権助提灯6
大層燃え上がったさととしょう太の二人、やっとのことで一段落つきました。
「さとさん、すごかったです」
「あたしもだよ、しょう太や」
「そうだ、僕だけこんないい思いをするなんて不公平です。ぜひ六助さんにもこの快感を味わわさせてください」
「いや、六助にもっていうけどね、しょう太。こういった少々常識的とは言えない行為をだね、六助も喜ぶとは限らないしねえ」
「六助さんも大喜びするに決まっているじゃあないですか、さとさん。男ならみんな喜ぶものですよ」
「本当かい、しょう太。そういえば権助もそういうふうに言っていたねえ。でもね、実を言うとね、ここに来たのはだね、その六助の提案なんだ」
「さとさん、どういうことですか」
「ほら、ついさっき地震があったときにね、あたしは六助と二人でいたのだけれどもね、そこで六助が言うんだよ。『私はさとといたから安心でしたがしょう太君は一人で心細くしているだろう。同じ女性を愛するものとしてそんな男の子をほってはおけない。さと、今すぐしょう太君のところに行ってくれ』とね」
「そんな、そんなふうに僕のことを思ってくれた六助さんを除け者にして僕がさとさんを独り占めにだなんてますますできやしない。さあ、さとさん。早くお帰り下さい。もちろんこのろうそくも忘れずに」
「そうかい、しょう太がそこまで言うのだったら、そうしようかね」
こうしてさとは自宅に舞い戻ることになったのでした。