表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BlueEarth 〜攻略=世界征服〜  作者: まとかな
祝福合奏ゴスペル/チャーチ階層

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

469/507

469.幼き修羅と鬼の子

──◇──




【ギルド決闘】"誇り交わす(デュエル・オブ)決闘裁判(・プロエルメル)"


第三試合


真紅道(レッドロード)

──ヒート&ライター


VS


【夜明けの月】

──ジョージ&ドロシー




──◇──




──ライターはそも【アサシン】の性質上、この手の真っ向勝負には向いておりませんが……やりようはあるであります。

本官が砲撃で撹乱し視界を狭めてからの奇襲。これが最もライターが有利になる戦線なれば。

しかし──相手にはドロシー殿がおります。

こちらとしては散々好き放題ボコボコにされたあの憎きクアドラと同価値。100%【サテライトキャノン】なんて人間が受けていいもんじゃないであります。

要するは10秒。しかし座標は発動時に決めねばなりませぬ。要は10秒同じ場所に居なければよろしい。


……のであらば、楽なのでありますが。


あのドロシー殿、曰く"未来が視える"だのと噂されております。実際明らかに避けたにも関わらず【サテライトキャノン】を喰らったセカンドランカーは数知れず。どのような絡繰か、ともあれあまり移動回避を過信してはなりませぬ。

かといって逃げながら戦うはジョージ殿がおります。女児と化す事でフィジカルに大幅の制限を受けている、はずでありますが……多分あんまり意味無いのであります。爆速で詰められそう。


ともすらば──非常に危険ですが、【サテライトキャノン】を撃てなくするしかありませんな。


「ライター! ジョージから離れるな! ──【フルバースト】!」


先ずは一手。ありったけの弾薬をばら撒き、後衛に控えるドロシーを狙う!

そして10秒を迎える前に()()()()()()()()()! 或いは接近。そうなれば無差別攻撃【サテライトキャノン】はジョージをも襲う、はずであります。


弾幕の中、ジョージとライターが接敵。交戦開始であります──




「さあ暴れようか!"まりも壱号""ぷてら弐号""うらしま参号"!」




──そりゃないでありますよ〜。




──◇──




『……そう言えばジョージさんって【ビーストテイマー】でしたね』


『【夜明けの月】も完全に移動手段としてしか見てなかったようですが、普通に考えてレアエネミー3体ぶん投げてくるのふざけてますよね』


『ふほほ。こと人数制限戦ともなれば数を誤魔化せる魔物使いは有利であるな。とはいえ野生の魔物状態ほどの力は無いでおじゃるが』


『これはもう決まってしまいますかね?』


『いえ、相手は()()ヒートですから。ある種、悪手でしたね。メアリーは』




──◇──




"まりも壱号"──"フォレストテンタクル"。地上戦、直線にしか攻撃出来ない地上戦専用。

"ぷてら弐号"──"メルトドラゴン"。一番の脅威。

空中戦にして物理も魔法も強い。最優先撃破対象。

"うらしま参号"──"バリアシェルターボ"。水空両用。

飛びながら水や風を撃ってくる。アレも撃破対象。


「アンプル投与。殲滅するであります」


地上戦のプロ、【真紅道(レッドロード)】ヒート軍曹。どんな敵でも油断はしない。

冷静に、この戦いに勝ち抜くための術を打診する。


アイテムによって攻撃速度を上昇。手数が必要と判断したためである。

【フルバースト】は手持ちの弾薬を可能な限り撃ち尽くす──が、【フルバースト】の演出時間が終われば止まる。まだ何度か【フルバースト】が出来る程度には弾薬は余っていた。

が、ここからは無造作な乱射が通用する環境ではない。

【コマンダー】の特殊スキル【軍陣展開】により、ヒートはランチャーと設置型ライフルを複数展開。これにより単独で複数相手の自動攻撃が可能となるが、代償として移動が封じられる。

ジョージがライターを抜ければ為す術なく仕留められるし、ドロシーの【サテライトキャノン】も回避出来ない。それでも、今の自分に必要である戦略を優先した。


「【ホーミングバレット】──"焼炎弾"発射であります!」


弾幕は周囲のユニットにある程度任せている。優先すべきは空中を飛ぶ竜──ではなく、地上を走る"まりも壱号"。

あの直進を通せば、こちらは避けられない。"ぷてら弐号""うらしま参号"の遠距離攻撃、及びドロシーが【サテライトキャノン】以外の遠距離攻撃を選んだとして、対遠距離攻撃妨害用の【ジャミングチャフ】は展開済み。


──"まりも壱号"撃破。同時に、10秒経過。




「──98%【サテライトキャノン】!」




光の鉄槌。戦場の中心は粉塵にて見えない。ジョージとライターを纏めて潰す事は無いと判断。

つまり狙いはヒート。そこまで判断出来るからこそ、ヒートは対策を重ねていた。


【サテライトキャノン】は無属性防御無視。だが、軽減は通じる。【ジャミングチャフ】もその中の一つ。


ヒートの頭上に展開するは設置型防御アイテム"ダメージフィルター"は、フィルターを通した攻撃のダメージを軽減する。設置の手間に加えてそのフィルターを通さなくては軽減しないため実用的では無いが──ヒートなら上空に撃ち出す事で即座に展開し、そして【サテライトキャノン】は上空からしか来ない。


──光の柱が撃ち堕とされる。


("ダメージフィルター"3枚重ねても……7割持ってかれるでありますか!)


だが、()()()()()

【サテライトキャノン】発動クールタイムは10秒。次弾発動までに更に10秒。20秒以内に回復し切れるか?

──可能。パッシブアビリティに自動回復をセットした上で、次は"ダメージフィルター"を5枚重ねれば……死にはしない。


「続くは巨竜であります!」


ただ、冷静に。

ヒートはあえてドロシーを放置して、戦線を優位に進めるために動く。




──◇──




──粉塵舞い立つ中、ライターは思案する。

ジョージ──谷川譲二は、間違いなく人類が挑んでいいような相手ではない。女児の肉体となった上で、この圧倒的フィジカル。弱体化とは。


しかしこちらも【真紅道(レッドロード)】の肉弾戦担当。完全な格闘なら勝ち目は無いが、【Blueearth】の格闘ならば話は変わってくる。

転移と高速移動が可能な【アサシン】ならば、ある程度渡り合える……はず。


攻撃を捌かれて関節を締められる──【シャドウダイヴ】で影に転移。

容赦ない目潰し──【Blueearth】なので、そこまでの被害にならない。


やはりジョージは──未だ、現実想定の格闘技術で戦っている。

なればこそ、勝機はある。この世界においては、勝てないなんて事は無い──!




「……ふむ。慣れた」




影からの一手が──弾かれる。

目の前のライターから目を離さず、片足で蹴り外される。


"人類最強"が、初見の敵に対応出来ないはずがない。


「2人に挟まれている……と考えた方がいいね」


「嘘だ。……人類最強は、幻想にも対応できるのか?」


「現実は全て対応してしまったからね。そのくらいしか相手が残っていないよ」


化け物である。

──それでも喰らいつく、格闘家ライター。

それは執着ではなく──戦術。

か細い勝機を逃さないため、1秒でも長くジョージを抑える──




「──96%【サテライトキャノン】!」




何度目かの光。余波は2人にまでは届かない。

脅威的なメタと体内時計を駆使してヒートが光の柱を耐え続けている中──その射手は。




──◇──




──わからない。

ヒートさんが何を考えているのか、わからない。

あのフィルターの存在は、以前の僕なら開始前に気付いていたはずだ。

作戦だって全部理解できたはずだ。


いざ実戦となると、やはり僕の"理解癖"はかなり弱体化(治療)されてしまっていると実感できる。

それを【夜明けの月】の皆さんが、メアリーさんが、ライズさんが望んでいるとしても──僕だけは、それを認める訳にはいかない!


ライズさんはこの"理解癖"が無かったとしてもクアドラさんに並べると信じてくれている。でも、今の僕にはそのビジョンが見えない。

あの【真紅道(レッドロード)】を相手に、こんな状態で戦うなんて──。




「隙あり! 【デッドリーショット】!」




──黒雷が戦場の空を貫く。

ヒートさんは、銃火器だけでなく両手銃の達人でもある。

一瞬、思考が──


「──【アステラ・ピット】!」


ピットに衝突させるも、勢いは殺しきれず──【デッドリーショット】は僕の肩を貫く。

──油断した。してはならない油断だ。

もう"ぷてら弐号"も"うらしま参号"も撃墜されたのだから、そっちに回っていた攻撃がこっちに来てもおかしくないというのに──!


「くっ、狙撃に移行します!」


両手銃【天使と悪魔の螺旋階段(ドミニオン・シェイド)】を構える。ここからは、両手銃同士の──


──いや、届かない。

【コマンダー】の自動砲撃がこっちを向いている。

ただの撃ち合いなら、僕が止められるのはヒートさんの両手銃まで。ほかの砲撃までは──


「──【フラッシュショット】!」


避けきれない。それでも──今やるべき事は!




──◇──




「──【デッドリーショット】」


ドロシー殿、撃沈。困難な相手でありました。

まさか砲撃を躱しながら──本官ではなく、周囲の展開ユニットを壊すとは。

とはいえ、一手分は本官が上手とさせて頂きましょう。


途中、明らかに動きが悪くなっていましたが……そこからの猛攻は、本官も少々怯みました。

こちらの攻撃を全て理解した上で、避けずに的確にユニットを壊すその姿は──小柄ながらも、恐ろしい。


これは……【真紅道(レッドロード)】としての勝利ですが、本官としては負けた気分になってしまいます。


「──しかし、勝ちは勝ち。これにて閉幕──【フルバースト】!」


流石の人類最強と言えど、相対できるライターとの交戦中に避け切る事は出来ませぬ。

無慈悲ですが、これにて。


「──【飛翔剣】」


「え」


胸に突き刺さる、赤と紫の剣──ジョージ殿の愛剣【ヴィオ・ラ・カメリア】。

──まさか。ジョージ殿、まさかライターを──!


「いやはや、情け無い。だがドロシー君が繋げてくれたんだ。大人が応えなければね」


爆撃の雨の中──ジョージ殿は、笑っていた。

脚元には……ライター。あと僅か、及ばずか。


……いや。間に合わなかったのは本官の方でありますな。





──◇──




【ギルド決闘】"誇り交わす(デュエル・オブ)決闘裁判(・プロエルメル)"




第三試合──引き分け




──◇──

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ