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陰陽師と結ばれた縁  作者: サクサク
はじめまして平安京
19/75

2

〈皐月、寝た??〉


寝ついた皐月を確認できたところで姿を現したのは白虎だ。

昨日から皐月の様子を気にかけていた。

夜一緒に寝ているから余計に気になっていたのだろう。


〈熟睡してる。〉

〈この時代に来てから、神気も俺たち吸ってないしな。〉

〈力も溜まりすぎるのも、減らさねばならぬしな。〉

〈慣れない生活を頑張っているから、見守らないと怒るだろうし。こちらの時代に来て本来の皐月らしさが出ているからね。〉


青龍の腕の中で安堵の笑みを浮かべて眠る皐月に苦笑を浮かべながらも、愛おしそうに2人は眺める。


〈俺も朱雀も早く青龍に皐月が全力で甘えられるようになればいいと思うけどな~。〉

〈距離の詰め方がお互い分かっていないからな。拒絶がないだけ俺はいいと思う。〉

〈まぁ、確かにそうだけど。みんな皐月の事大好きだからなぁ~。〉


眠る皐月の目尻に唇を寄せると白虎は姿を消した。

青龍は軽くため息を吐きながら、背後に現れた気配に話しかけた。


「何か用か?」

「少し父上のところに行くから、時平に梨壺(ここ)から出ないように伝えに来ただけだ。」

「我が主は籠の鳥ではない。貴殿は我が主人ではないから、我が主が望めば我らはそちらを最優先に動く。」

「とにかく私が戻るまでは勝手に動くなと伝えてくれ。時平はすぐ方向を見失うだろう?」

「我が把握しているから問題ない。早く行け。」


冷たく言い放てばその気配は梨壺の外へと出ていった。


気に入らない。

あいつは我が姫君には毒だ。

青龍は嫌悪を表しながら、再度息を吐いた。





晴明縁の陰陽師、安部時平を紹介されたのはちょうど1ヶ月前。

人ならざる女の陰が梨壺を徘徊し始めたあたりだった。

当初晴明が対処してくれるものだと思っていたのだが、紹介された陰陽師は俺よりも年下の幼さが残る少年だった。

こんな元服が済んだばかりの様な少年(もの)に何ができるのか??

という思いをこの後すぐに打ち砕かれたのは、いうまでもない。

階位と対峙する時平は、頼りなさよりも頼もしさそして放たれる破気の様なものがそのあたりを警護しているもの達よりも格段に上だった。

どれだけの修羅場をくぐり抜けてきたのだろうか?

俺自身よりもと上だと認識してからは、年下だから。という感を改めた。

実際に時平に年齢を確認したら、俺よりも3つ年下だった。

それから時平が動く時は必ずついていった。

弟みたいな感じで、だけどそれ以上の何か特別な感情も自覚している。

無防備に笑った時とか、何かものを落としたりした時の慌てようとか見ていてかわいいなと思ってしまう。


そしてそんな時必ず現れるのは時平が使役しているモノ達。

白銀の髪の神将。

時平との距離がとても近いし必ず時平に接吻していく。

時平も慣れたもので気にした風もない。

そんな光景を見るたびに何ともいえない感情に気がつく。

時平(それ)にそれ以上触るな。時平(それ)は今私のモノだ。と。

だから余計に行動を共にした。

時平が女であればよかったのにと何度も思った。

女であれば、后に望んだのにと。

後ろ盾など無くとも、晴明の縁のモノであればある程度解決する。

何度もそう願ってしまう自分に笑えてくる。


先ほどの空色の髪をした長身の男は、時平の側から幼い頃から一緒にいたモノの1人なのだろう。

姫君を抱くように時平を抱き上げると、そのまま時平が使っている局へと下がっていった。

しばらくして父の使いが来て、清涼殿へといくことになったので、時平に声を掛けに行くと空色の髪の色の男の膝の上に居て、袿がかかっていることから、時平が眠っていることがわかった。

その状態が羨ましいと思うのと同時に触るなと言いたかった。


だから何度でも願ってしまう。

時平が女であればと。

あのモノ達のように幼い頃から共にいたのであればと


叶わぬ夢だと理解はしていても、願わずにはいられない。

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