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「今回の件で気になることもございましたので、後ほど晴明さまにもご相談したいことあがございます。報告は以上でございます。」
「2人ともご苦労であった。」
「「有難うござます。」」
主上と、春宮さまが退出され、私と章平さまと晴明さまの3人にとなった。
春宮さまは何か言いたげだったけれども。
菊華は嫁だが、時平の時は専属の陰陽師見習いみたいなもので、その場で何かを言える状況ではない。
「晴明さま、駆除血らを見られたことはございますか?」
差し出したのは、絢音の胸に埋め込まれていた石の破片だ。
色を失ってはいるものの、赤黒さはそのままである。
「それは?」
「今回の主犯格の鎖骨下に埋まっておりました。以前見た時は違う色だったのですが、埋め込まれたのか、埋め込んだのかは定かではありませんが、左京区の妖が消えていた件に関わりがある石かと。後、人格に多少少なからず影響が出るみたいです。」
石を晴明さまに差し出す。
石を受け取りじっと観察する晴明さまの様子を見つつ、章平さまが気づいたように尋ねてくる。
「それ、先日奪われたやつだよな?」
「そうですね。いろんなものが凝固された感じの。あまりいいものではないですし、力自体はもう無いので問題ははないですが。」
「という子てゃ、街の方は問題ないということだな。」
「原因は排除したから、大丈夫です。」
「じゃあ、あいつらにも言っておく。」
「それがいいでしょう。大内裏の方はそろそろ戻ってきそうな気がします。」
街の妖達も逞しい。大内裏の妖達も逞しい。
何せ、私の結界ばりなどモノともしないのであるから、ある意味強い。
「時平、これはわしが預かっても良いかの?」
「もとよりそのつもりです。よろしくお願いいたします。私はそろそろ梨壺に戻ります。宮さまの言いたことが多そうでしたし、青龍を筆頭に皆不機嫌そうですので。」
「それがよかろう。」
「あ、章平さまこれ差し上げます。私特製の傷薬です。ある程度の傷であればすぐに治ります。まぁあまりひどいと自身の霊力を吸収して治しますが、重症でなければ平気です。」
小さな四角い箱のよう一気に入れた塗り薬を手渡す。
ちなみにこれの在庫はまだ大量にある。
暇すぎて、雪華と共に作りすぎたのだ。
「無くなったら教えてくださいね。まだ大量に在庫がありますので。」
「ありがとう。」
「いえ、それでは。晴明さま、章平さま本日は失礼いたします。ご協力ありがとうございました。」
「わしらもそろそろ帰ろうかの。弘徽殿の方は主上から説明があっているだろうから問題はないじゃろう。」
「ありがとうございます。」
「あ、俺一度陰陽寮にもドラねぇと。」
「章平さま、父様・・・じゃなかった陰陽頭にもお礼を伝えてください。」
「父様?」
「陰陽頭、私の当様に瓜二つなんですもの。陰陽寮でお会いした時血筋ってすごいなって思っちゃいました。」
くすくす笑いながら、清涼殿を出るとそこで2人と別れた。
私はというと、青龍に抱き抱えられ梨壺の裏側まで一気に移動した。




