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権助提灯14

自宅の玄関を出たさとは権助を呼び出そうとしますが、その権助はすでに出発する準備が万端でした。


「権助、ごんす……ってそこにいたのかい。何という準備の良さだろうねえ」

「はい、ご主人様。どうせすぐにとって返すことになると思いまして」

「思いましてとは随分な言い草じゃあないか。まあその通りだけれども」

「その通りとはまたしょう太さんのところですか」

「そうだよ、はいろうそくだ。それじゃあ出発だよ」

「出発してよろしいのですね、ご主人様」

「よろしいも悪いもないんだよ、権助」

「ありませんか、ご主人様」


そうしてさとと権助の二人はしょう太の妾宅に三度目の来訪を成し遂げたのでした。


「それじゃあご主人様、ろうそくです」

「はいどうも、毎度毎度のことながら何だか申し訳なくなってきたよ」

「そんなことありません、お安い御用です、ご主人様」

「お前があたしに仕えていてくれてよかったよ、権助や」

「勿体無いお言葉でさあ」

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