番外編・笑ってはいけない『通夜式』
さて。
次は夫、です。
彼の親許(というか、住んでいた地域一帯)は真言宗のお寺の檀家でしたので、一族郎党・隣近所、皆真言宗、なのだそう。
だから彼は基本、真言宗の葬儀や法要しか知りません。
「木魚、使うん初めて見た」
夫は言います。
彼とて『木魚』という仏具の存在は知っていても、それはドラマやコントで見知った程度。
どうやら真言宗では読経時、リンを鳴らしても木魚は鳴らさない(そもそも木魚という仏具を使わない)のだそう。
そういえば……そうだったかもしれません。
義父の葬儀や法要でも読経の際、木魚は使っていなかったような?
緊張やらなんやらでろくに覚えていませんが。
しかし私の実家は浄土宗、リンと木魚を適宜鳴らしつつ、お経を唱えるのがデフォルト?です。
幼い頃からそれで慣れていますから、私は特に何も感じませんが……。
「なむあみだあ~ なむあみだあ~……」
ぽっく ぽっく ぽっく……
「なむあみだあ~ なむあみだあ~……」
ぽっく ぽっく ぽっく……
「南無…阿弥陀仏」
チーンチーン……
笑いそうになったのだそうです。
おそらく、ドリフのコント(最終的に、死んでいるはずの棺桶の中のおじいちゃんまでが外へ出てきて、てんやわんやになるタイプのコントでしょう)などを連想したのではないでしょうか。
お坊さんが真面目くさって(アタリマエ)
「なむ、あみだぶつ……」
と、渋い声で唱え、真面目くさって(アタリマエ)ぽっくぽっくと、聞きようによっては牧歌的というか間の抜けたというか、そんな音を響かせる、状況。
初めて目の当たりにした人の中には、笑いのツボにハマる人もいるかもしれません。
式中に吹き出さなかっただけ、偉かった、のかもしれませんね(笑)。




