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陰陽師と結ばれた縁  作者: サクサク
終わりと始まり
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赤い糸を手繰ろう。

ーーー都に帰らねば。

ーーー妻と子供が・・・・。


強い想い、願い。

空が、眠っていた霊力を目覚めさせた可能性が高い。

そして、それは絢音の意図せぬところで、紡がれた。

強い想いは運命さえも変えてしまう。

力が強いモノであれば、それは偶然より必然、仕方のないこと。

蒼月が持ってきて暮れた水を:一気に飲み干すとゆっくりと息を吐いた。


左京の屋敷は朽ち果てていた。

悲しみに暮れる屋敷。

あのあとすぐに絢音は屋敷に戻らなかったのだろうか?

‘絢’と呼ばれる姫君が泣いていた。

あの波の意味は、悲しみ・・・。

亡骸さえ戻らぬ悲しみは、北の方の心を壊すには十分だったのだろう。

その事件より後に北の方は亡くなった。

この時代通い婚、婿入りが確か普通だったはず。

では、あの映像で泣いていた主人は、義理の父親。

幼い童は、北の方の弟、もしくは息子。

2人目を妊娠していた可能性も高い。

妻と子供が(・・・・・)と言っていた。

お腹の子を指すなら、お腹の子というはず。

純粋に彼があの状態になったのは、奥さんと子供に会いたいという事よね?

じゃあ、私に対しての‘花嫁’の発言は?


「ひぃさま。」

「あーねぇ、蒼月。絢音の嫁発言って・・・・・・うわぁお!!」


目の間に現れたのは、先ほどの映像で見ていた人物。

絢音の奥方。

私とさほど変わらぬ姿の彼女は、どこか寂しげな、申し訳なさそうな表情をしていた。


『陰陽師の方とお見受けいたします。私の話を聞いていただけないでしょうか?』

「外でもよろしいでしょうか。」


ちらりと春仁さまへ視線を移し、異常がないことを確かめると母屋へと移動した。


『私は藤原一族の分家の家に生まれ、父は中納言の官位を賜っておりました。私の名前は‘絢’と申します。』

「貴方は彼の奥方で間違いないでしょうか?」

『はい。実は昨年の夏頃陰陽師さまの方にひかれまして、今までご一緒させて頂いておりました。先ほど、陰陽師さまの中より表へ出て参ることができました。』


その言葉に‘花嫁’と言っていた半分は納得する。

本能的に、奥さんの魂を見つけたんだろう。


「彼が記憶喪失というのはご存知?すでに故人であることも。」

『はい、真音さまが記憶を失われたのは、あの石のせいです。しかしその石も現在は力っをなくしているようですので、安心いたしました。』

「あれは、何?」

「あれは、願いの石と呼ばれており、当時聞いた話ですと、人なの一番強い願いに反応し、その願いを叶えてくれると記憶しております。真音さまはその意思を使い私の病を治すおつもりだったのです。」


石を譲ってくれた人間が、こちら側のにんげである可能性が高い。

藁にも縋る想いだったのだろう。

鋭利な石ももしかしたら意図して置かれたものかもしれない。


「私は、彼も貴方も送るつもりだけれど。」

『はい。もとよりその願いを叶えてもらうため、お願いにあがりました。』

「私は、陰陽師さまよりあまり離れることができませんので、ご了承ください。」

〈性質が似ているのだろう。俺もいるから問題ない。〉

〈ん。分かった。〉


納得すると、明日再び話に行く旨を伝え、塗籠で眠るわけにもいかず茵を持って来てもらって、簡易の結界を張って、蒼月にそばにいて貰い再び眠りについた。


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