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BlueEarth 〜攻略=世界征服〜  作者: まとかな
大樹都市ドーラン/フォレスト階層
36/507

36.筋肉頂上決戦

四方の塔タワー・オブ・スクエア


こんにちわ。スレーティーです。


開幕しました【朝露連合】と【鶴亀連合】の【ギルド決闘】《四方の塔タワー・オブ・スクエア》。

カメヤマかメアリーが倒れれば終了となります。

北の塔には【鶴亀連合】総店長カメヤマ。虎の子の【飢餓の爪傭兵団】サティスを連れて動かず。

西の塔にはハゼ率いるギルド連合。こちらはじんわりと南塔へ進軍を開始しました。

東の塔にはシラサギ率いる筋肉部隊。こちらは開幕と同時に全軍で南塔は進軍!

南の塔【朝露連合】はそれを受ける形で東塔シラサギ軍へ突撃!

戦場は1kmの南東通路にて繰り広げられます!




──◇──




──筋肉質の前衛達がぶつかり合う。

ラグビーとかで見たことあるわね。迫力が段違いだけど。


お互いにウォリアー系の前衛で固め、突進技(チャージ)で正面衝突。威力拮抗により相殺され、前線は完全に団子となる。


「じゃあ、後は頼んだわよ」


「おう。任せとけ」


【朝露連合】きっての力自慢ベルグリンを後方に待機させた理由。

──ベルグリンがライズに向けて走り出す!


「合わせろよライズ! マニュアル操作はそう簡単ではない!」


「勿論だ。期待してるぜ筋肉馬鹿!」


ベルグリンの大きな拳に合わせて──ライズはジャンプする。


「ナイスタイミングだ!」


拳にライズの足が乗り──


「──行ってこい!」


──思いっきり、()()()()()()()()()


「何ッ!?」


がっちり固まった団子状態のシラサギ軍のやや後方まで飛んでいくライズ。

──そしてライズに抱えられた、ベル。


「頼むわよライズ」


「任せとけって。【スイッチ】──【簒奪者の愛(ゲットバッカ―)】!」


色取り取りの財宝が散りばめられた黄金の短剣──ライズの一つ目の武器。


()()()()()()()()()()()()! 【武器旋回(サークル)】!」


「ッ──させませんっ!」


スキルによる短剣の旋回攻撃。

受け止めるはシラサギ。体格差でライズを食い止め、スキルを中断させる。中断!?


「ぬぬぬ……せぇい!」


「うおっ」


そのまま持ち上げ──ライズを東方向へ投げ飛ばす!


「さあ、来ますか?」


「……いや、見逃してやる。俺の仲間達と遊んでな!」


「はよ行くわよライズ。だっこ」


着地と同時に離れていたベルと合流して、そのまま東塔へ走り抜けるライズとベル。


──第一関門突破!


「おっけ、通ったわ! 速攻撃破!」


「んむ。ライズは通った! 追わせるな! 後方部隊!背を向ける輩は撃ち抜け!」


「【ダイナマイツ】! へばってんじゃねェぞ! 気合い爆発してけェ!」


あたしの声をベルグリンとボンバさんが拡声してくれる。

助かる。……けど、そろそろあたし一人でなんとかしないとね。


──現在の布陣。

最前衛に【ダイナマイツ】【草原の牙】、アイコさんとグレッグさん──筋肉部隊を配置。質量によるロードローラー作戦だけど、今回は相手も同じ狙いだったわね。

手間が省けただけだけど。こっちの前衛を受けて戦場が団子になったら、ライズとベルを投げ飛ばして無理矢理二人を通す予定だったから。

中衛にサポーター。ベルグリンとボンバはまだ指揮官として温存。

後衛にはあたしとドロシー、ゴースト。

──ゴーストの立ち位置もそろそろ確定するわね。




──◇──




──《シラサギ陣営》後衛


やられました。

カメヤマさんに叩き込まれたライズさんの武器一覧。あれは【簒奪者の愛(ゲットバッカ―)】。

【スイッチヒッター】もまたローグ系。通常攻撃に《窃盗》が発生する。

ライズさんの狙いは──


──『()()()()()アイテム譲渡の禁止』

──『武器は1人3種まで』


インベントリを確認する。

私の槌装備【筋肉番付(マッスルダンベル)】が無い。


──相手から盗む事で、武器を増やす狙いか!


ベルグリン(絶対的筋肉)の力なら、私すら追い越して飛ばす事も出来た筈。わざと少し手前に着弾させ、武器を奪って北塔へ向かう作戦ですね。


「被害は最小。元より例外(ライズ)例外(サティス)で抑える工程(ダイヤ)です!」


標的(メアリー)までの距離は、まだ遠い。()()()()()はまだ使えませんね。

しかし後方にいるのならハゼ部隊が叩きやすい!


「──なんだ? 動きが無い──」


──驚愕(筋肉)

最前衛の戦士(筋肉)達が──流されている?


そこに立つ(筋肉)は──アイコ(美しい筋肉)


我が筋肉部隊が、次々と流されて行く。

挑むも全て、左右へ受け流される。

あの技術(筋肉)は何だ? どうやって全ての攻撃(筋肉)を受け流しているんだ──?




──◇──




──【朝露連合】最前線


「次回します!」


相手の攻撃。刃にはダメージ判定があるので、手首を狙って──合気で受け流す。


「アイコちゃん! 大丈夫なの?」


「いけます。皆さんは処理を」


スキルも攻撃も、体格差で発生を潰す事は可能。

合気や柔術で相手の動きそのものを流せばダメージすら受けずに済む。

私なら2人までなら対応できる。流した先は前衛職の皆さんで、起き上がるまで攻撃のチャンス。……少々外聞が悪くなりますが。


「何で……攻撃が、通らない!?」


「通常攻撃やスキルによる自動行動でも、しっかりと筋肉の動きは反映されているようですね。ならば見てから対処可能です」


完全に無傷とはいきません。多少はダメージをくらってしまう。

バトルシスターのアビリティ【祈りの呼吸】による継続回復で補っていますが、それもどこまでいけるか。

何より、ここで長期戦をしては計画が崩れます。




「アイコちゃん、正面!」


「──っ!」


いつの間にか正面まで迫っていたのは、敵軍司令塔シラサギさん。この私に並ぶか勝るかといった体格です。

シラサギさんは武器を持たず素手で襲いかかってきました。その両手を掴み受け流そうとしましたが──動かない。


「……やはり筋力(筋肉)差、重量(筋肉)では私の方が優位のようですね」


「……っ、そこをカバーするのが技術です」


「いいえ技術など不要。圧倒的体格(筋肉)、圧倒的重量(筋肉)、圧倒的質量(筋肉)の前では!

 いつだって、数字の大きい方が勝つのです!」


──体格勝負で苦戦するとは。

シラサギさんの筋肉は美しく、大きすぎる。恐らくは何かを成すための筋肉では無く、筋肉で魅せる事自体を目的とした鍛え方。ボディビルダーだったのでしょうか。

単純な重量が違います。私はあくまでスポーツの為に付けた筋肉。機能性重視での軽量も考えてあります。

シラサギさんにはそれが無い。ただ圧倒的な数字の差で押し潰しに来ている──!


「アイコさんさえ封じれば真っ当な前線勝負(筋肉比べ)です! 皆さんお願いします!」


たかが100kg200kg程度の重量なら何とかなりますが……重いっ……!


グレッグさんは1人で立ち回って耐えているけど、攻め手が足りない。


このままでは──




「見るに耐えん」




──私の後ろから伸ばされた手が、シラサギさんの腕を掴む。


「やれ技術だの。どっちが優位だのなんだのと、ごちゃごちゃと」


握力。筋力。体格。骨格。

全てにおいて、この現場で最も優れている人──


「漢ならば! 結果で語れ!」


──ベルグリンさんが、シラサギさんを持ち上げた!


「あなたは──ベルグリン(圧倒的筋肉)!」


「数字で語るならば全て! 俺の下位であろうよ!

 筋肉で語れ、小僧共! ぬぅえぇい!!」


足が浮いたシラサギさんをそのまま投げ飛ばす!

シラサギさんは即座に受け身をとったためすぐ復帰しましたが、おかげで解放されました。


「筋肉馬鹿共が。折角の《二ツ牙》が台無しだ。

 力比べなら受けてたとう。本物の筋肉を魅せてやろう!」




──◇──




なんで武器捨てて戦ってんのあいつら。

武器捨てたら拾えないルール忘れてるわよね?


……ともかく、前線は予想外の流れになったわ。

前衛同時のぶつかり合いは、アイコを先頭にした槍型の陣形へ。正面から来る敵を左右に受け流し、体勢を崩した敵を前線組で袋叩きにする。こっちが優位になった。


要のアイコを狙ったシラサギも、ライズ射出の大役を終えたベルグリンが抑えた。これならこっちの消費を抑えて戦えるけど──


──うん。時間かかりすぎね。


「ドロシー。()()()()()?」


「はい。いけます」


「おっけ。じゃあゴースト。プランBよ。お願いね」


「consent:」


敵もタフだし、こっちもタフ。

ならここから動かない方がいいわ。唯一の課題は、後方からの敵。


「お任せ下さい。マスター」


──ゴースト単騎で、西のハゼ軍を食い止めてもらう。


ゴーストは走った。

こんな酷い命令をしたあたしに文句一つ言わず。


カメヤマのズルが、あたしの考えているものだとしたら──あたしとシラサギの距離を間違えたら、その瞬間おしまい。


一手間違えたら終わりよ。全力で考えなさい、あたし!




──◇──




──東塔(シラサギ軍開始位置)


ライズ・ベル到着──そのまま北東通路へ。


「成功した? 《窃盗》」


「ああ。でもダメだ【筋肉番付(マッスルダンベル)】重すぎて使えん。装備補正あっても重いってどういう事だよ」


「捨てたら」


「これはこれで【武器旋回(サークル)】で使えるからキープ。とりあえずスロットに登録して……と」


北東通路には数名の冒険者。

流石に北東通路にツッパできる根性は無いな。


「盗り放題とは豪勢だな」


「両手空ける必要あるわね。おんぶ」


「はい」


ベルを背に乗せ、いざ。


「我らが尊敬するサティス様の手を煩わせるまでもない! 次期サムライギルド予備軍【源五郎】参る!」


──それなりの刀4本ゲット。


「二足歩行には興味ないわ! 異形大好き【腐リ蝦蟇】がアンタを潰して報酬ゲットよ!」


──安物の片手剣と槍。しょっぱいな。


「俺たちは【神切(カマキリ)】。ゆくゆくはPKギルドになる闇を望む者!」


──悪くない斧だが呪われてるな。いらね。


「今何人目だ?」


「これで18人ね」


それなりだな。多分30人くらいは削れるか。


「──嫌な顔が見えてきたわ」


ベルの言葉に、正面を見る。

北の塔に待ち構えるはカメヤマ。そして──サティス。


「こっからは降りるわ。ライズ。

 私が殴る分は残してよね」


「善処する。手加減の通じる相手じゃないけどな」


一歩。

北塔に踏み入れた、その瞬間。

……つまりは半径50m。




「──射程範囲だ」




風と共に巻き立つ蒼き刃。空を斬り、風を散らす斬撃の極地。

即ち神速の抜刀術。刀の専用スキルにして、【サムライ】で極まるスキル。

僅か1秒で、俺の眼前まで風の刃が届く。




「──【虚空一閃】」




「【スイッチ】──【煉獄の闔(ケイオス・エイギス)】!」


二つ目の装備を呼び出し、風の余波を耐える。

──悪手だった。

大盾で塞がれた視界は、サティスが移動した距離を測れない。

既に眼前10mまで来たサムライは、二の太刀を放つ。

振り切った刃を反転させ、初撃の再現。完全なる逆再生。

それは【サムライ】専用の刀スキル。




「──【燕返し】!」




返す刀で【虚空一閃】が遅い来る──。

~ジョブ紹介【ヴァイキング】~

《寄稿:【真紅道】バーナード》


今回は……コミュニケーション能力の増強として、【真紅道】バーナードが寄稿させて頂く……。


ウォリアー系第3職【ヴァイキング】……。

《大砲》を銃扱いで装備する……近距離・中距離のジョブだ。

適正装備は片手剣、両手剣、片手斧、両手斧、短剣、片手銃、両手銃、大砲。

……重火器と斬撃武器だ……。

ローグ系ではないが《窃盗》を可能とするスキルを持つ……。

大砲による中距離砲撃は、近接戦において重要となる……。

近接系が接近する前に一撃入れて、近接戦を自らの優位に働かせる……。

……うん。逃げる相手への追撃にも使える。

【グラディエイター】経験者なら……すんなり使えるだろう。と思う。


・《アビリティ》

《二刀の極意:海賊》

銃と斬撃武器の二刀流が可能だ。……ついでに大砲も装備できる。

……大砲は腰に背負う特殊な両手銃だ。大砲使用状態と、所持武器使用状態を切り替えて戦う事になる。

切り替えに一瞬の隙が生まれる。基本的には近接戦まで持ち込んだら切り替える余裕はない……。


《蹂躙宣言》

相手に存在を認識されているとステータスが上昇する。……ターゲットにされると更に上昇する。

……逆に不意打ちなどの認識外の行動には下降補正が入る。正面切って蹂躙するは海賊の流儀という事か……。

……別に不意打ちする時は外せばいいのだが。着脱可能アビリティなので……。


・スキル

【ドロップアンカー】

空中へ飛び出し、大砲による砲弾の雨を降らせて出口を塞ぎ……大きな錨を落とす。

最初の砲弾の雨の段階で回避されると肝心要の錨が当たらない……。

……大振りの攻撃に対し空中へ回避し、そのまま決める。カウンター戦法が有効だ……。


【|海賊流儀《マーシャル:パイレーツ》】

……武器、大砲、近くのアイテム、足元の土や水……なんでも使った一心不乱の連続攻撃だ。

ほぼ通常攻撃だが……臨機応変な動きにも攻撃の補正が乗ると考えた方が早いか……。

この攻撃には《窃盗》属性がついており……確率はそれなりだが、あって損はない。

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