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権助提灯8
自宅に戻ったさとは権助からろうそくをひったくると六助のところに駆け込んで行きます。
「六助、このろうそくを見て何か言いたいことはあるかい」
「ああっ、さとさん。どうしてこんなに早く戻ってきたんですか。でもそのろうそく、いや、そんなことあるはずがない。確かに僕は常日頃からさとさんにろうそくを垂らされたくて垂らされたくてたまらないでいたけれども、そんな夢みたいなことが実際に起こるはずがない、ねえそうでしょう、さとさん」
「そんなことを思っていたのかい、六助ちゃん。なんていけない子なんだろうねえ、お前と言うやつは。そんな駄目な子には一刻も早くお仕置きをしてやなないといけないねえ」
「はい、お願いします。是非是非この生きていることそのものが申し訳ないくらいの自分にぜひおしおきをおねがいします」
「まったく、六助や、今からお前にするのはお仕置きなんだよ、罰なんだよ。それをなんだい、まるでご褒美みたいに」
「すみません、すみません、さとさま。でも早くお願いします」
「しょうがないねえ」
今度はさとは自宅で六助と一緒におおいに燃え上がりました。