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Episode 1 復讐の日


~語り手~











…やぁ、また僕の話を聞きに来てくれたのかい?








それじゃぁ今日は僕が君に伝えたいお話をしよう。


これは今から昔…そうだね、500年ぐらい昔の話だ。









この世界はこの時、壊滅状態に陥っていたんだ。


ある時から突然現れた謎の軍勢とそれに対抗するべく結成された軍勢との戦争。

前者を「破壊軍」

後者を「平和軍」

と呼んだ。


両軍には決定的な違いがあってね、前者の破壊軍は、ただ世界を破壊しつくす軍勢だった。けど、彼らには”心”というものが一切無かったと言われている。

どんなことをしても何も感じない。

本来ならば死んでしまうような大怪我をしても痛みも感じないから何度でも立ち上がり、襲ってくる。


身体がちぎれても、その魂が失われない限り何度でも立ち上がる…恐怖もない。



平和軍は、破壊軍を殲滅すべく、結成された軍勢だ。

破壊軍と違って心のある平和軍は、どう戦っても劣勢になるのは目に見えていた。


心のある平和軍。

それは恐怖、痛み、そういうったものを感じるということだからね、戦いから逃げる者もいれば、自ら死を選ぶ者も居たわけだ。


ヒトの心っていうのは簡単に壊れてしまうんだ。

だからこそ平和軍は段々その肩書を失って、一般市民をも巻き込んでしまうような戦いを平然と行うような軍隊へと成り下がってしまった。


かつてもっと昔、何度も繰り返されてきた戦いの中でも、仲間内の争いが最も多かったのはこの時だと僕は考えているよ。




…そうだね、ずっと劣勢だったのにどうして今この時代は争いが無いのかって話だね。


つまり戦いは終わったってことだね、平和軍の勝利で…


ではどうして破壊軍を倒すことが出来たのか。






よいしょ…








これはね、戦いの終盤戦のことが記された古文書なんだけど…








(コンコン)



おや?誰か来たみたいだね…ごめんね、今日はここまでにしよう。


えっ?もっと知りたい?




じゃぁこの古文書を貸してあげる。

興味があれば続きを貸すよ。


この古文書にはこの戦いの運命を大きく変えることになった、一人の竜人と、その仲間たちのことが描かれているよ、

君にはこの古文書に出てくる竜人のことがどう映るかな…?











さぁ、今日はもうお帰り。

また明日ね。


---------------------------------------


~怠惰~







…君は…何をしたか分かってるのか…?




(あぁ、もちろんだ。)



じゃぁどうして…!






(どうしてもこうしても無い。俺は疲れた。もう終わりにしたいんだよ。)






だからってこんな…!




(酷いことだと思うか?けどこれ以上犠牲を出さないための処置だと思え。)






…君は…本当に滅びを求めているのか…?





(…うっせぇな。もう帰れよお前。自分の世界が一番やばいってのに俺の世界を気にしてる場合かよ。)






まだ希望は残ってる。僕はそれを知っている。

まだ終わりじゃない。









(…俺だって諦めずに頑張ってた時ぐらいあったさ。)


---------------------------------------


Episode 1 復讐の日











かつて世界は何度も戦いを繰り広げてきた、その理由は様々ではあるが、何度も戦いが行われ、何度もヒトが死に、戦いが終わるとヒトは増え、そして忘れたころにまた戦いが起こった。




それを何度も何度も繰り返してきた。


これが何回目になるだろう。



謎の軍勢、破壊軍が現れてから数百年。

平和軍が結成されて数十年。



世界はすでにほとんどを破壊軍に奪われていた。


世界の7~8割を失った平和軍は徐々に追いやられ、治安も段々と悪化していた。


世界の存在する種族は、人間、獣人、竜人、ドラゴンの4種族が暮らすこの世界。

その4種族が力を合わせても劣勢に陥られる。

破壊軍とはそれほど強いのだ。





そしてこの戦争を終わらせるきっかけになる出来事が、この時代の辺りで起こったと言われている。



それはこの世界の遥か北の地。


誰も近寄らない大きな氷山の中腹。

雪の積もらない、少し不思議な地があった。


世界から隔離されたその地には小さな村があり、未だ破壊軍の手は加われておらず、人々はいつ襲われるか分からない不安を胸に抱いたまま暮らしていた。



そして、そこで暮らすある竜人の青年…この青年こそが、この戦いを終わらせるきっかけを作り、そしてこの戦いを終わらせた…と古文書には記されていた…



この村の住民はわずか30人ほどの小さな村で、主に農業で自給自足の生活を行い、村人同士で助け合いながら暮らしていた…





その村のはずれにある小さな祠がある。

そこはかつて昔、不思議な力が封印された場所だと言われている。

この時から1200年程昔だと言われている。


当時の人の話によれば、突然白い光と黒い光が祠から飛び出し、やがてそれが祠を包むように覆ったと言う。

生き証人はもういないのであくまでも噂での話でしかないわけだが…





そんな小さな村からこの古文書は始まっている。














「ただいま、母さん。」


村にある家の1つ。木でつくられた小さな1階建ての家だ。


「お帰りグロスト、今日は何処まで行ってたのかしら?」


扉を開けて帰ってきたのは、竜人のグロスト、この当時、31歳、人間で換算すると10歳~15歳。


黄色い肌に赤く短めの髪。灰色の角にまだまだ小さな羽に小さな尻尾。

まだまだ幼さの見える竜人。

まだまだ育ちざかり。人間で言う青年になる頃の時期だ。




竜人、ドラゴンは人間や獣人と違い、精神の成長が若干早いと言われている。

この年になると竜人やドラゴンはすでに大人と同じぐらいの精神を持っている。




「今日は村の外れで綺麗な花を見つけたんだ、母さんにとても似合っていると思って。」


「まぁ、素敵な花!でも外れまで行くのは感心しないわね。」

「ご、ごめん…けど、どうしてもこれを母さんに見て欲しくて。それに俺だってもう魔法も使えるし、へっちゃらだ。」


グロストは母と2人暮らし。

父は昔、破壊軍と戦うための平和軍兵士として駆り出され、戦死した。


グロストは雷の魔法が使える。

まだ弱い力だ。この世界の住民は簡単な魔法ならば使うことが出来る。

勿論個々で使える力は変わるが、グロストの場合は雷の力を使うことが出来る体質のようだ。


「でもありがとうね、グロスト、あなたは本当に良い子に育ったわ。」


グロストの母はグロストの頭を優しく撫でた。

この暖かい手がグロストは大好きだった。


まだ青年とはいえ、母のぬくもりが欲しい年。


グロストに居る身内は母しか居ない。

彼は強くなって母を守ってやりたいと強く願っていた。



平和な暮らし。

だがその平和な暮らしも、長くは続かない。



この後に起こった惨劇を誰も予想はしていなかった。








それから間もなく、それは起こるのだった。









ガタガタガタ…



小さく揺れる地。

「あら…地震…?」


「えっ?」


段々と強くなる地震だが…


大きな揺れが一瞬だけ起こる。


「な、何だ…!?」

「まさかこれは…」



地震による揺れでは無い。

すぐに確信した母はある不安をよぎった。


すぐに母は深刻な顔に変わり、グロストも身体を自身によせ、言う。


「ついにここまで来たのね…!」


「えっ…まさか…!」


「逃げるのよ、グロスト!」






母はグロストの手を掴み家の入口のドアノブを掴んだ。






「破壊軍が来てしまった…!」




外は赤い空で覆われていた。


赤く燃え盛る火がこの空を赤く染めているのだ。

火の手は既にすぐそこまで来ていた。


この時点で何人かも住民の焼死体が見つかった。


「…!なんてこと…!グロストこっち!」


村の人々も避難を始めていた。


奴らは容赦が無い、ただ目の前にあるものを破壊しつくだけの軍勢だ。

母の引く手だけを頼りにグロストも走った。


後ろから歩いてくる鎧をまとった兵士…破壊軍だ。


どの兵士も全身に鎧をまとっていて、顔からは赤い光が見える。

中に居る種族すらも分からない。


ただグロストは思った。

本当にあの軍勢は心が無いのだと。

まだ未熟な青年である彼でさえも分かった。危険だと。


飛び交う火の粉や飛んでくる武器を交わしながら走る村人たち。

次々と村人がやられて行く…


飛んでくる武器に身体を貫通されて力尽きる村人…

燃え盛る炎の柱に潰され、燃えていく村人…


「う…うわあああ!!?」

人が死んでいく様を目撃してグロストは脅えた。

母はグロストを連れて行くことが精一杯で周りを見渡す余裕が無かった。


「はぁ…ハァ…」


「っ…母さん…もう…駄目…」

走り続けて走れないと主張するグロスト。

「しっかり、殺されるわよ…!」

母もグロストを説得するが、母の体力ももう限界。


このままだと破壊軍に自分たちも殺されてしまう…

ここか村のはずれ。

このまま村を降りて反対側に降りなくてはならない。

ここは雪の影響も特に受けない場所だが、いざ村を離れると猛吹雪を超えなくてはならない。

そのような体力は2人にはもう残っていない。


「…あれ…!」

母は村の外れにあるという祠を見つけた、かつて封印された場所だが、もはやこだわってはいられなかった。


破壊軍はすぐそこまで来ているのだから。


「あそこに隠れましょう…!」

「あ、あぁ…」


祠の扉を力を合わせて開ける2人。

何千年も昔の祠だから固く閉ざされていたが、なんとか開けることに成功。

「さぁグロスト。」

母が先にグロストを入らせようとした、その瞬間だった。




「わああっ!?」


ドオオオオ!と大きな音を立てて爆風が起こった。

凄まじい熱気と爆風に襲われ、グロストは祠の中へと吹っ飛ばされた。


入ってすぐの階段へごろごろと転がり、台座に激突するグロスト。

身体を震わせながらも上を見上げる。

入口の光のそばに母が居るのを確認した。


「母さん!」


大きな声で母を呼びながらグロストは階段をかけあがる。


「か、母さん?」


振り返ろうとしない母。

薄暗くてよく見えない。


「母さん、母さん…?」



母の近くまで来るその時だった。







ペシャッ





「…え…?」





何かがグロストの顔に付着した。


鉄の臭い。

それは血だった。

真っ赤に染まる血がグロストの顔に付着したのだ。



「あ、ああああああああああああああああ!!!」


母の血だ。


母の身体は何か鋭利のようなもので貫かれていたのだ。


すぐそばには破壊軍の兵士。

爆風の中を走り抜けてきて、母の腹を突き刺したのだ。


「うわああああ!!やめろおおお!!」

グロストは雷魔法を破壊軍に放つ。弱い力だが、小さな雷が破壊軍に命中した。



「…」

しかし破壊軍にはびくともしない。

更に鋭利を深く突き刺す破壊軍兵士。


「やめろっ!やめろっ!やめろって言ってるだろっ!!」

グロストは魔法を何発も放つ。だが破壊軍兵士はやめようともしない。

グロストは母を抱えた。何度も訴えるが破壊軍は聞く耳が無い。


「…だ…め…」


「えっ…?」



ドンッと突き飛ばす音。


母がグロストを階段から突き落としたのだ。


「グロスト…生きなさい…!」


「母さん!?」


「ああああああ…!」


母は最期の力を振り絞り破壊軍兵士を出口まで押し出し…


扉を閉めた。


その後すぐに






グシャ



無残な音が祠に大きく響いた…






「…」


もうどのぐらい時間が経っただろう…

扉が閉まってから、カンカンと鳴り響く音以外何も聞こえない。


恐らく破壊軍兵士が扉を剣で開けようとしているのだろう。


辺りは真っ暗で何も分からない。

自分の身体に付着する母の血とその臭い…


グロストは蹲った。

いつ扉が壊されるかも分からない。殺される…恐怖がグロストを襲う。


「…母さんが死んだ…村も無い…俺…どうすれば良いんだよ…」



平和な時間をわずかな時間で壊された。

生きている心地などこれっぽっちも無かった。





あれから3日



恐ろしいことに、破壊軍の兵士は未だに扉を壊そうと剣を叩き続けている。

グロスト自身も酷く衰弱し、限界を感じていた。


「…」(もう…駄目だ…俺……死ぬのか…)



見えない暗闇で、母の姿を思い浮かぶグロスト。

そしてそれが炎に包まれて殺されるビジョン…


「…母さん…破壊軍…め……許せない…許せない……」


悲しみはやがて憎しみに変わっていった。



「力…あいつらをぶっ殺せるような力が…欲しい…!」



憎しみに覆われるグロストの心。

その心に反応するかのように、祠で変化が訪れた。







(…力が欲しいか?)


「誰だ…?」



どこからか声が聞こえる。

男性の声だ。


(ここですよ。)



今度は女性の声



祠の中心にあった台座の中心から光が現れた。


黒い光と白い光が渦巻くように現れる。

その光で祠の中は照らされた。



台座の前には白骨遺体がバラバラになっていた。

それ以外は何の変哲もないただの祠のようだ。




「…これは…一体…俺は夢を見ているのか…?」


(なんだ子供じゃねぇか、誰か来たって言うから久々に起きたのに。)

(こら、そんなこと言わない。)



二つの光は親しげに会話する。


(ま、良い。お前、力が欲しいと言ったな?)

黒い光が点滅光になって言う。

どうやら喋るときに光が点滅光になるらしい。


「…言った……」

グロストは小さな声で言う。



(…もしもだ、お前に俺たちが力を与えてやろうって言ったらどうする…?)


黒い光はグロストに言う。


「力を…?って…あんたら何者だ…」

グロストは光たちに問いかける。


(私は”全てを白く塗りつぶす光の力”を宿す者です。)

白い光が言う。


(俺は”全てを闇に包む力”を宿す者…)

黒い光も言う。


「…光…?闇…?」


(私たちはずっとここで眠っていました。ここに現れる人を待ちながら。)

(で、待ってたらお前が来た。)


「…」

言っていることがよく分からないグロストだったが、自分の声に反応して現れたのだと理解した。



(さて、再度問うぞ。力が欲しいか…?)

黒い光は再度グロストに問いかけた。


「…その力があれば…俺は強くなれるのか…?母さんを殺したあの破壊軍をぶっ殺せるぐらい…強くなれるのか…?」


(それはあなた次第です。私の光と彼の闇、この双方の力を持てば間違いなく最強の力を手にすることが出来るでしょう。)

白い光が言う。

(だがこの2つの力は相容れる者では無い。だがそれを使いこなすことが出来れば光が言うように、最強の力を得るだろうな。)


「最強の…力…それを手に出来れば…!」


力を得ること。

それは相応のリスクを背負う…ということ。


(力を制御出来なければお前自身が暴走し、痛み、苦しみを味わうこととなる、下手をすれば死んでしまう。それでもお前はこの力を求めるか?)


「…フッ…ハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」

グロストは大きく笑った。

そしてニヤリと笑った。




かつての優しいグロストはもう消えていた。


その目は狂気の沙汰では無い程に鋭い目をしていた。



「俺は自身が傷つこうが構わない!死んだらそれでいい!だが俺がもしこの力を得たらこの力を復讐の為だけに使うぞ!?それでも良いのか?」


(…好きにしな。)

(ええ、私たちは貴方を信じます。)


双方の光は同意をした。


「なら…お前たちの力を…俺によこせ!」


(決まりだな、では契約開始だ。)

(さぁ、相容れぬ力を望む勇気あるあなたの名前を教えて。)


「…俺の名前はグロスト!光と闇の力を…求めし者だっ!!」


(いいだろう、グロスト!この力預けるぜ。)

(あなたがこの力を上手く制御出来ることを祈ります。)


二つの光は強い輝きを放つ。

その光がグロストの体内へと入って行く。



光はひとひかり残すことなく彼の身体に入っていく…


「グ…ッ…アアアアア…」


最後のひとひかりが入った瞬間、グロストの身体に激しい激痛が襲った。


「ア”ア”ッ…!!ア”…ガア”!!」

身体から白い光を纏った雷と、黒い光を纏った雷がグロストの体外へと放出される。


「グッ、ガッ!…ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”…グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

放出される雷と死ぬほど激しい激痛でグロストは地をはいずり、壁越しでもがいた。

あちこちの皮膚が破裂し血が噴き出す。


意識を失いかけることが何度もありながらもその激痛に耐える。

いや、意識を失うことも許されないほどの激痛なのだ。


身体をバラバラに引き裂かれるような痛み。

体外へ放出する雷も段々と威力を増していく。

この時点ですでにグロストが放てる雷の量を大きく超えていた。


眠っていた魔力も全て一気に解放してしまったいたのだ。


「グウウウウ…ッ…マケル…モノカアアアア……!」


白目を向いてしまう程に激しい激痛の中グロストは意識を維持。


何度も引き裂かれるような痛みを堪え



そして。



「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


体内に眠る力が全て目覚め…






全てを灰へと変えた







暴発したその力は祠だけではなく、その一帯を滅ぼした。



外に居た破壊軍兵士も、己の母の遺体も。

村も。


山さえも滅ぼした。




残ったのは祠があった場所…

そこで倒れていたグロストだけだった。



「………」




風がグロストの髪をなびき、それで目をゆっくりと開けたグロスト。


「…これは…」

周りはもはや灰になった祠、そして破壊軍が着ていたと思われる鎧が変形して転がっている様…そのぐらいしか残っている者は無かった。

草木も無く、地は白く染まり完全に大地が死んでしまっていた。

空は黒く、そして黒い雨が降っていた。


グロストは起き上がり、変形した鎧を持った。

その瞬間…






バリッ!!




グロストの手から雷が音を立てて出てきた。

白と黒の混ざった雷がグロストの手でバチバチと音を出している。



「まさか…」


グロストは手を前に差し出して、魔法を使う要領で雷魔法を唱えた。

すると…


「!?」


その雷は黒と白を纏い、前方へとまっすぐ伸び、奥に見えた木々に直撃。

そして大地を揺るがすほどの大爆発を巻き起こし、跡形もなく消し去った。


「…ふっ、ふふっ…はははははははははははははははははははははははは!!!!」


グロストは空を見上げて高笑いした。


「力だ…手にしたぞ…!無敵の力だッ!…この力でッ!!」


グロストは変形した鎧を地へ叩き付け足で踏みつぶした。


「このッ!!」

足元から発する雷で鎧は更に変形。


「力でッ!!!」

宙に浮いた鎧を腕で掴み、握りつぶした。


「復讐だ…復讐してやるぞ破壊軍!!!ははははははははははははははははははは!!!!」

両腕を高く上げ握りつぶした鎧を破壊の雷で完全に跡形もなく消し去り…





復讐鬼の誕生を喜ぶかのように激しい雷と黒い雨が灰となった大地に降り注いだ…



これは、一人の復讐鬼となった竜人が英雄となり…やがて“幻の神話”になるまでの物語…



Episode1 END

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