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転生トラックに撥ねられた

唐突な思いつきから新作を投下してみるなど

皇国転移はどうしたって?いや書いてます、ちゃんとそっちも書いてますから(汗)

本作はほぼテンプレの異世界転生モノです(ハーレムにはならない予定)


「ほぼ」テンプレ異世界転生モノです。

異論は認める。

 迫りくるナンバープレート。耳障りなブレーキ音。

 俺は今まさに、トラックに轢かれようとしていた。

 たちまち視界がトラックのフロントに覆い尽くされる。急速に時間がゆっくりになっていくかのように、トラックが向かってくる速度が遅くなっていくように感じられる。しかしそれもつかの間、トラックは俺の身体にぶつかり、視界が暗転した…












 トラックに撥ねられた俺は…前世の記憶と技能を持って、異世界へと転生していた。

























 知らない天井だ。

 …何やら嫌な夢を見ていた気がする。

 それはそうと知らない天井だ。妙に沢山小さな穴が開いたような、白い天井。どこだ、ここ。

 いやほんとどこだここ。そうだ、死ぬ前の状況を思い出s…死ぬ前?

 ああ、ああ。そうだ、俺は冒険者としての仕事で討伐クエストの最中、突如エンカウントした巨大な変異種のトラック・ドンキーの突進攻撃を食らって死んだはず…ここは天国か?それとも地獄か?善行はそれほど積みあげられなかったが、悪行も殆どした覚えはない。悪行と言えるのは、ガキの時分の悪戯と…たまーに娼館で淫らな遊びをして発散した、それくらいか。地獄へ落とされるほどじゃない…と思いたい。

「まさちゃん…?」

呼ばれたほうに向くと、そこに人がいたことに初めて気づいた。そして俺がベッドに横たえられているということにも。

「おかぁ、さん」

無意識のうちに呼びかけに答えてしまい、俺はさらに混乱する。


 お母さんだと!?お袋はこんな童顔じゃな…

 おかあさんだよ、おかあさんはおかあさんだよ


 待て何だ今の思念は。なんか混ざったぞ。

「よかった…心配したのよ?」

「???」

 どうやら状況を掴み損ねたのは先程の思念も同じらしい。思念がクエスチョンマークに染まった隙を突き、身体の主導権を取り戻す。それでもあまり自由が効かない。

 視界を見渡すと、見たこともない部屋にいることがわかった。よくわからないものがそこかしこにある。「母親」とは反対側を向いた時…それに気づいた。無色透明の液体の入った同じく無色透明の袋―一体どんな素材で出来てるんだ…?―から、これまた透明な―こちらは少し黄ばんでいる―柔らかそうな管が…


自分の腕へと伸びていた。


 すわ毒でも盛られたかと慌てて管を引っこ抜こうとし、慌てた様子の「母親」に止められた。

「何してるの!?だめ、やめなさい!」

何してるのったって目が覚めたら自分の腕によくわからない管が刺さっていれば気味が悪い。風の噂に魔石を体内へ埋め込む治療法なるものがあるらしいことは聞いたことがあるが、どうせそんな高度な医療を受けられるのはお貴族サマやべったりな大商人くらいのものだ…む?

「おかぁさん、これやだ」

「やだじゃないの。怪我してるんだから大人しくしてなさい」

主導権を奪い再び勝手に喋りだした身体についてはもうツッコむまい、するとこれはやはり一種の治療なのか…?いや待て。待て。

 おかしいぞ。今俺と「母親」が繰り広げた会話は俺の全く知らない言語で行われた。この時点でツッコミどころしかないが、俺はなぜかその言語を理解できた。意味がわからなすぎて頭が重くなってきた。

「これなに?」

「これは『てんてき』って言ってね、ごはんの代わりなの」

 盛大にクエスチョンマークを量産している思念を追い払いながら―それで少しだけ冷静になった―よく観察する。とここで、違和感を感じた。腕が妙に小さい。

 ここに来て初めて自分の身体を意識した俺は…驚愕した。なぜなら…


















 幼 児 に な っ て い た





のである。


 …目が覚めたら幼児になっていた。あまりにも意味がわからない。

 しかし現実は無情であり、次の瞬間(おそらく意識しないようにしていた)大量の情報が脳内に溢れ出す。

 前世。器用貧乏な魔法。ロバの魔物に轢かれて死んだこと。「神のようなもの」を自称するナニカに言われたこと。今世。「まさと」という名。ボールを追って道へ飛び出したらトラックに撥ねられて…

 あまりにも過大な情報量に溺れるように、俺は意識を手放しつつあった…













 それは特になんということのない、ありふれた…とまではいかないものの、全くないというほど珍しくもなく、ままあること。つまり、幼児が公園でボール遊びをしていたらボールが公園の外まで転がっていってしまい、それを追って幼児が道へ飛び出し、そこへ運悪く車が走ってきてしまい…という、交通事故のなかでもよく知られる、ありがちなケースだ。

 走ってきた車というのは最新のトラックだったから、自動ブレーキは装備している。とはいえトラック、質量は巨大であり、急停車しきれず撥ねられた幼児は大怪我を負った。死ななかったのは不幸中の幸いだろう。

 そこまでであれば、ただの交通事故で終わっていた。強いて一般的でない点を挙げるとすれば、幼児が早くに回復したことから自動ブレーキの有効性が認識され、同装着義務化議論の追い風となったことくらいだろう。

 が、しかし。

 この事故はそれで終わらなかった。

 この些細な―当事者たちにとっては大事だが―出来事は、その後の世界を大きく変えることになるのだった。

これが私の異世界転生モノだ(ドヤァ


石投げないで!(汗)


作者の処女作もよろしくお願いします

https://ncode.syosetu.com/n3685ex/

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