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5.海へ行こう

結構遅れて投稿…

今年は忙しくなりそうだな。毎週投稿は厳しい…投稿できるタイミングで投稿する!

多分誰も見ないから???

 ちょっと整理しよう。

気づいたら俺は道に迷っていて、自然で囲まれたトンネルを抜けたら、女の人が課題をやっていた。彼女は、水瀬 彩月(みなせ あやつき)という名前だ。そして、俺が彩月さんに駄菓子をあげたら、願いを叶えてくれるらしい。意味わかんなすぎて軽く喧嘩になった。勢いで「隣に隕石でも落としてみろ」と言ったら、ガチで落としてきた。…ここまでがワンセンテンスだ。

 「 やっば…ちょっとやりすぎた。」

彩月さんは慌てている。まぁそうだよな。隣に小さな隕石が落ちているんだから。テレビをつけたら全てのチャンネルは隕石のことの速報で、ニュースになっているだろう。と、冷静ぶっているが、そんな俺も実際冷や汗をかいて焦っている。俺はスマホを持った。ニュースがたくさんあるだろう。

…あれ?ニュースがひとつも…あがっていない。

「彩月さん…これ、どういうことですか?」

陽翠(ひすい)君、ごめん。ちょっと、キレちゃった。」

真っ直ぐな黒い髪の毛で顔は隠れていたが、彩月さんは、怒鳴ったことを反省しているようだ。

「あ。いや、事の発端は俺なので、俺も…すんません。」

俺はスマホの画面をもう一度見る。ニュースは何も更新されていない。天気予報だけがあがっている。

「スマホ見ても、ニュース、一切あがってなくて、逆に怖いんすけど。」

彩月さんは、もう慌てていなくて、最初に見た時のような、静かな人になっていた。きっと、隕石が落ちてきたことに慌てていたのではなく、俺に強くあたってしまったことに、慌てていたのだと思う。

まるで、隕石のことは、どうでいいかのように。

「今のは…私と陽翠君以外、誰も見てない。」

「え?」

「…だから、安心して。無かったことにしよう。」

嘘だと思った。でも、たしかに、これだけ待っても隕石のニュースや情報は、どんなSNSを見ても、あがってきていなかった。誰も知らないし、見ていない。その事を信じて、次の話をした。

「分かりました。でも、今のこと、ちょっと説明してくれませんか?ねがいごと…とか言ってましたよね?」

今までの人生で一番の不思議。と言っても俺は中3だけどな。

「駄菓子…もっちり君をくれたから、そのお返しってことで、それくらいのねがいごとを叶えられるってことよ。今日は、頭キレちゃったから、ものすごいことになっちゃったケド。」

なるほど。俺が彩月さんに駄菓子をあげたら、それ分返ってくるってことか。じゃあ、駄菓子全部あげて、願い叶えてもらおうかな。

「それって、駄菓子だけ?」

「ううん。駄菓子以外にも、私が幸せだなって感じたものは全部。駄菓子を久しぶりに食べたことが幸せと感じたから、願いを叶えられた。」

さっき駄菓子あげたし、願い事を考えようじゃないか!うーん…まずはゲーム機が欲しいな。あ、駄菓子と同じくらいの価格じゃないか。じゃあ、今喉乾いてるし、ラムネとか欲しいな!

「彩月さん!ラムネください。」

水筒飲み干しちゃったし、これからラムネ飲めるとか、サイコー…

「え?何言ってんの。」

!!!

「願いを叶えてくれるんじゃないんですか?」

「…?」

彩月さんは首を傾げる。なになになになになに。

「願いはもう使っちゃったでしょ?ほら、隕石。」

彩月さんはきょとんとしていた。

「え!!それカウントすんのかよ!」

「するわ!あ、あとねがいごとは1週間に1回ねー」

彩月さんは人差し指を立てて、いーっと口と目を細める。隕石、カウント…するのかよ。

まぁ、今回は彩月さんの「ねがいごと」とやらを知れたし、また1週間後に来ればいいか。

 …待て待て。なぜ俺はこんなに平常心保てているんだ?フツーに考えてみろ。俺が虹を追いかけて、迷子になった挙句、いつの間にか狭い木の葉で囲まれた土の道を歩いて、その先には女の人。よくよく考えてみたら、変じゃね??それで余裕そうに、「また1週間後に来ればいいか。」って。わけも分からずその土の道に来たんだし、行き方も帰り方も、分からない。つまり、俺は家に帰れるのかってことだ。怖くなってきた。

「帰るの?」

彩月さんに声をかけられた。彩月さんは無表情で真っ直ぐに俺の顔を見ているのに、どこか、悲しそうな顔をしている。俺は帰り方を彩月さんに聞こうと思う。だけど、方向音痴っぽくて、女子に言うなんて、俺のプライドが許さない。…そうだ!閃いた。

「彩月さん。あの隕石、どこに行ったんですか?」

「…どこだろうね。」

彩月さんも知らないようだ。

「二人で、落ちた隕石見に行きません?」

「え???」

彩月さんは、ミニラムネのミニビタCの蓋を指で開けながら、の眉毛を八にして笑った。

「だから、海へ行きましょう。」

俺の家は窓から海が見える。だから、ここら辺の海に行ければ、無事帰れるはずだ。それに、隕石のことも、ちょっと気になる。

しかし、彩月さんはミニラムネを直接口に入れて、ポリポリ噛んだ後、意外な言葉を俺に言った。

「ごめん、無理だな〜…」

フラれた…。彩月さんは、海が嫌いなんだろうか。俺は、海が好きだ。あっちから来る風も、しょっぱい水も、真っ直ぐな水平線を走る船も全部好きだ。

「課題、あるから…」

そっか。課題やらないとだもんな。彩月さんは、俺と違って、真面目で勉強熱心なんだろう。俺は課題は一応出してるけど、そんなにきちんとやったことはない。

「そうですね。ごめんなさい、俺の好奇心なんで。ちゃんと勉強するの…偉いですね。」

ということで、俺は海に行けないので、家に帰ることもできなさそうだ。来た道を戻ればいいかもしれないが、あんな不思議なことがあったんだ。また変な所に行ってしまって、もっと迷子になるかもしれない。あの土の道に行くのは、少しだけ、怖い。

「偉い?」

俺がどう帰るか悩んでいたら、彩月さんは、そう一言放った。それに続いて、

「ちゃんと勉強する人は、偉いの?」

と言われた。

そうだ。そうだよ。ちゃんと勉強する人は、偉くて、いい子なんだ。俺は、偉くもいい子でもない。だって、全然勉強していないんだから。おまけに遊びとゲームをたっぷりやっている。

「はい。勉強する人は、偉い人だと大人は言いますよ。」

大人から言われた。母さんからも父さんからも言われた。先生も言っていた。友達がテストで良い点数を取っていたら、友達は「お母さん喜ぶだろうな」って満足してその紙を持っていた。

「それは嫌だね。」

彩月さんは、意外にもそう言った。彩月さんだって、勉強しているけど。

「大人のおまじないだよね。」

「おまじない…?」

「勉強して、できる子は、将来良い学校に行く。良い学校に行ったら、良いお仕事に就く。良いお仕事に就いたら、お金もたくさん入る。お金がたくさん入ったら、健康的で、良い生活ができる。それだけ。」

…なに当たり前みたいなこと言っているんだろうか。そうだ。その通りだ。成功したら、お金はたくさん入るよ。それで、彩月さんはキリッとした顔で言った。

「ほらね、結局お金なんだよ。」

「お金がたくさん入る仕事に就くことが親にとって偉い子であり、いい子であるんじゃないかな。」

「それで、そのお金がたくさん入る仕事に就いた自分の子供がいれば、そんなに、親自身も困る生活はしないよね。」

「…それの何がおまじないなんですか?」

「大人のさ、『勉強する子は偉い子でありいい子』って子供におまじないをかけておけば、親に褒められて認めてもらうために、そう。偉い子、いい子になるために…子供は頑張る。親にとってそれは、好都合なんだよ。」

「じゃあ、勉強することだけが偉い子じゃないんですか?」

「あったり前よ!」

彩月さんはにっこり笑った。さっきの真面目な顔とは別に。

「じゃあ、いい子ってなんですか?偉い子ってなんですか?」

「私に聞かないでよー。でも、勉強することだけが偉い子なのは違う。これは本当だよ。私ね、自分の好きなことをやって、不思議に感じたことを自分が納得いくまで追求する人が偉いと思うな。」

そうかもしれない。俺はおまじないをかけられていたが、勉強をしなかった。探検とゲームしかしていない。これは、別に悪いことじゃないのかもしれない。「勉強する子だが偉い子じゃない。」そう言った彩月さんは、俺を否定していなくて、嬉しい。それに、これは彩月さんの、本当の気持ちだと思う。

「ここも、不思議な場所ですね。俺、ちょっとここが好き。海も見えるし。」

海へ行きたいな。海にはたくさん不思議なものが詰まっている。だからこそ俺は海が好きだ。海でばしゃばしゃ遊ぶのが大好きだ。

彩月さんは、これを悪いこととは思わない。いい子かもしれないし、偉い子かもしれない。

「いつでも来なよ。」

「いつでも?」

「私もここが大好きだから、ほとんどここにいるよ。」

「じゃあまた明日…来るかもしれないっす。」

「分かった。お好きにどーぞ。」

俺はなぜか土の道の入口へと足を運んだ。駄菓子も二人であっという間に全部食べてしまっていた。ビニール袋は彩月さんがゴミ袋代わりに持っていて、今も使っているから、返してなんて言わなくていいや。彩月さんは何も言わない。だから、きっと帰り道はここであっている。

彩月さんはちょっと小さく俺に手を振った。何も言わずに。だから俺も、小さく手を振った。バイバイは言わない。明日も会えるんだから。

※クラピカのセリフネタあり。もし気づいた人がいたら…仲間だああああ

次回も、二人、会えたらいいね。

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