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閑話 父の憂鬱

 俺の名前は佐藤大樹さとう ひろき。歳は32歳。普通の社会人をしているサラリーマンだ。

 そんな平凡な俺を輝かせてくるのは、7歳下の妻。

 俺は社会人になって3年目の頃、よく通う喫茶店でウェイトレスとして働き始めた綺麗な若い女性に一目惚れをした。その女性今が妻だった。

 俺は毎日毎日その喫茶店に通って、彼女と、話す機会を増やしていった。

 そして、俺の必死のアプローチが身を結び、彼女との交際が始まった。

 当時彼女の年齢は18だった。


 そして、1年間付き合った彼女からこんなことが告げられた。


『わたし、できちゃったみたい……』

 俺は責任に負い目を感じたかというとそうではない。

 俺は彼女に俺との子どもが出来たと聞いた時、天にも登る嬉しさを感じた。

 そして、子供が出来たということを機にして、俺は彼女と結婚することとなった。

 

 いわゆる、おめでた婚。出来ちゃった結婚。孕ませ婚だ。

 

 彼女の容姿は誰もが惚れ込むものだった。モデルのようなスタイル、美しい顔立ち。

 

 俺はそんな彼女の美貌に自制心が効かなかったのだ。

 こうして、めでたく彼女と結婚することが出来た。

 

 そして、今は俺も一児の父である。

 6歳の可愛い息子がいる。

 最近はその可愛さに磨きがかかっている

 良かったことに顔は妻に似てくれた。

 将来はかなりのイケメンになることが窺える。


 

 だが、そんな俺にも最近不満がある。


 それは、最近の妻は俺の相手をしてくれない。

 夜の営みの方も最近はめっきりない……

 妻はものすごく息子のことを溺愛していて、俺の入り込む余地がないように思える。


 夜の営みがなくなったのはとても辛いことであるのだが、もっと憂鬱なのはそんな俺を、6歳児の息子が同情したような顔を俺につけるのである。

 これが非常に俺の胸に突き刺さる。

 きっと俺の勘違いなんだろうけど……

 なんなんだろう……あの表情は……


 俺は仕事を終えた後、どこへ寄り道することなく家へと帰宅する。


「ただいま〜〜」


「おとうさん! おかえり〜!」


 息子が元気いっぱいに俺の帰宅を喜んで、玄関先まで迎えに来てくれた。


「あぁ! あつき! 父さん帰ってきたぞ〜」


「わーい! おとうさんだいすきー!」


 息子はやっぱり可愛い顔をしてる。それにこんなに俺に懐いてくれている。やっぱり自分の子供ってかわいく見えるのかな?


「あら!? あなたかえってきたのね?」


「あぁ! アカリもただいま!」

「えぇ、おかえりなさい、あなた」


 これが俺の妻の佐藤灯さとう あかり

だ。超絶に可愛い。そして、何より巨乳だし。それにテクがすごい。こんないいお嫁さんを俺がもらってしまっていいのだろうか……


「あのね……あなた」

「なんだ? 急にしんみりとして」

「わたし、出来ちゃったみたい……」


 何が? って聞くのは野暮だよな……

 つまり、子どもが出来たということだな。

 それなら純粋に嬉しいことじゃないか!


「本当か? よくがんばったな!」

「えぇ! これでアツキもお兄ちゃんになるのね」


「やったーー! アツキ兄ちゃんになる〜」


 あつきもとても嬉しそうだ。


 だが、なんだろう。

 この心の中にあるモヤモヤは……


 俺は妻と息子をそっと抱き寄せた。


 

 はぁ……これでしばらく夜の営みはお預けか……


 俺はそんなことを考え、ため息を吐くのであった。


 そのとき、しばらくではなく、永遠にお預けであることにはまだ俺は気づいていないのであった。

 


 嬉しいものの、どこか物悲しい様子の俺を見る、息子の憐みの目。

 

 これが俺には非常につらい……


 あの目はいったい……



 また、俺は一つため息を吐くのであった。


 はやく産まれてくれないかな……



 ふたつの意味で……


 はぁ……

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