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権助提灯3
六助に諭されて、さとは、さっそくお手伝いである権助を呼びつけます。
「権助、権助や、ちょっとおいでなさい」
「へえ、何ですかご主人様」
「今からちょいとばかし、しょう太のところに行くからね、提灯に火をつけて頂戴」
「はあ、しょう太のところにですか。ついさっき地震があったばかしなのにお行きなさるんですか散々揺れたのにまだ収まり切らずに、別宅で大いに二人でお揺れなさるんですか」
「権助、このお馬鹿は、なんてことを言うんだい。そんなことじゃあないよ。あたしはだね、ただただ、しょう太のことが心配でたまらずにあちらに行くんだよ。いいかい、権助、この世で一番大切なものは何だと思うかい。それはね、愛だよ。私はね、その高尚な愛のために赴くんだ。それをなんだい、権助、お前は。下種の勘繰りはよしておくれよ」
「わかりましたよ、ご主人様。じゃあ別宅にお連れすればよろしいんですね」
「わかればいいんだよ、権助や。じゃあ行こうか」
そうしてさとは灯りがついた提灯を権助を持たせて別宅に二人で歩いていきました。




