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 授業が終わり、琢弥が


 「ただいま~!……」


 家に戻ってくると朝とは違い、家は静まり返っていた。

 琢弥の両親は共働きで琢弥が授業が終わり、

 家に戻ってくるといつも家には誰もいなかった。

 それは琢弥の誕生日でも違いはなかった。

 琢弥はため息を吐くと夕食の時間まで自分の部屋で

 宿題や今、夢中になっているネットゲームで

 暇を潰した。


 その後、琢弥は仕事の前に母親が用意した夕食を

 食べると再び、夢中になっているネットゲームを続けた。


 そんな満たされない毎日に琢弥飽き飽きしていた。


 『こんな世界なんか、なくなっちゃえばいいのに……』


 そんな哀しい思いを抱えたまま、琢弥は誕生日の夜を過ごし、

 眠りに付いた。



 1日目


 自分の部屋にカーテン越しから差し込む、眩しい朝日によって、

 琢弥は目覚めた。


 『あ、朝か?……』


 寝ぼけ眼のまま、琢弥が起きるとすっかり、朝は明けていた。


 『またつまらない変わらぬ一日が始まるのか?……』


 だが、いつもと違っていた。

 いつも琢弥を急きたてるように起こす琢弥の母親の声が

 聴こえなかった。


 『あれ? 寝坊したか?……』


 琢弥は自分が寝坊したと思い、ベットの脇にある

 目覚まし時計に目をやった。

 目覚まし時計は7時半を少し過ぎた頃だった。


 『あれ?……』


 様子がおかしいことにやっと気付いた琢弥は

 母親が朝食の用意をしているキッチンへと向かった。

 だが、やはり母親の姿はなかった。

 琢弥は家中を探したが誰もいなかった。


 「まあ、良いか?……」


 琢弥は冷蔵庫の中にあるモノで軽く朝食を済ませると

 学校の制服に着替え、学校に向かった。

 琢弥は家から一歩、外に出て、違和感を感じた。

 いつもは生活観のある音がそこらかしこで響いているのに……

 今日に限ってはそれがない。

 気持ちが悪いほど、街中が静まり返っていた。


 「これは何か、変だぞ!……」


 嫌な予感がした琢弥はそのまま、学校に向かわず、

 学校とは反対の幼馴染みの沙織のもとへと向かった。


 琢弥は息を切らしながら、沙織の家のチャイムを鳴らした。

 いつもなら、


 「なに?……」


 そんなことをする琢弥に怒りながら、沙織が家の玄関から

 飛び出してくるのだが…… 今日はそれがない。


 『おかしい!』


 琢弥は


 「おじゃまします!……」


 沙織の家の中へと入った。

 沙織の家は琢弥の家と同様に静まり返り、誰一人として

 いなかった。


 『なんだ?……』


 琢弥は誰か、この異様な状況を知る人を探し、昼過ぎまで

 街中を駆け回った。

 だが、街には誰一人として、琢弥以外は人はいなかった。


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