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陰陽師と結ばれた縁  作者: サクサク
絡まった糸をたぐり寄せれば
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「お待たせいたしました。陰陽寮に助っ人を頼みに行っておりました。」

「良い。先ほどの結界の歪みは時平殿か?」

「はい、私です。陰陽頭へ弘徽殿により強固な結界を張って頂けるように依頼しております。主上と宮さま、梅、藤壺のお妃さま方、女房の方々も、狭いでしょうが、ご一緒に居てください。玄武も護衛につけます。今、朱雀が最後の一箇所になる場所にいます。今回の狙いは主上や内裏のお妃さま達が対象ではございません。狙いの位置がずれておりますから。

ですが、高官・・・・大臣の官位を持っている者が対象かと考えております。

多少の爆風、爆音は想定されていてください。

晴明さま、結界に隠れて施されたのが今回のモノです。先日章平殿に教えた方法で同様に今、確認をしていただいております。」


そう説明すれば、晴明さまが印を結ぶ。

力の強い方々はすぐに習得するので、私の努力は何だったのだろう?と考えてしまうが、別に独占する予定もないし、同じ一族の人間。

技術知識は共有するのが当たり前だと私は思う。

研究を重ねる為にも、使用できるできないかは省いても教える分には問題がないと思っている。

その方が私も仮説を立てやすくなるから。

もちろん、教える人間は厳選する。

先ほど私の邪魔をしてきた人間は、教えた所で使用は出来ない。

何より、霊力に差がありすぎるからだ。


事態を正確に把握してくれただろう晴明さまの表情は、眉間に皺が寄る程度でそこまで深刻ではないと思っているのであろう。

私もそう、考えている。

ギリギリの所で発覚はしたモノの、対応はできる。

ただ、私は1人で分裂なんてできないので、章平さまに援助要請をしたのだ。


内裏の現状の情報共有をした所で、私は立ち上がった。


「章平殿も来られたようですので、行ってまいります。」


にっこり笑みを浮かべ、ちょっとお使いに行ってきます的なノリで階段へ向かうと、入り口に章平さまがちょうど到着された。


「章平さま、左京で出会った妖より数段力は強いと思って下さい。ひとまず北へ向かいましょう。」


下へ降り、章平さまに忠告する。

状況は把握されているだろうし、覚悟もされているでしょうが、今回はちょっと面倒くさい形だ。

二重の五芒星。

嫌がらせとしか言いようがない形が完成する直前だ。

やり方がネチッコイし、何だろう・・・。

大内裏内を全力で走り抜けながら軽い淀みは綺麗にしていく。

もちろん、近くに隠れている雑鬼達には、‘’巻き込まれたくなければ、一度大内裏外へ出なさい”と避難指示を出す。

察しの良いモノたちは異変に気づき移動を開始している状態であった為に、それほど指示を出す必要はなかった。


「姫さん、あいつらと仲良くなるの得意だったりする?」

「私は、基本的に共存でいいと思っておりますから。無害であれば放置です。それよりも人間の方が怖い。」

「あー、それは常々俺も思う。」


一番瘴気が濃く、そして次に‘呪’を植え込むであろう場所は、朱桜が浄化の炎で辺りを囲っていた。

そして、ここに本体がある。


「朱雀!もしかして弾かれてる?!」

「もしかしなくても、弾かれている。」

「・・・うわ・・・・。」


中心を取り巻くように円状に朱雀の炎が囲んでいた。

朱雀より強い炎となると、騰蛇になる。


パアァァァンと、拍手を打つ。

最悪騰蛇ね。

神力、霊力を解放しながら朱雀の炎の中心を狙う。


「ノーボウ アキャシャ キャラバヤ オンマリ キャーバリ ソワカ。彼の地に在りし力を我が前に示せ!!!」


縁の中心に風の塊を大きく叩きつける。

朱雀の炎の熱風と私が叩きつけた風で強風が吹き荒れ、中心からガシャガシャと音を鳴らしながら現れたのは、漆黒のガシャ髑髏。

鬼火の色が異常だ。


「章平さま、戦闘経験は?!」

「これ、普通じゃないだろう?!」

「色々なものを吸収して禍々しくは在りますが、完成前です!本来の力を発揮出来ないはずです!!」



「ふふ。よく分かっているね。」


ガシャ髑髏の後ろの塀には、いつの間にか姿を現した絢音が、楽しそうに笑っていた。


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