Plorogue 日常との別れ
「終わっちゃった、か」
俺は12連世界物語というMMORPGをしていた。
もちろん現在の技術ではVRなんてものは理論すら出てきていない。
やはり、脳をPCを直接繋げるのは難しいことのようだ。
そんなわけで、据え置き機によるゲームを楽しんでいたと言うわけだ。
俺は携帯機より据え置き機のほうが好きだ。
....そんなことに興味あるやつはいないか。
12連世界物語は12の世界を旅しながら、ある宝物を探す物語で、主人公は作中で様々な謎を解いていくゲームだ。
どちらかと言うとノベルゲームに属するほどストーリーが厚いが、やりこみ要素も大きいゲームだ。
プレイヤーの最高レベルは200で、出てくる最強のモンスター「世界龍」はレベル1000だ。
特徴はレベル開放システムで、最初のレベル制限は100からクエストをこなすことで10ずつレベルが開放される。
「世界龍」はもちろん打倒不可能のイベントモンスターで、12世界に1柱ずつ存在する神だ。
もちろん俺はプレイヤーを200レベルまで育て、装備も最高レベルのものを装備している。
さらに、お金をためまくってドーピングしてstr(筋力)を999まで上げてある。
ちなみに他は大体300程度だ。
それでもレベルが上がるにつれて等比級数的に強くなる、言い換えるとインフレしていくのでそこらへんの205レベル程度でさえ最終ステージボスクラスの強さを誇る。
HPが低いのが救いではあるが。
今は、攻略サイトにすら載っていない隠しシナリオを終わらせたところだ。
見ていないシナリオはなかったので、おかしいとは思ったがせっかくなのでクリアした。
まさかこれをクリアしたら異世界に招待されるかもしれない、なんて妄想を膨らませながら。
倒した隠しボスからのドロップは「奇異なる奇怪な移界書」という魔道書だ。
魔道書は大抵重要なアイテムで、効果は様々だ。
今回は一つの魔法を覚えられるようだ。
「戒回壊命界運 ***」
バグったかと思ったが、それにしてはゲーム本体や画面の背景には異変がない。
たまに、漢字の技名は出てくるものの大体はカタカナで意味も感覚的に伝わるものしか出てこない。
ここまで支離滅裂な言葉が出てきたのは初めてだ。
俺はいぶかしんだが、とりあえず使ってみようと思った。
近くの適当な敵、それでもレベル200オーバーに対しエンカウントする。
用心をして、敵の体力をレッドゾーンまで落としてから新しい魔法を使った。
その瞬間、視界は暗転した。
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