第15話 死期廻生
まだ終わりません。
町が燃えていた。
赤く、赤く今まさに燃え始めたかのようにメラメラと燃えていた。
僕たちは、その光景が信じられず立ちつくして見ていることしかできなかった。
その刹那、リンの方から
〝トスッ〟と音がした。
「え?」
リンは、そう言った瞬間操り人形の糸が切れたかのように倒れた。
「リン!」
良く見て見ると、背中の方に吹き矢の矢のようなものが刺さっていた。
それを認識した瞬間、僕は、言葉にならない音を叫んでいた。
ボクハリンニマモッテアゲラレルトイッタノニボクハタイセツナイモウトモマモッテヤレナカッタナノニボクハナゼカマダイキテイルノダロウリンノイナイセカイナドボクハイラナイボクハリントイッショニシナナケレバナラナイノダ
「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーー」
その時、頭の中に直接声が響いた。
『〝知識〟の保持者本体の心理状態の悪化を確認。原因を検索・・・発見〝記憶〟の保持者本体の妹個体の死亡が原因。その原因を排除し、〝記憶〟の保持者本体の心理状態を日常生活可能まで戻す。本体の主導権を一時的に〝記憶〟に移すことを許可・・・完了。』
その刹那、僕は暗闇に包まれ、堕ちて行った。
「は~あ命令とならば仕方がないの~」
そこには、髪の色が白くなり、目が血のような赤に染まったカイトが立っていた。
いつもの雰囲気とはちがく、禍々しい雰囲気を纏っていた。
「じゃ、そろそろやるとするかの」
『吸収』
廻り一帯が全て砂になった。
『魔力操作』
吸収で吸収した魔力が全てリンの中に入って行った。
『死期廻生』
死亡していた筈のリンから呼吸音が聞こえて来た。
「見えてるのであろう?現〝知識〟の保持者よ。この妹さんを死なさなければ永久にお前さんは、妹さんと一緒にいることができるぞよ?」
「今、妾が見せた〝死期廻生〟を良く覚えておくと良い。きっと役に立つであろう。では、また、お前さんが絶望に溺れた時にあうとしよう。去らばだ!」
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僕は目を覚ました。
「リン!」
リンを慌てて探して見ると真横で寝息を立てていた。
「今のは本当にあったのか?だか、信じて見ても良いかもな」
「うーん」
リンが起きたようだ
「は!お兄ちゃん!?お兄ちゃんだよね?」
「ああそうだか?」
「良かった~いつものお兄ちゃんだ~」
リンは寝ている間僕の、白髪赤目の、おかしなしゃべり方をする人から
『お前さんがまだ兄と暮らしたいと思っているのであれば生きようと思え!妾が手伝ってやろう』
と言ってきたらしい。
「お兄ちゃん?」
「ん?」
「大好き!」
「ああ僕もリンのこと大好きだ」
「よし!今あったことは忘れて早く私達の家に戻ろう!」
「そうだな帰るか」
「よし!一気に帰るよ~」
リンはいつもより気合いを入れながら護符魔法を使った。
「行こう!」
「おう」
僕たちは、思いっきり地面を蹴った。その顔は、二人ともさっぱりとした顔をしていた。
初めての暗い話しでした。何か表現がおかしかったら容赦なく教えて下さい。あとこうすれば良くなると感じたら教えて下さい!お願いします。




