第55話ガイザ
「何で昨日家に帰らなかったんだろうね~?」
「完璧に忘れてたからな」
「確かに忘れてたね~」
「またこんな生活が出来るとは思ってなかったもんな」
「そうだよね・・・でも、ちゃんと決闘で勝って世界を守らないとね!」
「ああ・・・そうだな」
「よし!明日も難しいクエスト受けよう!」
「そうだなあっちもちゃんとパワーアップしてるらしいしな」
「じゃあまず、家まで競争しよ!ゴー!」
リンは護符魔法を使って、走り出してしまった。
・・・と言うかもうついてるんじゃないか?
僕は勝つことを諦めて早く着くために、疾走を唱え全速力で走って行った。
「・・・」
僕がリンに追い付いた時、リンは家が有った方を向きながら口をあけて放心してるようだった。
「・・・そうえばここ街の外だったな」
「確かにそうだったね・・・」
「よし宿探しに行くか!」
「うん!そうだね!」
僕たちは気を取り直して、宿を探しに行きさっきの鬱憤を晴らすためにその日はご飯を沢山食べ、すぐに寝たのだった。
◆◆◆
「そうえばまだ試してない技があったな」
「そうなの?」
「ああ試してみるか」
「宿、壊さないでね?」
「大丈夫だ・・・多分」
僕は〝知識〟の中に入っている印を手で結んだ。
印を結んだところから、目を閉じた様な形をした魔方陣が表れた。しばらくたってからその目が開き、そこからなにやら宝石みたいなものが出てきた。
『ほう、お前が今の〝知識〟の保持者か』
「お前は?」
『ん?俺か?俺は元〝知識〟の保持者のガイザだ。お前らの名前は何だ?』
「カイトだ」
「ふにゃ?リンだよ~」
・・・リンはもう飽きていたのか半分寝ていたようだった。
まだ話も始まってないぞ?
『ふむ、いい名前だ。そしていい目をしている。そうだな少し力を貸してやろう』
「力?」
『ああ、そうだな・・・そこの剣にやるか』
「どんな力だ?」
『その剣にこの宝石を着けると、力が使えるようになる。俺の場合は・・・そうだな切れ味が強化されるみたいだな』
「他に貴方みたいなのが居るのか?」
『多分居るぞ?探してみたらどうだ?』
「・・・居るのか」
まあ現〝知識〟の保持者と、元〝知識〟の保持者が居るんだからな他に元〝知識〟の保持者が居てもおかしくないか・・・
『じゃあ他に聞きたいこととか有るか?無かったら力を渡して引っ込むが』
「じゃあ1つだけ」
『なんだ?』
「〝知識〟の保持者ってなんなんだ?」
『一言で表すと、神となる素質のある者の事だ・・・まあ俺はなれなかったんだかな』
「素質?」
『ああ、条件を満たすと神となれる。今回は今の神が死んでしまったからな・・・条件を満たさないと不味いぞ』
「条件?」
『ああだが、その時その時で違うから、今回はどんな条件なのか分からないな』
「そうか・・・」
そうえばあいつは、リンを死なせなければ永遠に生きる事が出来るとか言ってたな・・・関係は、多分あるんだろうな。
確かあいつ神から追放された者とか言ってた気がするしな
『じゃあこの宝石の中に力を入れて置いたから、ずっと肌み離さず着けておけ』
「分かった」
『何か聞きたいことがあったらさっきみたいに印を結んで呼べよ!答えられることは答えるからじゃあな!』
すっとさっきまであったガイザの気配が消えていった。
「すぅ」
「・・・」
・・・リンは完璧に熟睡をしていた。
取り合えず風邪をひくといけないので近くにあった布を掛けてやり、僕も隣で横になった。
この印だけ効果がわからなかったからずっと使わなかったが、もっと早く使ってたら良かったな・・・
僕は色々後悔をしながら泥の中に埋もれていくかのように意識が沈んで行った。
昼までに何とか書き終わりました!
今から部活なんで・・・
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いきなりですが3月21日句読点を増やしました!




