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 琢弥は翌日もその次の日も街の図書館に通い、

 この街に起こったことを調べた。

 だが、図書館にある新聞の記事や貴河沙織の

 父親が書いた著書に書かれている以外のことは

 何も得ることが出来なかった。


 『やっぱりダメか~……』


 大きなため息を吐き、琢弥がうな垂れていると


 「少し休憩をしませんか?……」


 由希が温かいココアを持って、琢弥の前に現れた。


 「あ、ありがとう……」


 由希からココアを受け取り、一口飲んだ琢弥は

 ホッと心が落ち着いた。

 由希も琢弥の後にココアを一口飲むと琢弥の前に

 広げられている新聞などに目をやり、


 「何もわかりませんか?……」


 琢弥に聞いてきた。

 琢弥は少し落ち込んだ表情を浮かべながら


 「うん! ここに書かれている僕の幼馴染みの

 父親が開発した薬が原因でこんな街の状況に

 なっているのはわかったのだけど……

 それ以外は……」


 そう言うと押し黙った。

 由希も琢弥の表情を見て、察したのか


 「そうですか…… 今日は少し早いですけど、

 もう(家に)帰りましょうか?…… 美味しいものでも

 食べて、また考えましょう!」


 琢弥にそう声を掛けた。

 琢弥は目の前に広げられた新聞などを見詰めながら


 『焦ってもしょうがないか!…… また何か手掛かりが

 出てくるかもしれないからな……』


 「そうだな…… 今日は帰るか!」


 そう言うと由希とともに家に戻った。

 家に戻り、数日ぼんやりと過ごしていた琢弥だったが


 『……もしかしたら、沙織の家に何か、手掛かりが

 あるかも?……』


 ふと、そう思いついた。

 琢弥はすぐに由希と共に幼馴染みの家の前にやってきたが

 さすがに自分の家とは違い、いくら幼馴染みの家とはいえ、

 誰もいない他人の家に入るのは少し気が引けた。


 「どうしたの? 入らないの?……」


 由希の声に琢弥は少しびっくりしたが


 「いや。入るよ!…… 何があるかわからないから

 気をつけるんだよ!……」


 琢弥は由希にそう言うと意を決し、幼馴染みの

 沙織の家の中へと由希と共に入った。


 前回に一人で訪れたときと同様に家の中には誰もおらず、

 気味がわるいほど、シ~ンと静まり返っていた。

 琢弥は恐怖に怯えながらも勇気を奮い立たせ、

 由希のことを見ると


 「僕は2階に何か手掛かりがないか探して来るから

 君は1階を頼むね!……」


 というと由希は不安そうな顔で琢弥のことを見詰めながら


 「わ、わかったわ…… 気をつけてね!」


 というと琢弥と由希はそれぞれ、沙織の家の中で

 手掛かりを探し始めた。

 

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