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 琢弥は由希には悪いとは思ったが

 由希の怪しげな行動が何なのかを知るために

 翌日、


 「じゃあ。行ってくるね!……」


 由希が用意してくれたお弁当を持って、

 車の運転練習をするため、家を出た。


 家を出て、琢弥が近くの物陰で自分の様子を

 窺っていると家事を慌しく済ませると由希は

 琢弥の家から出てきた。


 『やっぱり……』


 慌しく自分の家から出てきた由希を見て、

 琢弥は少しがっかりした。


 「……でも、何処に行くんだ?」


 琢弥は由希に気付かれないようにすぐに

 由希の後を追いかけた。

 琢弥が由希に気付かれないように由希の後を

 追いかけると由希は琢弥の家がある街の南側の

 学校や市役所などがあるエリアに向かった。


 『何であんな場所に?……』


 琢弥は由希がなんでそんな場所にいるのか

 わからなかった。

 そのまま、琢弥が由希の後を付いていくと……


 由希は学校の枯れかかっている花など、植物に

 水をやり、学校に住み着いている子猫に

 琢弥の家の近くで買った餌をやると由希は

 その足で図書館へと向かった。


 由希はそのまま、夕方まで図書館から出てこなかった。


 『あそこで何をしているんだ?……』


 由希の行動が気になったが琢弥は由希に気付かれる前に

 由希がいる図書館の前から自分の家へと戻った。


 琢弥がリビングで由希が帰ってくるのを待っていると

 

 「ただいま~!……」


 由希は何事がなかったかのように琢弥の家に戻ってきた。

 何事もないように夕食の用意をキッチンでしている

 由希を琢弥は見ながら


 「なぁ~…… 明日、バイクだけどドライブに

 一緒に行かないか?……」


 由希に声を掛けた。


 『え?……』


 由希は突然の琢弥の言葉に驚いたが


 「わ、わかったわ……」


 そう返事し、夕食の用意を続けた。

 キッチンで夕食の用意をしている由希の姿を見ながら

 琢弥は今日のことが頭を過ぎていた。


 だが、琢弥も由希に今日のことを気付かれないため、

 平然と過ごした。


 次の日。


 琢弥は由希を連れて、昨日、由希が行った学校へと

 向かった。

 琢弥が連れて来た学校に


 『え?……』


 由希は驚き、琢弥の顔を見詰めた。


 「どうした?……」


 琢弥はそんな由希の表情に気付かないふりをし、


 「ここはね…… 僕が通っていた学校に

 そっくりなんだ……」


 そう言いながら、由希に微笑んだ。


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