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BlueEarth 〜攻略=世界征服〜  作者: まとかな
氷結都市クリック/フリーズ階層

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81/507

81.防衛戦線異常なし……やっぱあり。

──メアリーside


【第31階層フリーズ:永遠雪原】


「ってなもんでな。下準備が必要すぎるんだよねぃ【ジオマスター】」


4~50はいた魔物の群れを僅か一手で吹き飛ばし、アザリさんは槍を担いで戻ってくる。

【サテライトキャノン】に匹敵するレベルの火力と範囲。しかもただの【スターレイン・スラスト】よね。


「殺す気かー殺すぞ」


「わりーわりー。流石に無事かクローバー」


クローバーが地面から生えてくる。ペットの"スメラギ"で影に潜って回避したのね。

"スメラギ"ちゃんはあんまり会わないけど懐いてくれてるみたいで、頭を寄せてくるので撫でてあげる。

ちなみに"スメラギ"ちゃんはLV140。もしそのまま嚙まれたらあたしは終わり。


「この辺は暫く落ち着くだろうねぃ。余所から流れてくるのをチマチマ狩るとすっかねー」


「了解~。私もでっかい魔法使いたーい」


ルミナスさんとアザリさんはそのまま雪原の奥へ。

あたしとクローバーも後を追うけど、一歩引いて様子見。


「ルミナスが最初に派手にやっちまったからな。この辺にゃ他の奴らはいないぞ。そもそもライズは多分、交戦してないでどっか探索してるだろうし」


「別にライズだけ探してるわけじゃないんですけど。でも確かに、みんな遠くで戦ってるわね。合流は無理かしら」


……懸念点は、さっき聞こえた"ミカンが不参加"という言葉。

まあそう偶然が重なる事はないでしょうね。大丈夫大丈夫。




──◇──




──ドロシーside


【第31階層フリーズ:永遠雪原】


イエロータスクさんとアイコさんと一緒に、雪原に飛ばされました。

周囲に人はいませんが、地平線を埋め尽くしているのは魔物の群れ。これは大変だぁ。


「困ったな。俺ァ【スナイパー】だぜ。うちの姫は"敵対行動ペナルティ"かかって参加できないしなぁ」


「組みませんかイエロータスクさん。アイコさんは最強の前衛で、僕は範囲攻撃できます」


既に多くの冒険者さんが散見されますが……僅か3時間なら、ここで固まる方が得。そういう建前で行けそうです。

本音は【マツバキングダム】の情報収集ですが。イエロータスクさんを"理解"できれば或いは。


「……そうだな。ここは組ませてもらうぜ。よろしくお願いします……っと!」


イエロータスクさんは頭上方向へ閃光弾を発射。弾丸を戦闘用へと変換しながら戦闘準備に入る。


「この辺は明らかに手薄だ。今ので救援要請を出したから、無理なく時間稼ぎをするぞ。

 まずは【かまくら】の"壁班"がデカい壁で魔物を分断するからそれ待ちだ」


流石に長く《拠点防衛戦》に関わっている【マツバキングダム】。もう手順が定型化しているのでしょう。

……今言っても信じてはもらえなさそう。頃合いを見てアドバイスしましょう。




多分今回は3時間じゃ済まないって事。




──◇──




──ゴーストside


【第30階層 氷結都市クリック】

《アイスライク・サプライズモール》B5F

メイド喫茶《萌え萌えQ.E.D.》(経営停止中)


log.

《拠点防衛戦》開始に伴い《アイスライク・サプライズモール》内の冒険者の半数以上が転移。


action:データ収集として単独で残留し情報を収集します。


《アイスライク・サプライズモール》各所にある電光掲示板、広告板は全て《拠点防衛戦》の中継映像に更新されています。


──9:00:《拠点防衛戦》開始。

参加者は参加表明時点で周辺にいる冒険者と共に【第31階層フリーズ:永遠雪原】に転移する。

転移位置はランダムと推測。このシステムに対抗する為に冒険者の分母を増やしている様子。

《拠点防衛戦》参加者へのクーポンなど待遇が良い理由も頷けます。


今回は【マツバキングダム】戦場指揮官であるプリンセス・グレゴリウス、【かまくら】の核であるミカンが不在であるとの報あり。【かまくら】受付にて件に2名と合流し、観察を続ける。


──9:15:【かまくら】メンバーにより壁出現、魔物を12区画に分断。

ミカン曰く「遅すぎです。強度も規模もよわよわです」

【キャッスルビルダー】の築城は構造の理解とイメージが要求され、ただの壁を作る程度で15分もかけるな、との事。


──9:40:マスターの地区にて【象牙の塔】アザリにより区画内の魔物の群れを一掃。

余波で左右の壁を破壊し、3区画が統合される。

クローバーはマスターの防衛を優先目標としている様子。"スメラギ"も常にマスターの傍にいます。

クローバーの内申点5点上昇。現在-45点です。励んで下さい。


──10:10:ドロシー区画、【サテライトキャノン】3度目の発射。

増援部隊の到着によりドロシーは一時撤退。火力を見込まれ、混戦状態のマスター区画へ移動開始。


──11:00:ドロシー移動中、単体で群れを引き留めているリンリンを発見。合流に向かう。




──◇──




──ドロシーside


【第31階層フリーズ:永遠雪原】


区画を移動している最中、明らかに人が居なさすぎる区画を発見。

遠方に見えるは──魔物の群れに囲まれている鎧の人。


「あー、そっちは行かなくていいぞドロシーちゃん。ありゃ"無敵要塞"だ」


「あれリンリンちゃんですか。一人で凄いですね」


アイコさんは昨日会っているそうです。僕は初めて見ましたが……一見するとピンチですが。


「タンク役最強だが火力が無い【フォートレス】。ここでの防衛において右に出るもの無しの怪物だ。

 本来はミカンさんと組んで一区画分の迷路やら城やら作って籠城してんだけど、"無敵要塞"が門に立てば後ろにゃ誰も通さないってんでな。"壁班"が追いついてねぇのか囲まれてるが、まあ死ぬ事はないぞ」


「そうです。行きますよドロシーちゃん。──()()()()()()()()()()()


アイコさんの言葉には違和感があった。

確かに、リンリンさんの性癖については昨晩軽く説明頂きましたけど……。

不審者だから近づくな、とは違いますよね。多分。


──だけど。

ドーランの頃から僕は、ライフルのスコープ越しに何人も観察してきたので……。


「……ごめんなさいアイコさん。少し"理解"しちゃいました。

 そして放っておけなくなりました。こっちに加勢します」


──リンリンさんの心が僕の想像通りなら。

すごく、すごく苦しい事になる。主に僕が。

でもこのままだと()()()()()()()()()()可能性があるから──ちゃんと僕が"理解"しなくちゃ。


アイコさんは困ったように、でも僕のわがままを尊重してくれて。


「……厳しくなったら撤退。約束ですよ?」


「はい。必ず」


僕の仕事、僕の役割。

これまでで最も()()"理解"となるだろう大仕事。かならずやり遂げます。




──◇──




──メアリーside


【第31階層フリーズ:永遠雪原】


《拠点防衛戦》開始より──3時間経過。


最初のアザリさんのやらかし以来、この区画は左右の区画をぶち抜いた巨大な区画となっていて、ずっと混戦状態が続いていた。

セカンドランカー【大賢者】であるルミナスさんの派手な魔法のおかげでかなり抵抗できてるけど、数が多すぎる。

そして何より──


「おい! 3時間経ったろ! ()()()()()()()()んだ!」

「知るか! 意地でも耐えろ! こっちにゃ【象牙の塔】本隊が二人もおられる!」

「だがぶっ通しはキツイ……! ミカンさんの城無しじゃ補給も休憩もできないぞ!」


次々と参加者も倒れてクリックへ転移させられて、どんどんジリ貧になっていく。

普段3時間で終わってるから、そこに慣れてるのね。


「原因はどうせライズよね?」


「だろうなぁ。って事ぁ何かヒントを見つけたって事だな」


ライズの仮説。条件を満たしていないから3時間で《拠点防衛戦》が失敗している説。

つまりは3時間が経過している以上は何らかの方法で条件を満たしたという事よね。

……でも、ライズは知る由も無いけど。ミカンさん不在だと長期戦はできないみたいよ。


「おーい! 7つ先の区画が決壊寸前だ! 増援頼む!」

「んな事言っても間に合うか! 誰か強い人いってくれー!」

「この区画だって限界だー! ルミナスさんバテちまうぞ踏ん張れ地元民!」


うーんぐだぐだ。

これは……無理ね。諦めましょう。




──◇──


《拠点防衛戦》

3時間45分にて、魔物が拠点到達につき強制終了


──◇──




【第30階層 氷結都市クリック】

《アイスライク・サプライズモール》B1F

【かまくら】本部


《拠点防衛戦》が終了して、マツバさんから直々に呼び出しを食らった【夜明けの月】。

数時間ぶりに全員と合流したわ。ゴーストが防衛戦に参加せずにいてくれたから話がスムーズに進んでよかったわ。


【マツバキングダム】はマツバにグレゴリウス、信号機トリオ。

【かまくら】はミカンとリンリン。その他数名の代表者。

【マッドハット】のスズ=シロナさん。他にも知らない人がいっぱい。

アザリさんとルミナスさんと──注目を集めているのは、【真紅道(レッドロード)】団長のグレン。


「さて、色々と興味深いメンバーになっているとは思うが……定例会議を始める」


マツバの言葉にざわめきが鎮まる。まだライズとは詳しい話を聞けてないから、ここからの情報はあたしも初耳。


「まず最初に、今回の《拠点防衛戦》ご苦労だった。【マツバキングダム】として指揮官グレゴリウスの不在はこちらの落ち度だ。申し訳なかった」


「その点ではミカンさんも教育不足を痛感しましたです。今後あのようなぬるい壁を作るようならぼっこぼこですのでメンバーは反省するように」


「「「押忍!」」」


うるさ。


「本件の敗因はそこだけでは無い。通例なら長くても3時間15分程度だった所が、45分を過ぎても勢いが衰えていなかった事だ。我々の敗北で終了したが、まだ続いていた可能性はある。この点は【草の根】に説明願う」


「お任せを。【草の根】ギルドマスターのスワンだ。今回は定期訪問に伺った」


ウルフカットの男装の麗人。綺麗な人ね。黄色い声が挙がっているわ。


「まず第一に私は昨日【夜明けの月】のライズと結婚した」


「してない!」


「間違えた。接触した。それはもう濃密に接触した」


「会って! 話しただけだ! 頼むから本題を頼む」


黄色い悲鳴がただの悲鳴になってるんだけどライズは生きて出られるのかしら。


「わかったよ。それで、かねてよりクリックの《拠点防衛戦》を研究していた我々はライズの知見を重ね、一つの説に達した。

 すなわち、これまでの《拠点防衛戦》は失敗し続けていた、という仮説だね。

 今回の防衛戦が3時間を突破したのは、我々とライズの調査によるものだ」


悲鳴もほどほどに困惑のざわめき。ここまではあたし達も知ってる。

しかしライズに求婚するような変人がいて、それがこんなに美人なんてね。ちょっと腹立つ。


「《拠点防衛戦》にはレイドボスがつきものだ。クリックでは当然、39階層に巣くう【呪氷の叛竜 スフィアーロッド】が相当する。そもあの魔物の群れはスフィアーロッドの手下だが……」


「しかし奴は手下を仕向けるだけで本体は遠い位置にいて届かないというのが通説では?」


「その通りだ。ってか3時間じゃ32階層すら間に合わない。トリガーは別だ」


ライズが登壇。スワンさんの隣に立つ。

スワンさんはライズの腰の手を回す。拒否するライズ。じゃあ肩へと伸ばすスワンさん。そうじゃねぇだろとカットするライズ。




「フリーズ階層にいる中立キャラ"イエティ"。連中と接触する事が第一条件だ。

 クリックの《拠点防衛戦》は、制限時間以内にイエティと合流して最終的にスフィアーロッドを討伐するっていう"護衛任務"だ。

 ……俺の見立てだと最長1週間くらいの超長期イベントになる」



~【夜明けの月】は今日も仲良し⑥~

《クローバーと各メンバーの絡み》


・ライズ

内心では尊敬してる先輩。”楽しむ”事に自分以上に素直だと思っている。

それはそれとして、ファンが自分に向けるのと同じ視線を感じているので"最強"然としている。

大量の弾丸購入に伴う最も太いパトロン。大量の弾丸を強化するラインをルガンダに建設中らしく、もうライズ抜きでは戦えない。

割と趣味が合う。ライズ側が忙しそうなのでよく息抜きに誘う。


・メアリー

我らがギルドマスター!

可愛い妹。気負い過ぎなのでよくちょっかいかける。

……ライズと似すぎだろ、と思っている。

それはそれとして、本質的に真面目なメンバーばかりなので気分転換させてあげたい。


・ゴースト

ある種理想の体現。マジのゲーム内登場人物。

……普通の人間だな、と理解してからは一転してエッチなお姉さんとして扱うことに。

いやなんかみんな見慣れてるけどえっちすぎる。そのくせ割と無垢なので気にかけている。

それはそうと、戦闘でどこまで機械的に対応できるのか興味がある。1F技とか教えてみたい。


・アイコ

えっちなお姉さん。えっちな目で見るとドロシーが怒るけど、無理だよえっちだもん。

高身長筋骨隆々だけど完成された肉体美だよな。結構自分の身体に女性的魅力を感じていないようだがえっちだぞアイコ。言葉にするとセクハラだから黙っておくけど。


・ドロシー

絶対逆らえない。だって内心女性陣の事えっちな目で見てることバレてるから。

いや年中そういう目で見てるわけじゃないけど。ふとした時にみえるうなじとかがイイ……みたいなのはあるだろ。許してくれ。

戦闘的には”理解癖”からくる超集中能力はかなり評価している。ガンナー仲間として割とよく行動する。

それはそれとしてお前もえっちだからな。一人で町中歩くなよ。


・ジョージ

絶対逆らえないその2。ゲームの性能を超越したマニュアル操作をするな。

現実ならいざ知らず、ゲームの世界なら"最強"は譲れない。ほのかなライバル心がある。

それはそれとして女体化への対応力高すぎるだろと思う。

現実時代に番組で共演した事があるが、この人対応力高すぎる。現実部門でボコボコにされた後にゲーム部門で戦ったが、反射神経とかでちょっと負けそうになった。順番に悪意がありすぎる。

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