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2.ふわふわ

こんにちは。Ri-9▼です。

もしかしてだけど、第1話、見てくれてたりしてる?

そしたらすっごい嬉しいです✨

ここら辺からどんどん面白くしていきます。

この本のページを見てくれてありがとうございます。

もうその時点で嬉しいです。

 俺は走り続けた。

「虹とは視覚的なもので、物理的には触れない。」

理科教師の言葉が頭をよぎる。そうだった。虹は目に見えるだけ。近づけないし、触れもしない。

うん。そうだ。だから子供っぽく走るのは…

いや、やめない!

俺は脚を動かすのをやめない。そんなの、誰が決めたんだ!まだ、まだ分かんないし!

俺はどんな事を言われようが、虹の方向と自分の気持ちにだけ真っ直ぐに進んだ。

 昨日は雨が降っていた。水溜まりが所々ある。それを勢いよく踏んで水が跳ねた。黒い学生ズボンが多少濡れたけど、とりあえず今は気にしない。

今はただ、真っ直ぐに虹を追いかけるだけ。お宝を見つけるために、幸せを手に入れるために。俺は人生が少し嫌だった。勉強もできないし、大した才能ないし、すぐ喧嘩するし、弟に優しくねぇし、でもそれでも「お兄ちゃんなんだから」で片付けられるし…。もう散々なんだよ。幸せを手に入れたい…!虹にたどり着きたい!虹を触ってみたい!

走った。俺は走り続けた。

でも流石に俺も気づいた。虹が、見える。

視覚的なもんなんだろ?場所を変えたら見えなくなるんじゃないのか?こんなに走っても虹は見える。俺は驚いた。やっぱ、あの理科教師の話は嘘だったんだ!俺はテンション上がってた。

 そろそろ息が切れてきた。汗もかいていた。

疲れていた時、見たことの無い景色に俺はいた。普通の街並みだ。俺の通学路と変わらない雰囲気。だが、少し古くて汚くて、でも自然が多少あって、少し綺麗な所だった。人は見当たらない。家の壁に名前が分からない葉がびっしりと張り付いていたり、ベランダに長方形の植木鉢があったりする、普通の住宅街。でもどこか別世界みたいな所だった。ま、俺が行ったことのないところは全部別世界だ!そんな気持ちで、いつも冒険してるから。虹を目がけて再び前進。さっきよりは走るスピードは落ちてるけど、ゆっくり別世界を楽しむのもいいものだよな。俺はいつの間にか歩いていた。

 「ここ…どこ?」

 そろそろやばい気がしてきた。あたりは、葉と木しかない。森というほどではない。けど、道幅が狭い!横に動くと葉と枝に当たるし、ホントに狭いなこの道…。大人数だったら、困るだろうな。二人で横に並ぶこともできない。歩いている地面も、コンクリートではなくなっていて、土の道を歩いていた。とりあえず、この狭い一本道をただ道の通りに歩いた。上を見上げたら上も葉と枝で覆われていた。つまり、ここは狭い木のトンネルってわけだ。

明るめの緑の葉が太陽の光を反射している。

昨日雨が降ったこともあってキラキラと宝石のようなエメラルド色の反射が俺を囲んでいた。

綺麗だ。やっぱ自然は綺麗だな。でも、動物の気配が一切しない。あるのは植物だけだった。

俺はずっと歩く。

面白くなってきた。

…カツ

…カツカツ

…カッ、カツカツ

何この音。

シャーペンで何か文字を書いているみたいだ。

誰かいる。

でも、なんで?人や動物の気配はなかった。

なんだろ、もしかしてここ、誰かの家のお庭だったりする?可能性あるぞ。だってこんな綺麗にトンネルになってるわけないし、この土の道も…。

でも、気になる。誰なのか、正体が気になる。

俺が歩くとそのシャーペンの音がどんどん大きく聞こえてくる。近づいてきてるんだ!

…カツカツ。カッ、カツカツカツ…

光が見えてきた。そろそろ出口!

 「え?」

 木で囲まれた緑のトンネルの出口を抜け出すと、

正面に海が見えた。でもここは高いところ。崖の上っぽいな。土の地面。自然に小さく円になっている場所。建物は一切ない。左右を見渡すと木がたくさん。それと、人。

よくある学校の生徒の机と椅子。机は班の形に3つくっついてある。2つの机は向き合っていて、もう1つの机はお誕生日席みたいな感じだ。

その人は向き合っている机に座って、何かノートを書いているみたいだ。集中しているのか、こちらには気づいていない。

女の人。どこの学校か分からない制服。透き通った白い肌。腰より少し上の長さのサラサラな黒い髪。目は前髪で隠れていて、見えなかった。少し、綺麗だった。彼女は、その髪を耳にかけた。

やばい!バレる!

勉強してんのかな…。そうなると俺、邪魔じゃね?!それに、怖いだろ…。なんか申し訳ない。

誰がいるのか分かったことだし、そろそろ帰ろっ…

俺が体を出口に向けた時だ。

「ねぇ。」

?!?!?!?!

彼女が話しかけてきた。それも、ノールックで。

なんだよ、気づいてたのかよ。俺は彼女の方を見る。

あ…

彼女は席を立っていた。その黒い髪は風に靡いていて、前髪もふんわりと動いた。彼女の目が見えた。

綺麗な目だった。俺をずっと見てる。

「す、すいません。勝手に入って。」

とりあえず、謝っとこ。

「ううん。ここは私の場所じゃないよ。私も、勝手に入ってきた側だから。」

彼女はニコッと笑みを浮かべた。その笑みのように、俺も浮かびそうだった。彼女は…なんだろう、オーラかな。ふわふわする。雲の上に乗っちゃいそうなくらい、ふわふわする。

「ところでさ、どうしてこの場所見つけたの?」

俺がふわーっとしているところ、質問してきた。

「あ、俺、テキトーに散歩してたら…。」

「散歩ねぇ〜。君、年いくつ?」

なんだよ、めっちゃ質問してくる…。話もすぐ変えるし。

「…え、14です。」

「私の方が年上じゃん!私、16〜!」

彼女は指でピースした。なんだコイツ。いや、年上に「コイツ」とか言っちゃいけないけど。この方、儚めの見た目と違って、結構陽キャ系なの…?

って、そもそもこの方誰なの?!

なんで、ここにいるの?!

…。でもこういうの待ってたんだよ。面白いぜ。


 俺の目はこの日から変わってくる。

虹を追いかけていたら、謎の場所につき、出会った謎の女子高生は一体、誰なんでしょうか。

これはずっと先に分かると思います。

読んでくれてありがとうございます!

また来週、投稿します。

それまで楽しみに待っていてください。

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