クリスマスケーキは25日夜が狙い目
クリスマスケーキは25日夜が狙い目
なぜなら、割引されているから! わたしはコンビニに寄り、割引シールが付いたケーキを取ろうとした、その時だった!
「あ」
「え」
譲るのか!? このチャラい男に! いや、私は譲らない、なぜならこの割引ケーキを楽しみにこの一年の仕事を頑張ってきたと言っていいから!
「いや、あの」
「あの、すみません……」
こ、こいつ、私の譲るなの目力攻撃に、屈しない……だと!? ここから私の戦いの火蓋が切られた!
「ごめんね、お兄さん、このケーキ譲ってくれないかな」
「いや、あの、25日なんで、無理っす」
何言ってんだこいつは。私だって25日だ。人類平等に25日生きてんだぞ。このためにイヴのケーキ我慢してんだこちとら。お前はチョコでも食っとけ!
「あの、あのね、チロルチョコあげるから、勘弁してくれないかなこれで」
「いや、あの、じゃあ俺のアルフォートあげるんで」
こ、こいつ……! チョコレートの戦いに勝ってきた、だと!?
「じゃ、じゃあ高いコーヒーでも奢ってあげるから! ね? ね?」
「い、いや、おれこのケーキのために仕事頑張ったんす。サンタのバイトやってきたんすよ。1日の最後ぐらいお姉さん俺のサンタになってください」
「こちとら一年間25日の値引きケーキを楽しみにしとんねん。譲ってくれ! コーヒーでもビールでもなんでも買うからさぁ!」
「え、ビール奢ってくれんすか? プレミアムモルツでもいいすか?」
「え?」
「え?」
ケーキの戦いには勝ったが、値引きケーキの意味はない。他人にビールだけ買って食うケーキは果たして美味いと言えるか!?
「……サンタさんのバイトお疲れ、ビール奢るしケーキも奢るよ…….」
「お、お姉さん……、じゃあ俺、ハーゲンダッツ奢るっす!! まじで感謝です」
まじか。……まじか、嬉しい。いい奴じゃねえか、お前。互いに会計して、コンビニを出る。
「お姉さん、メリークリスマス、良いお年を! ビールとケーキありがとうございます!」
お前、いい奴じゃねえか!
「メリークリスマス!」
風呂上がり、ハーゲンダッツを食べる。
「ケーキ譲って食べる、ハーゲンダッツうめぇや……」
メリークリスマス!




