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なるほどこれは商品にはならないや

私の名前は<蒼井霧雨(あおいきりさめ)>。いわゆるラノベ作家だ。


基本的には<おねショタ>メインで作品を書く私だけど、職業作家だから、当然、<お金になる商品としての作品>も生み出さなきゃいけない。


あ~、でも、本音ではそんなのどうでもいいんだけどね。私は、自分が書きたいもの、自分が読みたいものを書きたいだけだから。


とにかくひたすら自分の中のリビドーを形にして、その中で使えるもの、<お金になる商品になるもの>を担当編集に選んでもらってるだけだ。


まあそうなると多くの作品がボツになるわけだけど、それはそれで<Web小説>として発表するから別にいいんだけどさ。


中にはWebで評判になって後から書籍化する作品もたまにあっても、ほとんどは、


『なるほどこれは商品にはならないや』


という程度の反応しかないんだよね~。仮にも現役プロ作家のネームバリューがあってもそれだから、編集が、


『こんなの商品になりません!』


って言うのも分かるんだよ。


私自身は面白いと思って、自分が読みたいものをと思って書いてるのに、私が面白いと感じる<ツボ>は多くの読者とはズレてるらしく、私自身が『面白い!』と思ったものほどボツになる傾向があるんだよね。


で、私的には、


『う~ん、なんか刺さらないなあ……』


と感じるものが商品になることが多いと。


これは、どっちがいいとか正しいとかじゃなくて、完全に<好み>の問題。


私は、自分の好みに合わないものに価値がないわけじゃないってことを、心底思い知らされてきた。


でもそれは『そういうもの』として割り切りつつ、一応、時流に乗っかって<異世界物>も書いたりはしてる。


ただ、自分で異世界物を書くようになって気付いたんだけど、うん、これ、書きやすいよね。世界の背景から何から、何でもかんでも自分の好きに作ってしまえばいいっていうのは、楽でかつ楽しいんだよ。自分が好きに作れる範囲が、現実世界をベースにしたものとは桁違いで、そこがどういう世界なのか考えてるだけでも楽しい。


そして異世界を舞台にする最大の利点。


それは、<敵役に対する配慮>が、現実を舞台にするのと比べると圧倒的に楽。


だってそうだよね? 現実世界を舞台にした時の<敵>って、侵略宇宙人とか妖怪とか魔物とか、世界の陰で暗躍してきた暗殺者集団とか、まったくの<嘘>を一から作り上げるのでもない限り、どうしたって現実にいる、


<好ましくない相手>


と言うか、<分かりやすい敵対者>をモデルにしたものになるじゃん?


分かりやすい例を挙げるなら、<ハリウッド映画>とかによくあるパターン。


『もろに仮想敵国をそのまま悪役にしちゃってる』


やつ。


昔に比べると減ったのかもしれないけど、ガッツリ国の名前まで出しちゃってたこともあったよね。


だけどそれをすると、当然、<悪役>にされた側はいい気がしない。


日本だって、他の国のドラマや映画で悪役にされることあるでしょ? あれ、やっぱいい気はしないしさ。


その点、完全な異世界だったら<敵>だって作り放題。露骨に現実のをモデルにでもしてない限りは、そんなに気にしなくてもいいってのは、現実問題として助かるよ。



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