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080_稲沢ダンジョン第三エリアの隠し通路

 この物語はフィクションです。

 登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。

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 080_稲沢ダンジョン第三エリアの隠し通路

 ■■■■■■■■■■


「右ね」


 どうやらルカは右がいいと考えているようだ。

 僕が頷いたのを見たルカは、十字路を右に進んだ。その後を追いかける。すぐに開けた場所に出た。


「宝箱よ」


 直径一〇〇メートルほどのドーム状の広場の中央に、宝箱がこれ見よがしに鎮座している。


「罠があるわね」

「うん。モンスターハウスの罠だね」


 ルカは『鋭敏』で罠の存在を感知し、僕は『魔眼』と『テキスト』で罠の存在を確認した。

 広場に立ち入ったら発動し、通路が塞がれてワラワラと魔物が出てくるオーソドックスな罠だ。

 この罠は『隠蔽』で隠されていた。『隠蔽・極』ではないから、ちょっと残念。


「どうする? 罠を解除する?」

「『SFF』にする」

「了解。それじゃあ、このまま解除せずにモンスターハウスを発動させるということで」


 ルカは『SFF』がかなり低下している。だから、回復させて早く二級の実力を取り戻したいようだ。

 それに僕も『SFF』はほしい。ルカに追いつき追い越したい。ここまできたら、それくらいの欲が出るというものだ。


 ルカが無造作に広場に入っていく。僕もそれに続いて進むと、通路が塞がれた。通路が最初からなかったような、綺麗な壁だ。

 広場の中央の床から光が立ち上り、それが太くなっていく。広場全体に光が行き渡り、僕たちもその中に取り込まれる。

 うす暗いドーム内が明るくなり、床から魔物が浮かび上がってくる。


「あれ、どういう原理なんだろうか?」


 魔法陣でもあるなら、まあ分からないではない。だけで何もないただの床から魔物が生えてくるんだ。


「私たちの糧」

「うん。しっかり『SFF』を稼がせてもらおうか」


 現れたのは、これまでこの稲沢ダンジョンでは見たことのない魔物ばかり。ただし、清州ダンジョンでは見たことある魔物だ。

 ダブルヘッドラビット、ゲッコウフロッグ、足長クモ。この三種類の魔物だけど、さすがにB級ダンジョンの隠し通路用に強化されている。

 特に面倒なのがゲッコウフロッグだ。その舌の射程範囲が二〇メートルくらいになっていて、危うく被弾するところだった。


 ルカが飛び出していき、ゲッコウフロッグに剣を突き刺す。急所を寸分たがわず突けば、魔物は一発で倒れる。さすがはルカだ。


「僕も負けていられないね」


 先ずは周囲にいる魔物を結晶に換える。

 バタバタバタッと五体が倒れ、その生命結晶を瞬時に収納へほうりこむ。

 カラドボルグを突き出すと、転移ゲートを通って魔物の首を突き刺す。

 その間にルカは空中を縦横無尽に飛び回っている。あれは『飛行』を使っているはずだけど、

 直前に覚えた『立体起動』も活用しているようだ。


「もう『立体起動』をものにしているか。さすがはルカだね」


 多彩というか、器用だ。


 僕はルカを援護することにした。

 射程範囲が長いゲッコウフロッグを優先的に結晶に換え、近づいてくる魔物はカラドボルグで薙ぎ払った。


 ルカは縦横無尽に暴れまわり、僕もたくさんの魔物を狩った。

 一時間ほどで魔物は現れなくなり、通路が開いた。


「ざっと三〇〇体」

「僕もそのくらいだよ」


 結晶にした数は二〇〇体を越えた。

 結晶に出来なかった魔物もいるから、最低でも三〇〇体は倒していると思う。


 魔石を拾い集めていると、アイテムが三つ落ちていた。

 宝箱も健在だ。


 精霊級だけど、呪われた剣が一振り、『念話』用のレボリューションブックが一冊、黒いリンゴが一個。

 どれも収納に放り込んだ。


 ルカが宝箱の前で仁王立ちしている。


「罠があるわ」

「モンスターハウスの罠がある部屋の宝箱のくせに罠があるとか、面倒くさいね」

「B級ダンジョンともなると、それくらいあっても不思議はないわ」

「なるほど」


 宝箱の罠を結晶化する。『SFF低下の呪い』だ。これ、ルカにかけられていた呪いと同じだよ。性質が悪いな。

 そのことを聞いたルカが顔を顰めた。


 罠のなくなった宝箱を開けると、虹色に輝く盾が出てきた。

 精霊級で全属性攻撃を半減させるレインボウシールドだ。

 僕もルカも盾は使わない。


「これ、精霊級の盾だよ」

「アサミに使わせればいいわ」

「そうだね」


 今回手に入れたのは、この盾を含めて四つ。

 黒いリンゴはダンジョンクリエーターだから、非課税の一〇億円が確定だ。


 通路を戻って今度は十字路を真っすぐ進む。

 一〇畳くらいの部屋に、宝箱が三つ鎮座していた。


「真ん中の宝箱に罠があるから、解除しておいたよ」

「リオンが便利過ぎて気持ちが緩みそう」


 何を仰いますか、ルカさんや。

 僕のほうが緩みそうですよ。


 ルカがツツツと宝箱に進んでいく。

 左の宝箱から順に開けていく。


 左の宝箱には、精霊級のレインボウアーマー。これはレインボウシールドとセットで装備すると、なんと全属性攻撃を九割も軽減してくれるという素晴らしい防具だ。


 真ん中は精霊級の雷撃の弓。これは、矢に雷を纏わせることができ、命中した相手に麻痺の追加効果を与える。


 そして右側は……。


「これ、何?」

「巻き物?」


 古風な巻き物風のものを『テキスト』で見たら、こりゃたまげた。


「それ、天候制御装置の設計図だって」

「は? なんでそんなものがダンジョンの宝箱に入ってるの?」

「僕に聞かれても分からないよ」

「それもそうね」


 昨今の温暖化による異常気象は、誰もが懸念するものだ。

 でも、なんでダンジョンにこんなものがあるのか?


「それ、開けた人の脳内に設計図を記憶させるらしいから、下手に開けないようにね」

「分かったわ」


 三つのアイテムを収納する。天候制御装置の設計図をどうするかは、後から考えることにした。


 今度は十字路は左に進む。


「隠しボスね」

「そのようだね」


 それは威風堂堂としており、まさにボスといった威容を誇っていた。


「まさかB級ダンジョンでドラゴンを見るとは思ってもいなかったわ」


 ボスはドラゴンだった。

 あの地獄の門の底にいたドラゴンよりは小さく体長は一〇メートルくらいだけど、それでもかなり強い。


 ワイバーンなんてなんちゃってドラゴンとは格が違うと、その存在感が言っているようだ。


「あれは双頭竜そうとうりゅうだよ」

「頭が二つあるから、双頭竜ね。間違いなくドラゴンね」

「ああ、ドラゴンだ。そして『SFF』は三万七〇〇〇だよ」

「……B級ダンジョンにいていい魔物ではないわね」


 シーカーは強さの目安として『SFF』値が使われる。

 シーカーが四級に昇級できる基準は、『SFF』が五〇〇〇以上あること。三級は一万、二級が二万だ。


 つまり、双頭竜は二級昇格基準を軽くオーバーする強さを持っている。

 いくら隠し通路のボスでも、三万七〇〇〇は異常すぎる数値だ。


「どうする? 逃げる?」

「フフフ。冗談言わないで。あれを倒せば『SFF』がガッポガッポよ」

「命がけだけどね」

「命をかけるだけの価値はあると思うわよ」


 ルカは口角を上げ、犬歯を見せいる。

 ここにも戦闘バカがいたよ……。


「それぞれの頭から、極寒ブレスと灼熱ブレスを吐くからね」

「了解」

「一分、時間を稼いでくれるかな」

「いいわ」


 彼女を引き止めない僕も戦闘バカなのかもしれない。


 僕はルカに加速をかけた。

 ルカはサンキューと言うか言わないかのタイミングで、双頭竜に跳びかかった。

ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


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[一言] そんなヤバい設計図 黒いリンゴと一緒に 支部長に押し付けちゃえ
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