第66話 謎の男1
「ッッ!」
〝囲え!〟
僕はリンに今まで感じたこともない危険を感じ、反射的にドーム型のシェルターを作った。
〝トスッ〟
瞬間リンの頭と直線上に吹き矢の矢のような物が刺さる。
〝逆探知〟
矢の飛んできた道を辿る。そして、矢を放っただろう場所には・・・誰もいなかった。
「居ない?」
「何がおきたの??」
「誰かがリンを攻撃してきた。しかもあの時と同じように、だ」
何処にいる?今だ続く言葉に出来ないほどの危機感がまだ危険が去っていない事を示していた。
「・・・ッ!!」
突然僕の右腕が視線から消え去った。今まで感じた事がない燃えるような痛みを感じる。
〝回復!〟
敵は最初からシェルターのようなものの中に居たのだ。
僕は治った右腕で刀を持ち、攻撃をしてきただろう場所を一閃した。
しかしその攻撃は空を切る。敵は後ろに一歩程下がったのだろうと直感で僕は感じた。
「はッッ!」
剣に魔力を込めて剣の長さを伸ばし、そのままさっきと同じように刀で一閃する。
今度は人では無い何かを斬った感覚がした。。その刹那、ゆらゆらと揺れるようにそこから細めの影の薄い男がずっとそこに居たかのように現れた。
「・・・姿が見えないはずなのに戦いが成立していることに驚きしか無いのだが」
「お前があの時、リンに矢を放ったのか?」
「あの時とは今ではなくルーエントの時か?」
「・・・そうだ」
「あの時お前は全く隙がなかったが、そこの少女は放心してたからな。それにそいつを倒したらお前にも隙が出ると思って・・・と言うか手応え的に完璧に死んだと思ったんだがよく生きてたな」
「おい。リンを殺しておいて良くその態度で僕の前に現れたな?」
体の芯から冷えるような声が出た。一瞬誰の声か分からなかった程だ。
僕は生まれて初めて切れていた。
これ以上無いほど完璧に
「な、なんだ?その姿は」
自分の姿を確認してみる。
力を借りていないのにいつの間にか髪が白くなっていた。
だが、その姿はいつもとは大きくかけ離れたものだった。
まず、背中に生えた真っ黒い羽。右肩には銀色に輝いているパットのようなものが着いていて、額には2つの角が生えていた。爪も少し伸びたかもしれない。
もしかしたら他にも違いがあるかもしれないが、今の僕にはそのくらいしか違いが分からなかった。
「お前だけは絶対に許さない。絶対死ぬよりも辛い経験をさせてから死んでもらう!」
僕は男が逃げられないようにもう一度ドーム状の空間を作りながら言った。
遅くなってしまいすみません。大会が日曜日に迫っているので更新が遅くなってます。すみません!
何やらカイトがすごいことになってますがこれからどうすれば良いでしょうか??ノリでしてしまったので……
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