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第84話 エリクサー

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 2月5日に本作品『いずれは最強の探索者』の書籍が発売になります!

 よろしくお願いします!


 挿絵(By みてみん)


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 ■■■■■■■■■■

 084_エリクサー

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 B級ダンジョンである稲沢ダンジョンの探索は順調に進んでいる。

 そんな中、シーカー協会に報告した第三エリアの隠しエリアの調査は難航している。なにせB級ダンジョンだから、調査できる人が極端に少ないのだ。


 それに、そこが隠し通路なのか、調べるのも難しい。ただし、あそこには双頭竜が出るから、検証はそこまで難しくないだろう。

 でも、双頭竜を倒せるだけの戦力がないといけないから、そこもネックになっている。


 僕とルカは探索を進めている。今回の探索は第一二エリアのボスを倒したところで、第一三エリアに入って終わりにした。


 でも、まだ帰らない。

 僕たちはその日の最後に双頭竜を狩ってから帰るようにしているんだ。

 シーカー協会による隠し通路の閉鎖ができていないので、僕たちは自由に入っていけるわけだ。


 あれから何度も双頭竜を倒しているおかげで、ルカがかなり昔の勘を取り戻した。

 双頭竜相手でも、ほぼ一人で戦えるほどになった。二級シーカーは伊達ではないと、思い知らされたよ。


「お疲れ」

「いい感じだわ」

「それはよかった」

 ルカは満足そうに短剣を鞘にしまった。シャキンッといわせるの、格好いいと思ってしまう。


 双頭竜は初回こそ特殊能力を僕たちに与えてくれたけど、二回目以降は毎回アイテムを落としてくれる。

 さすがにアイカがポカした天候制御装置の設計図は出ないけど、毎回それなりにいいものが出て嬉しい限りだ。

「今回のアイテムはエリクサーだったよ」

「エリクサーかー」

 ルカが遠い目をする。


「エリクサーはどんな病気も治す霊薬だけど、呪いも解いてくれるからね」

「もっと早く出てくれたらと思わないではないけど、それだとリオンと出会えなかったかもしれないから、結果的にはよかったわ」

「面と向かってそう言われると、気恥ずかしいね」

 ルカはフフフと笑って、エリクサーを収納鞄にしまった。これは売ることになると思う。


 うちのクラン員とその身内は、ミドリさんが育ててくれているチティスの実があるから、怪我や病気はすぐに治せる。それにチティスジュースを定期的に飲んでいるから、病気の予防になっているんだ。


 おかげでお爺ちゃんやお婆ちゃんが、元気すぎるくらい元気なんだよ。特殊能力も身につけているから、お婆ちゃんはシーカーになろうかと言っているくらいで困っているんだ。




 大水支部長が目を剥いた。

「本物のエリクサーを扱うことができるとはな……」

 感慨深いみたい。


「そんなものですか?」

「前回のエリクサーが……五年前のオークションで一〇〇〇億ドルだったか。ちょっとした国の国家予算並みの金額で落札されたからな」

 エリクサーには病気を完治させ、呪いを解呪する以外にもう一つ効果がある。

 それは若返り効果だ。


 以前、僕がC級ダンジョンの死霊ダンジョンでボズガルドという三〇歳若返るアイテムを入手した。

 ボズガルドは若返る年齢が三〇歳と決まっていたけど、エリクサーは違う。

 エリクサーの若返り効果は、その人物の最盛期の年齢まで若返るというものなんだ。

 大概は二〇歳前後になる。

 八〇歳でも一〇〇歳でも二〇歳前後の体を手に入れられるのだから、ボズガルドよりもはるかに需要がある。

 需要はいくらでもあるけど供給がないから、国家予算規模の落札価格になるわけだね。


「すぐに本部に連絡する。分かっていると思うが、口外はしないほうがいいぞ。変な奴が周辺をウロチョロするからな。海外では、エリクサーを手に入れるために戦争が勃発したほどだ。慎重にな」

 そんな怖いこと言わないでくださいよ!

 エリクサーについては、大水支部長に任せることにして、僕とルカはクランハウスに帰った。




 僕はヨリミツと居酒屋にきている。

 僕はこの店の串を全種類コンプリートしようと頼んだ。飲めないから、こういう楽しみがないとね。

「お前、それを全部食うのか?」

「食べきれなかったら、持ち帰るよ」

 僕には『時空操作』の収納があるから問題ない。


「お兄ちゃん、このどて美味しいよ」

 酔って頬を真っ赤にしたアイカが僕にどてを食べさせようとしてくる。あーん。

 うん、美味しい。甘味の中に苦味がある味噌がいい仕事をしているね!


 ヨリミツを呼んだら、なぜかアイカがついてきた。

 アイカがついてきたら、アオイさんたちクラン員全員がついてきた。まあ、いいけど。


「リオンさん、この味噌串も美味しいですよ」

 ミドリさんも顔が赤い。アイカ同様、酔っているようだ。

 差し出された味噌串カツをパクリ。これも美味しいね。僕、赤味噌、大好き。


「リオンさん、手羽先も美味しいですよ」

 アオイさんからは手羽先か。顔は赤くないけど、目が座っているんですが? ちょっと怖い。拒否はできない。する気もないけど。

 パクッ。スパイスの塩梅がいい! この店の名物らしいけど、名物というだけの味だ!


「ん、ヨリミツ、どうした?」

 何故かヨリミツに呆れられている気がする。

「お前、いつか刺されるぞ」

「え、何で!?」

「周囲を見てみろ」

 ヨリミツが言うように周囲を見たら、なぜか皆から睨まれていた。特にサラリーマン風の人たちから殺気のこもった視線を向けられている。なぜだ!?


「どうしたんだ、あの人たち?」

「それに気づかないお前は幸せ者だ」

 さっぱり分からないよ!




 飲んだ翌日、今日は土曜日。

 僕は飲んでないけど、皆はベロンベロンに酔っていた。クランハウスの二階の多目的スペース内は死屍累々のような状態だ。

 居酒屋の後、飲み直そうということになり、クランハウスで宴会をしたんだ。皆が朝まで飲んでいた。


「お兄ちゃん……頭、痛い」

 朝まで飲んでいたアイカがゾンビのように緩慢な動きで床を這ってきた。怖っ!?


 ルカも床で寝ている。

 フウコさん、アズサさん、アサミさんなど、飲める年齢になったばかりの子たちも皆意識がない。

 アオイさんはどこから持ってきたのか、マネキンを抱いている。それ、盗んでないよね?

 ミドリさんまで酒瓶を抱えて寝ている……。

 皆、はっちゃけているね。武士の情けだ、見なかったことにしてあげよう。武士じゃないけど。




 安住製作所では重力エンジンの生産が急ピッチで進んでいる。

 自衛隊は急ピッチでスマートメタルを配備し、自衛隊員をパイロットにしてダンジョンに送り込んでいる。

 自衛隊員の中にはそれによってレヴォリューターになった人が何人もいるのだとか。


 レヴォリューターになれば、スマートメタルに頼らずダンジョンに入ることができる。

 仮にレヴォリューターになれなくても、スマートメタル乗りとしてダンジョンで活躍できる。


 そもそもスマートメタルのパイロットになるためには、それなりに高いハードルがある。

 厳しい訓練を乗り越え、それなりの適性を供えてなければいけないらしい。そこら辺は自衛隊の秘密らしいけど。


 僕はそんな渦中(?)の安住製作所へと足を運んだ。



挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
この作品と雷鳴の賢者が特に好きで(他も全部面白い)ずっと更新を待ってるんですが、まさか終わりじゃ無いですよね?
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