第54話魔剣入手
「・・・ッ!」
目覚めた瞬間、刀にゴブリンが剣諸共吸い込まれていくのが見えた。
「お兄ちゃん!大丈夫?」
「ああ、だが・・・」
この頭に植え付けられたような、剣に飲み込まれていった人々の感情はなんなのだろうか?
人を騙し貶めて
人々の心を浸食す
人を惑いし怨みの心
怨みは万物の力なりて
純粋なる清き心を浸食す
〝精神侵食〟
取り合えず剣に飲み込まれないように精神浸食を唱え、逆に剣を飲みこんだ。
「ん?消えた?」
「なにが??」
「なんかあのゴブリンを倒したときから、この剣の持ち主達の声と言うか感情がずっと聴こえてきてたんだ」
「だからなんか魔術を唱えたの?」
「ああ逆に剣を飲み込んだ」
「大丈夫?」
「んー今のところはなにもないな」
これから何か起こるとか無いよな?
「ん~ギルドに戻ってあの剣の事聞いてみる?」
「そうするか」
僕たちは来たときと同じように歩いて帰ることにした。
リンの護符魔法では、逆に行きすぎて遠くなってしまう可能性があることに気づいたからだ。
「力が強すぎるのも考えものだな」
「・・・お兄ちゃんも固有魔法使うと全部消しちゃう癖に」
「で、でも最近はちゃんと消さないで倒せるようになっただろ?」
「手加減してでしょ?」
「ま、まあ、そうだな・・・ん?手加減?」
「ん?何?」
「いや、リンも手加減すれば良いんじゃないかと思っただけだ」
「・・・良いかもしれないけどもっと早く言ってよ!」
「まあ次からすれば良いだろ」
「そだね」
「お疲れさまです・・・どうしたのですか?その剣」
「その事も含めて色々知りたいことがあるのだが」
「他の方々に聴かれては不味い事ですか?」
「どうだろうな?でも一応聞かれない方が良いかもしれない」
「・・・分かりましたこちらへどうぞ」
職員は少し考える様な素振りを見せてから、僕たちを奥の方へ促した。
「お兄ちゃん行こ?」
「そうだな」
僕たちは職員に付いてギルドの奥の方へ進んでいった。
「で、何があったんですか?」
僕たちは決闘の話し合いをした部屋に来ていた。
「適当にゴブリンを倒していたら、金色の禍々しい雰囲気の剣を持った巨大なゴブリンが出て来て、そいつを倒したら刀にゴブリンが剣ごと吸い込まれていって、頭の中に剣の持ち主達の感情が聴こえてきたから一応魔術で剣を飲み込んで話を聴くために帰ってきたって感じだ」
「そうですね・・・それは多分魔剣、呪いの剣の類いだと思います只、魔剣を魔術で押さえるなんて聴いたことがないですがね?まあ、貴方ですからなんか分かりますが」
「じゃあこれ使っても大丈夫だと思うか?」
「押さえられてるのでしたら大丈夫じゃないですかね?」
「この剣かっこいいしね~」
剣を見てみると、作った時のシンプルな銀色のデザインではなく、ベースが黒で所々血の様な赤が入った禍々しいデザインになっていた。
「まあ確かにかっこいいな」
「じゃあ使う?」
「ああ一応使うが何か有ったら棄てることにする」
「では他に何か報告はありますか?」
「特に無いな」
「では戻ってクエストの報告をしましょう」
「ああ」
「と言う訳でギルドカードを貸してください・・・はい大丈夫です報酬は面倒なのでこちらで預けさせてもらいますね」
「面倒って・・・」
「まあ別に貰いたい時に貰えれば良いぞ?」
「はい大丈夫ですよ」
「いまどんくらい貯まってるの~?」
「えーと・・・一生遊んでも使いきれるかどうか位です」
「そ、そうなんだー」
そんなに貯まってたのか・・・すごいな
「・・・」
「・・・」
「・・・ではお疲れさまでした!」
「ああ、じゃあ戻るか」
「そだね」
僕たちは久しぶりに家に戻ることにした。
詠唱考えるの難しいですけど楽しいですね!
今回のは結構かっこよく出来た様な気がします
そうえば追試の結果ってどうなったんですかね?全く連絡が来ないのですが・・・
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