表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰陽師と結ばれた縁  作者: サクサク
絡まった糸をたぐり寄せれば
45/75

2

準備されていた十二単は前もって準備されていたかのような色目だった。

雪華に聞けば、春宮さまが持ち込んだらしく、現皇后さまが東宮妃時代に来ていたものらしい。

私を迎えに来る辺り、主上から許可が降りた後、皇后さまに呼ばれて持っていくように言われたらしい。

紅の匂という襲色目は、濃紅、紅、淡紅、より淡い紅、紅梅と重ねた移植のグラデーションのような襲で、雪華と若菜さまの説明を聞きつつ、可愛らしい色なので少しご機嫌だったりもする。

現代では現役の女子高校生なので、可愛らしいものは大好きだけど普段は機能性、動きやすさを重視しているので

こうやって着飾る事ができるのは非常に嬉しい。

お仕事ではあるが、菊華として入内するという事は、こうやって着飾ることが増えることに今更ながら気がつき、ちょっと気持ちは上がる。

幼少期より傍にいる神将達にはその微妙な変化すらも気がついているだろうけど、そこはあえて気づかないふりだ。

雪華なんて私を着飾るのが大好きな人だから、いつもどこからか色々な衣装を調達してくるし。

あれ本当にどうやって調達してるんだろう?って疑問に思う。

雪華と若菜さまの手によって綺麗に着飾れば、そのまま春宮さまが待つ寝殿へと向かう。

寝殿には春宮さまと、敦成さま、晴明さまと章平さまがいらっしゃった。


「お待たせいたしました。」


そう言って入室すれば皆固まる。

雪華と若菜さまが着せてくれたので変な格好をしているはずがないのだけれど。

扇なんてすでに素顔を見せている相手に広げるわけでもなく、ひとまず空いている円座に座る。


「春宮さま、それでこれからどのような段取りなのでしょうっか?」


目の前に座る、春宮さまに話しかけるが反応がいつもより遅れて返ってきた。


「このまま大内裏へ向かい、住む場所は梨壺の北舎になる。」

「私的には、同じ電車で構わないのですが・・・・。時平の時も一緒でしたし。」

「姫さん、それはちょっと無理じゃないかな?時平()で通していた時とは状況が違うだろう?」

「章平さま、護衛対象は近くにいた方が守りやすいよ?北舎も十分近いですが。」

「菊華の君、一応入内ですので、同じ殿舎でも構わないのですが体裁というものがございますので、お持ち物などを北舎に置かれて、普段は春宮さまとご一緒に過ごされては如何でしょうか?」

「うーん、わかりました。」

「ちょっと、俺を無視して話を進めないでもらいたいのだが。」

「姫さんって強いな。色々な意味で。」

「はい。じゃあ決まりということでそろそろ移動しましょう。晴明さま何かあれば式を飛ばしますのでよろしくお願い致します。章平さまもお願い致しますね。」


お2人が頷いたのを確認すると、雪華の手を借りて立ち上がる。

ほんと十二単って動きづらい。可愛いけど。

動きにくくするための重量なの?とも思ってしまう。


「それでは参りましょうか、宮さま。」


手を差し出し立つように促す。

立ち上がった春宮さまの手を取ると、晴明さま達に一礼をし安倍邸を後にした。


梨壺の真横にある、嘉陽門(かようもん)より殿舎に入る。

このまま皇后さまへ挨拶をしに行かねばならない。


「宮さま、弘徽殿の皇后さまへ入内のご挨拶へ・・・・・・、宮さま??」

「あ、いや行こうか。父上にもご挨拶に行かねばならないし。」

「はい。」


殿舎へ戻ってきた宮さまはどことなくぼんやりしている。


「敦成さま、宮さまはどうされたのでしょうか?」

「特に問題はないかと。すぐにいつもの宮さまに戻られますよ。」

「菊華?」

「はい。今参ります。雪華、勝手知ったるでしょうけれど、後はよろしくね?」

「はい。お気を付けて。」


2人に手を振り、渡殿の手前で待ってくれている春宮様の手を取り、そのまま扇で顔を隠しながら、弘徽殿を目指した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ