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第一話 少女の見る夢
私は幸せだ。
家族には大切に育てられてきた。
お母さんは、時々怒って怖いけど、私を守ってくれもした。
お父さんはお母さんより私を守ってくれた。
妹は、鬱陶しいぐらいに私に引っ付いてきた。
昔からの友達はいつだって私に連絡を入れてきた。
いつ遊べる?今度いつ会える?もっと遊びたい。
そんなメールがうれしかった。
今の友達だって毎日話しかけてきてくれる。
それ、いつ買ったの?遊びに行こう?この前さ~。
他愛もない話ができることがうれしかった。
先生も優しい。
すごいな。お前はいいやつだな。
そう言って、頭を撫でられるのが気持ちよかった。
近所の人たちだって、私にいつもかまってくれた。
こんな、恵まれた人生ないんじゃないか。
そう言って私は笑顔で布団に入った。
そんな夢を見た。