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ゲームで青春をもう一度  作者: 正宗
本編
63/133

第11話:登竜門01

金曜日。

今日僕は、部活ではなくチームの方へ行く。


相変わらず連絡先交換などしていないので、部から許可をもらって今日から参加できることを、ミツルギに行って直接伝える必要がある。


それも相まって、僕は今日ずっと緊張しっぱなしだった。

初めて正式に顔を出すというのもあるが、一番の原因は僕のマイナス思考にある。

もし、やっぱり無しみたいな事になったらどうしよう。そうなったら、部長やみんなになんて説明すればいいんだ?等と余計な心配を重ねている。

こういうのって、本当に改善策はあるのだろうか?


「あの、現内くん」


もうチャイムが鳴ってしばらく経つというのに、モタモタしている僕に花尾間さんが声をかけてくれた。


「あ、なに」


「今日からチームの方に参加するんだよね?」


「うん、正直かなり緊張しているよ」


「そうだよね。でもすごいよ、プロを目指している人達の中へ入っていけるなんて」


「そ、そうかな」


花尾間さんにすごいと言われると、うれしいと同時に少し恥ずかしくなる。

おっとりした性格のせいなのか、花尾間さんが人を褒める時、子供をあやすお母さんを連想させる。

人に甘えたい欲求がなくもないので、ついうっとりしてしまうが、すぐに自分の理性にひっぱたかれて目を覚ます。


「うん、次の部活で話を聞かせてね」


どうせなら今日の夜でも構わないのだが、そんな提案をできる勇気は無い。


「わかった。…あ、そうだ。昨日さっそく少しみてみたよ」


その代わり、例の件について少し触れた。


「本当に?」


僕がすぐに実行してくれた事を、花尾間さんは喜んでくれた。


「たぶん、もう花尾間さんが見ているサイトだと思うけど、結構頻繁にやっているんだね」


「そうだね。全ジャンルで行ったらほぼ毎日やっているんじゃないかな?」


「すでに九月頃の予定もチラホラあって、いくつか応募開始をメモしておいたよ」


「ありがとう。ちょっと早いけど、その時期なら誕生日プレゼントになるかな」


「そうかな?関泉さんは誕生日プレゼントとは見なさいかもしれないよ?」


「えー、そしたらお菓子でも作るしかないかな」


関泉さんネタで少し笑っていると、誰かが僕らに近づいて来るのを感じた。


「なんか楽しそうね」


「涼奈、来てくれたの?」


「そうよ。教室に誰もいなくなっちゃったから、寂しくてね」


全然寂しそうじゃない表情で関泉さんはそう言った。


「じゃあ、私達は部活に行くね」


「うん、がんばって」


「そっか、現内くんはチームの方か」


「まぁね」


僕が返事をすると、関泉さんは目を閉じてうんうんと小さく頷いく。


「つらくなったら帰って来てもいいのよ」


「だ、大丈夫だよ」


自信を持ってそう言えないのが悲しい。


「僕ももう行くよ」


僕は席を立ち、鞄を持ち上げる。


「………」


…?

なんか、関泉さんに見られてる気がする。


「どうかした?」


「ううん、別に」


関泉さんは花尾間さんに向き直った。


「そうそう、さっき二人は何を話していたの?」


「え、えーと…現内くんのチームのことだよ。来週お話し聞かせてほしいなって」


「……ふーん」


「別に関泉さんの悪口なんて言ってないよ」


「あれ?私はそんな発想なかっけど、現内くん、わざわざそう弁解すってことは?」


「いやいや、本当だって」


若干微妙だったが笑って誤魔化し、僕は学校を出た。




そして数十分後、僕はミツルギの前まで来ていた。

放課後すぐに真っ直ぐ来ると、五時までだいぶ時間がある。

かと言って、部活に参加できるのもちょっとだけなので止めた。

なので、初日というのもあり、僕はゲーセンで待つことにしたのだ。

でもゲームはしない、これからチームでも活動する身としては、チームに迷惑がかかりそうな事は控える。


たしか、休んでいられる椅子があったような。

その椅子の場所を思い出そうとしながら歩いていると、前の方に知った顔があった。


「あ、現内くん」


「こんにちは」


ターコイズの鈴木さんも今来たようだった。


「もしかして、今日から参加?瑠歩ちゃんから許可もらったって聞いたよ」


「はい、挨拶もしておこうと思いまして、早く来てみました」


「いいね。でもちょっと早すぎるかな、まだしばらく誰も来ないよ」


そう言うと、鈴木さんは少しキョロキョロした。


「そうだ、ちょっとあそこでお話ししない?」


鈴木さんは近くの自動販売機を指差すと、「おごるからさ」と言って僕を誘導した。


「何がいい?」


「じゃあ、このコーヒーをお願いします」


こういう時、気を使うべきだったのかどうかわからなかった僕は、とりあえず安売りをしていた物を選んだ。


「なに、これが好きなの?大人だね」


少し茶化してコーヒーを買うと、鈴木さんは僕に渡してくれた。


「ありがとうございます」


鈴木さんは僕のとは違うコーヒーを買うと、すぐに開けて一口飲んだ。

それを見て、僕もコーヒーを一口飲む。

顔見知りとはいえ、大人と二人っきりということを意識してしまい、一人どぎまぎしてくる。


「あのさ、変な事をを聞くようなんだけどー…」


「なんですか?」


「瑠歩ちゃんから何か聞かれたりしなかった?」

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