはいえ、ハイトロールの首を切るとは。』

 少女は驚いたと付け加えた。魔法をかけられ、身体能力を上げたとしても、それを使いこなすというのはなかなかに難しい。身体能力に頭が追いつかないからである。カイリはそれを最低限使いこなしていた。


 『魔法がない分、体しか鍛えて来なかったから。』

 カイリは謙遜し、自虐的に言う。


 『剣だけであそこまで戦えるのだから才能あると思うよ。』

 

 『そうかな。』

 才能が無いとは言われ慣れたが、才能があるとは言われたことが無いためカイリは反応に戸惑う。


 『そうだ自己紹介がまだだったね。私はユーベリータ。先祖のユータから名前を取ったのよ。年は10歳よ。』

 ユーベリータがニコリと自己紹介をする。

カイリから見れば落ち着いた雰囲気だったためもっと上の年齢かと思っていた。


 『名前はカイリ、6才。ブライト郡から来たんだ。』

 カイリは苗字を伏せる。これはこれからは1人で生きていくという決意の表れでもある。


 『私の方が年上だからお姉さんね。カイリ。』

ユーベリータが得意気に胸を張る。お姉さんと聞き、カイリは少し恥ずかしさを覚えた。


 『そうだね。』

 少し顔を赤面させながら返事をする。


 『そうだ、あの時はありがとう。ずっとお礼を言いたかったの。』

 ユーベリータはカイリに突然お礼を言った。何のお礼かは言わなかったが、カイリには伝わった。


 『どういたしまして。あのネックレス欲しかったの?』


 『そうなんだけど。私、あんまり人と関わらないから慣れてなくて。両親とも別れてしまって。』

 ユーベリータは少し俯きながら答える。


 『そうなんだ。俺も同じようなもんだよ。』

カイリは、フォローするかのように言葉を発した。


 『カイリもなんだ。似たもの同士だね。』


 『そうだね。』

 カイリは、共通点が見つかり、親近感が湧く。


 ここで、ふと彼女のことが気になった。

 『ユーベリータは何の魔法が使えるの?』

 あの年で陽魔法のなかなか使い手が出てこない魔法を使ったからだ。


 『私はね。陽魔法のほかに嵐魔法が使えるよ。』

 

 『え?』


 『魔力量は300000だよ。』 


 カイリは絶句するしかなかった。魔力量300000はカイリの前では霞むかも知れないが、100000でも、10年に一度出るか出ないかのレベルでそれの3倍を誇っている。少なくともカイリが知っている限りでいちばんの数値だ。

 しかし、何より驚いたのは嵐魔法だ。これは木魔法の上位魔法である風のさらに上位の最上位魔法の一つだ。使えれば地球規模で環境を変えられる。これは歴史の中で使えた者はたったの3人しかいない、それほどまでに強力な魔法なのである。

 

 そんな人がこの世に。

 カイリはただただ絶句するほかなかった。



 そんな空気を見たのかユーベリータが、

 『そういえば、魔法使えないんだっけ?』

 ユーベリータはおもむろに尋ねる。


 『うん、そうだよ。』

 カイリは劣等感を感じる。


 『もしかして、すごい魔力量を持っていたりする?私以上のとか?』

 

 『え?』

 カイリはこの言葉に驚く。魔法が使えないことは周りにある程度は知られているが魔力量がチート並みにあることは知られてはいない。

 そのため、そのことを聞いてくるということはもしかしたら実家に近い関係の人物なのかもしれない。

 カイリは少し警戒を強める。


 『もしそうだとしたら教えてほしい。』

 ユーベリータはこれまでに無いほど真っ直ぐに目を向ける。


 『そうだよ。魔力量は999999ある。』

 カイリは自分の中で大きく葛藤をしたが、ユーベリータのその目を信じて、結局話すことにした。


 それを聞いたユーベリータは驚いた表情とともに目を輝かせる。


 『やっぱり、やっぱりそうなんだね!私は君のことをずっと探していたの。』

 ユーベリータはそう言った。


 『どうゆうこと?』

 カイリは事を理解することができない。


 『そうだよね。急にごめんね。』

 ユーベリータは大きく息を吐く。



 『カイリ、あなたに渡したいものがあるの。』

 



 

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