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 「そう。そうなんだ!……」

 

 由希は琢弥の行動に困惑し、愛想笑いをした。

 琢弥はそんな由希の表情なんて、気にせず

 昨日、由希が取った行動と同じ行動を取ると

 さすがに昨日、自分が取った同じ行動を琢弥が

 取ったことに由希は驚いた。

 鳩が豆鉄砲を喰らったように顔をしている由希に


 「どうした?……」


 琢弥は由希に声を掛けた。


 「いや…… 別に……」

 「そう…… じゃあ。次、行こうか!」


 琢弥は由希にそう言うと別の場所へと移動した。

 琢弥が次に連れて来たのは……


 由希が学校の次にやって来た図書館だった。


 琢弥が次に連れて来た場所にさすがに由希は驚いた。


 「どうして、ここを……」


 今にも泣き出しそうな由希の顔にさすがにやりすぎたと

 少し反省した琢弥は


 「ご、ごめん…… 実は近頃の君の行動が少し気になって、

 昨日、君のことをつけたんだ……」


 由希に頭を下げ、謝った。


 『え?……』


 琢弥の懺悔に由希は驚いたが今日の琢弥の行動のわけが

 わかり、少しほっとした。

 由希の少しほっとした顔を見て、琢弥は


 「で…… あの場所で夕方まで何をしていたの?」


 由希に図書館の中で何をしていたのかを聞いた。

 由希は琢弥が指差した図書館を見ながら


 「え~っと…… あそこでね…… ここがどこなのか?

 私が誰なのか?を調べていたの……」


 そう答えた。


 「で…… 何か、わかったの?」


 琢弥が由希と同じように図書館を見ながら、そう言うと


 「ちょっと来て!……」


 由希は図書館へと駆け出した。

 その後を琢弥も追いかけた。


 図書館の中は幼い時によく琢弥が本を借りに来ていた

 街の図書館とそっくりだった。


 「こっち、こっち!……」


 由希は琢弥に向かって、手招きしながら、更に図書館の

 奥へと進んでいった。

 琢弥が由希のあとを追いかけて、図書館の奥へと進むと

 由希が出して広げたのか、いくつもの新聞が広げられていた。


 部屋中に広げられている新聞を見ながら、


 「なに、これ?……」


 琢弥が呆気に取られていると


 「新聞の記事から何かがわからないかな~?と思って……」


 由希は広げられている新聞の一つを手に取った。

 広げられている新聞を見回しながら


 「で…… 何か、わかったの?」


 由希に尋ねると由希はうれしそうに目を輝かせながら


 「実はね……」


 自分が新聞から気付いたことや発見したことなどを

 琢弥に話して聞かせた。


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