とある目撃者の証言
目撃者がいたようです。
ツイッターの呟き風に書くつもりが、僕自身がツイッターやっていないので仕様が分からず断念しました。
※これは学生の書くエセサラリーマン小説です。それを踏まえてお読みください。
「なんどもすみません。もう一度お話を聞かせてもらえますか?」
「またですか?」
「はい、お願いします」
「おまわりさん、僕のこと笑いたいだけでしょ。変なこと言う奴だって。いくら僕がプー太郎で汗くさいからって……、ひどいよ、職権乱用だよ」
「そこをなんとか」
「……まぁ、いいけどさ。同じ話でいいんだね?」
「お願いします」
「えっと、電車に揺られてたら、前の女子高生がなんだか身動ぎしてて。変だなぁと思ってさ、あんだけ混んでると電車のなかは蒸れるし、体調悪いのかと思って。
プー太郎でもそれくらいの気遣いはあるよ?でもまさか、女子高生に声かけるなんてことできない。だって僕はまだ捕まりたくないし?
で、僕は背中側にいたから、もしも倒れてきたら支えれるようにちょっと移動したんですよ。人の足踏まないように、この太ましい首で頑張って足下見ながらね。
そしたら、あいつ、男が痴漢してたんだよ。びっくりだよ、うわー、現場押さえちまった、警察呼ばなきゃって。でもびびって声は出ねぇし、男の手がどっから伸びてるかまでは分からなかったからどう声かけたらいいかもわかんねぇしよ………。
で、どうしようもなくて、目をそらせずにいたら突然、手の皮膚がぐっと盛り上がった。中から膨れたんじゃなくて、外から引っ張られたようにも見えたよ。
そしたらぐりっと、雑巾絞りよろしく捻り上げられて、男が悲鳴を上げたんだ。ありゃ相当痛がってたね」
「そうか……」
「そうか、っておまわりさん」
「いや、どうも、ありがとう」
「待ってよ、なんでまた話せって? もしかして俺を疑ってるの?」
「いや、そういうことじゃないんだ」
「ねぇおまわりさん、僕はまた話をして、あんたに協力したんだ。理由を聞いたっていいだろ?僕を疑ってるわけでもないんだから」
「そうとも、違うともさ。被害者の女の子が、助けてくれた人にお礼が言いたいと言っていてね」
「なぁんだ、そういうことか」
「ほんとうに見ていないんだよね?」
「見てないよ。もしかしたら、あんな状況で気が動転していて、そのせいで見ていないように思えただけかもしれないけど、僕にはそんなこと分からないしね」
「他にも見た人はいないから、もしかしたら目撃者の一人がその人だってことも考えられる」
「え、もしかして僕をそいつだって」
「微塵も考えてないから安心してよ」
「だと思ったよ……。でも、これがもしも、本当に誰もいなかったら?」
「というと?」
「例えば、そう、超能力とか特殊能力的なもので女子高生を助けたとか」
「いや、むしろそんなスーパーマンみたいな善人がいるなら、おまわりさんの仕事がなくなります」
「あっ、それじゃお仕事なくなって大変ですね」
「いやいやむしろ、楽できてうれしいですよ」
「それ言っちゃいますか?」
「この仕事も、けっこうめんどうだからね」
「お仕事、お疲れ様です」